柔軟な発想と技術力で、多様なエンターテインメント事業者にサービスを提供しており、「クライアントと最高の共創パートナーで居続けること」を会社のフィロソフィーとして掲げる株式会社Two Gate。
公式アプリ開発サービスやモバイルオーダーを展開し、90個以上のアプリが誕生。
サービス全体で累計100万ダウンロード超を記録し、エンタメ業界に大きな変化を生み出しています。
本日は社員の半数以上が高専出身者であり、他のメンバーの多くもリファラル採用で入社された方々で構成されているエンジニア組織を束ねる奥本 隼氏にリーダーのあり方についてお話を伺いました。
奥本隼 | 株式会社Two Gate
長野工業高等専門学校、豊橋技術科学大学卒 同大学院にて工学修士取得。
高等専門学校在学中の2013年からソフトウェアエンジニアとして開発業務に勤め、2016年より株式会社Two Gateに創業初期メンバーとして参画し2019年から同社取締役CTOに就任。
皆を巻き込み導くリーダースタイル
--これまでリーダーとして開発チームのメンバーをどのように動かしてきましたか?
私はビジョンを掲げて皆を引っ張っていく「ザ・リーダー」の様なタイプではなく、
誰も手を付けていない課題や事務的な作業に対しても率先して取り組み自身が動くことで周りを巻き込んでいくスタイルのリーダーです。
システム障害が起きた際も、まず自身が先頭に立ち問題の対処に関わり、解決するまで粘り強く諦めない姿勢を見せるようにしています。
また、自身が直接的に課題を解決に導くことができない状況でも、寄り添う姿勢を見せ、課題の本質を一緒に考えています。
そのようにして課題解決のプロセスを一緒に対応していることをメンバーに実感してもらうようにしています。
エンジニアは不具合の発生や時間の制限など、常に様々なプレッシャーがかかります。
そのためチーム全体が並走する形で、皆に寄り添うことが組織の密度を高め、協力し合うカルチャーを作っています。
--メンバーの主体性を醸成していくために意識していることはありますか。
私は弊社のCTOという役職に就いていますが、皆も同様に『クライアントからすればCTOと同じく技術代表者である』というマインドを普段から意識してもらっています。
そうすることにより、個人がより主体性と責任感を持つことができます。
システムを完成させることがゴールとして設定されるのではなく、クライアントの課題解決が真のゴールだと設定することで、メンバーの理解を促します。
目標が正しく共有できていることで、チーム全員が自身の業務に納得して取り組むことができると考えています。
フラットな関係が組織の成長を促す
--チームの環境作りで意識していることはありますか?
メンバーが意見を言いやすい環境づくりを意識しています。
特に全員のチャレンジ精神とフラットな関係づくりを大事にしています。
チャレンジ精神があることで仕様・設計の品質等のリスクや工数は考慮しつつも、新しい考えを取り入れ、既存の考え方に縛られないなど挑戦的な開発ができます。
また、フラットな関係という面では役割分担はありますが、意見を出す上では明確な上下関係はありません。
ここをしっかり認識させることで、皆が積極的に議論に参加できるようになり議論の活性化につながります。
そして、議論が活性化することが、結果的にプロダクトの成長、組織の成長へとつながっていきます。
成果の可視化がエンジニアを成長させる
--エンジニアが成果を感じ、モチベーションを保つために意識している事はありますか。
一定の振り返り時期を定め、成果を可視化し実感することがモチベーションを保つ上で大事だと考えています。
分業によるネガティブな側面として、エンジニアはエンドユーザーの声を直接聞かない事も少なくないと考えています。
あるシステム開発が終わり納品すれば、次のシステム開発が始まるなど、淡々とこなしていくことが多いと思います。
自身が作ったものが納品先でどれだけの売上を出しているか、世の中でどのように評価されているかなどを実感する機会が少ないと感じています。
だからこそ弊社では、その成果をエンジニアやデザイナーに実感してもらうことを大事にしています。
実際に今年新卒で入社したメンバーがいますが、既存社員の協力のもと大きなプロジェクトの1員を担ってもらいました。
そのシステムが世の中に出て、大きな売上ができている事を伝えたり、SNSで 実際の使用ユーザーの声を聞くことでモチベーションを高める事ができました。
そのプロジェクトがto C向けのサービスだったということもありますが、やはり実際のユーザーの喜びの声を聞くことが、作り手としての最大の幸せだと考えています。
それを聞く、実感するということはモチベーションを加速させる上で大切なことです。
また、それが個人の成長につながるとも考えています。
逃げずに粘り強く向き合うことが事態を好転させる
--最後に今後リーダーを目指す若い世代に向けてアドバイスがあればお聞かせください。
エンジニアは様々な問題に直面する場面がたくさんあると思います。
ときには、開発期間が逼迫してしまったり、システムに障害が起きてしまったりなど、想定外のことに対して、直接向き合う必要がある場面が多いと思います。
ですが、最後まで逃げずに立ち向かうことで事態を好転させることもあります。
また長期的な目線で物事を見る重要性も伝えたいです。
短期的な目線で見ると成果が出ないことも多いですが、長期的な目線で見ると結果が出ることもあります。
だからこそ、ぜひみなさんにも問題や困難に直面したときに、目の前の辛さだけを考えるのではなく、長期的に物事を見て立ち向かっていただければと思います。