V字モデルとは?使用事例から基本を理解しよう

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V字モデルとは?使用事例から基本を理解しよう

2023年7月12日

V字モデルとは何か知っていますか?

ITの開発現場では必ずと言っていいほど耳にするかと思います。V字モデルはソフトウエアの開発からテストまでの工程の対応関係を示した図です。 

これが存在することでどのようなメリットがあるのでしょうか? 

本記事ではV字モデルの概要から使用事例まで簡単に解説していきます。 

疑問に思っている人の画像

1. V字モデルとは

V字モデルの概要

V字モデルとは

ソフトウエアの開発からテストまでの工程をV字で表したもの

です。

主に、それぞれの対応関係を明らかにするために用いられます。どのように作業を進めるのか、どのように開発を進めるのかをV字モデルとして可視化していくことで作業工程を立てやすくなります。

 

V字モデルのプロセス 

V字モデルには以下の要素が含まれます。 

  • 要件定義 
  • 基本設計 
  • 詳細設計 
  • 実装 
  • コンポーネントテスト(単体/ユニットテスト) 
  • 結合テスト 
  • システム/受入テスト 

 

そして開発工程とテスト工程がそれぞれが以下のように対応するように作られています。 

  • 要件定義→システム/受入テスト
  • 基本設計→結合テスト
  • 詳細設計→コンポーネントテスト

 

v字モデル

 

2. V字モデル活用のメリット 

V字モデルの活用には以下のようなメリットがあります 

 

テスト内容を的確に確認できる 

V字モデルは開発工程とテスト工程が対応するように作られています。V字モデルを活用すれば、工程ごとにどのようなテストを作成すべきかをはっきりとさせることができます。また、対応している開発工程が確認できる状態であればテスト漏れなどのリスクを防ぐことができます。 

 

全体の進捗を確認しやすい 

テスト内容を明確にしやすいため、作業内容や担当者などを具体的にしやすいという利点があります。また、各テスト工程で事前にテスト内容を明確化し、工数を細分化してスケジュールを見積もることで、実際のテスト実施時に進捗状況を把握しやすくなります。これにより、情報の共有漏れや認識のずれを軽減することができます。 

 

手戻りのリスクを軽減できる  

V字モデルでは各工程ごとにテストを行い、次の工程に進むものなので、受け入れ段階でのミスが発覚しそれの原因が初期工程にある場合、詳細設計を再考しなければならないという事態を事前に防ぐことができます。手戻りが発生することでスケジュールの遅延などプロジェクトに大きなデメリットがあるので、それを回避できることはメリットだということができるでしょう。 

 

3. V字モデル活用の注意点

V字モデルを活用していくためにはメリットのほかに注意点を理解しておく必要があります。 

V字モデルの注意点には以下のものがあります。

適切なテスト計画 

各工程に対するテスト計画を事前に策定しましょう。テスト項目やテストケースの明確な定義、テストの範囲や期間の設定など、計画をしっかりと立てることが重要です。長期的なプロジェクトであってもそれを小さい単位に小分けするのではなく大きい単位でつながっている状態で開発を行うことになるので、テスト計画などはきちんと事前に立てるようにしましょう。

 

ドキュメンテーションの重要性 

V字モデルは各工程ごとのドキュメンテーションが非常に重要になります。各工程ごとに総合的なテストを行うため、初期の段階から、要件定義や設計の仕様書、テスト計画やテストケースのドキュメントなどをしっかりと作成し、関係者間で共有しましょう。 

 

変更管理と品質保証 

プロジェクトの進行中に変更が発生する場合、変更管理プロセスを確立しましょう。変更に伴う影響を評価し、品質保証を維持するための対策を講じることが重要です。V字モデルはアジャイル開発に比べ、急な設定変更などに弱い一面があります。それに対応するためにアジャイルを組み合わせてみるなど、変更管理プロセスを事前に確立しておくことが大切です。

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4. V字モデルの使用事例

V字モデルとアジャイル 

アジャイル開発とは

「計画→設計→実装→テスト」というステップを小さく機能単位でおこなっていく開発方法

です。

機能単位でこれらのサイクルを行うので、素早くリリースができるのが強みです。一方、V字モデルは、要件定義や設計といった上流工程から順に進められ、各工程ごとにテストが行われる開発手法です。 

V字モデルとアジャイルは相補的な関係にあります。V字モデルは高い品質保証と的確なテスト基盤を実現し、アジャイルは柔軟な開発プロセスを実現するための手法です。プロジェクトの性質や要件に応じて、V字モデルとアジャイルを組み合わせて使用することもあります。

 

V字モデルとウォーターフォール  

ウォーターフォール開発とは

開発プロセスを一方向の流れとして捉え、要件定義、設計、実装、テストといった工程を順番に進める開発手法

です

各工程は前の工程の結果を入力として受け取り、次の工程のためのアウトプットを生成します。一度工程が終了すると、次の工程に進むために戻ることはほとんどありません。 

一方、V字モデルはウォーターフォールモデルの各工程に対してテスト工程を対応させたものです。V字モデルでは、要件定義からテスト計画の策定、テスト設計、テスト実施といったテスト工程を順番に実施します。各工程の結果に対するテストを通じて、品質を確保し、要件を満たしていることを確認します。 

このように、V字モデルはウォーターフォールモデルの一部を拡張した形態として捉えることができます。V字モデルではテストが重視され、品質管理がより強化されます。一方でウォータフォールモデルは開発の上流から下流までの流れを滝のように直線的に表現しているため、出戻りがないことが前提です。そのため、V字モデルと同じようにテストを重視しています。 

しかし、ウォーターフォールモデルV字モデルとは違い一方向なため、開発工程とテスト工程を対応させて考えているわけではありません。これら2つを比較すると、V字モデルは品質保証の観点からより体系的なアプローチを取ることが特徴であるとわかります。

5. まとめ

いかがだったでしょうか? 

最後に重要な4をまとめます 

V字モデルはソフトウエアの開発からテストまでの工程の対応関係を示した図 

V字モデルは品質向上において大きなメリットがある 

アジャイル開発と相補的な立場にある 

ウォーターフォールモデルを拡張した形態である

 

開発方法には様々な種類があると思いますが、それぞれのメリットを理解し、プロジェクトの内容によって使い分けるようにしていきましょう。 

 

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