バーンダウンチャートは、プロジェクト管理やタスク管理において重要なツールです。
プロジェクトの進捗状況を可視化し、残り作業量やスケジュールの把握を容易にします。
本記事では、「バーンダウンチャート」とは何か、その定義と概要について詳しく解説します。さらに、Excelでバーンダウンチャートを作成する手順や、効果的な活用法についても紹介します。
1. バーンダウンチャートとは
バーンダウンチャートの定義と概要
バーンダウンチャートは、プロジェクトの進捗状況を視覚的に表現するグラフです。
縦軸には作業量を、横軸には時間や期間を設定し、プロジェクトのスケジュールに応じた理想的な進捗を示します。
また、実際の進捗と理想的な進捗の関係を、「実績線」「計画線」「理想線」の3つの線を用いて比較することで、プロジェクトの遅れや進行状況を把握することができます。
バーンダウンチャートのメリット
バーンダウンチャートは、プロジェクトやタスクの進捗管理において重要な役割を果たします。
ここでは具体的なメリットを3つ紹介します。
進捗の可視化
バーンダウンチャートは、作業量の推移や残り作業量の変化を一目で把握できるため、進捗状況を的確に把握することができます。
例えば、1週間経過した時点でバーンダウンチャートの実績線が計画線よりも下になっていれば、プロジェクトは予定通り進んでいることがわかります。
一方、バーンダウンチャートの実績線が計画線よりも上回っている場合、進捗が計画よりも遅れていることに気づくことができます。
問題の早期発見
バーンダウンチャートを使用することで、プロジェクトの遅れやリスク要因を早期に発見することができます。
バーンダウンチャートの実績線が計画線よりも上になっている場合、チームはリスク要因が発生している可能性があることに気付くことができます。
これにより、必要に応じて人員を調整したり、スケジュールを調整見したりなど、適切な対策を講じることができます。
早期に問題を把握することで、チームは対策を講じるための時間を確保できます。
チームワークの強化
バーンダウンチャートはチーム全体で共有されることが多く、進捗状況の共通認識を持つことができます。
これにより、チーム全体が定期的にバーンダウンチャートを共有しながらミーティングを行うことで、進捗状況を把握し、課題や遅れがある場合には早めに議論して解決策を見つけることができます。
また、進捗状況が透明化され、各メンバーが互いの貢献を認識しやすくなります。メンバー同士がお互いの進捗や課題を把握し、必要なサポートや相互のタスクの連携を行うことで、プロジェクトの成功につなげることができます。
2. バーンダウンチャートを作成手順
それでは早速バーンダウンチャートを作ってみましょう。
ツールを利用するのも良いですが、Excelでも簡単にバーンダウンチャートを作成できます。
ここではExcelを使った作成手順をご説明します。
1. Excel上に新しいシートを作成し、左から「時間」「理想」「計画」「実績」の順で列を作成する
以下の図1のように入力してみましょう。

図1
2.「時間」の列に、プロジェクト全体が完了する想定時間までの時間経過を入力する
以下の図2にはプロジェクト開始時を0、1週間目を1として入力しています。

図2
3.「理想」の列に、タスクが完了まで等速で減少するように、それぞれの行に値を入力する。
*図2にはプロジェクト開始時のタスク量を1000と置いて入力しています。また、理想線は計画線の妥当性を確認するための指標であるため、実際のプロジェクトを理想線の進捗通り進めなくて結構です。
4.「計画」の列に、各期間におけるタスクの進捗の見積もりを入力する
タスクの工数や人員の増減、メンバーの稼働可能期間や起こりうるアクシデントなどを考慮して余裕をもって見積もりましょう。
5.「実績」の列は作成時には空欄のままにする
この列は、プロジェクトが開始後に、進捗を入力する部分です。 プロジェクト開始前には図2のように空欄ですが、プロジェクト完了時には図3のようになっています。

図3
6. 5までで入力した表の範囲を選択し、「挿入タブ」>「折れ線/面グラフの挿入」>「折れ線グラフ」でグラフを作成

図4
縦軸に「タスク残量」、横軸に「時間」を配置した折れ線グラフを作成します。
最終的に図5のようになれば完成です。

図5
3. バーンダウンチャートの読み解き方
バーンダウンチャートの構造と要素の解説
バーンダウンチャートは、縦軸と横軸から成り立っています。縦軸には作業量や残り作業量を表す指標が配置され、横軸には時間や期間が表示されます。
また、冒頭でも説明したように、バーンダウンチャートには「実績線」「計画線」「理想線」の3つの要素が含まれます。
- 実績線:実績線は、実際の作業量や進捗を示す折れ線グラフです。プロジェクトが進行するにつれ、実際の進捗に応じてグラフが更新されます。
- 計画線:計画線は、タスクごとの所要時間見積もりを表す線です。プロジェクトの開始時点で設定され、時間経過とともに減少していきます。
- 理想線:理想線は、プロジェクトの理想的な進捗を示す線です。通常はまっすぐ右肩下がりの形状をしており、プロジェクトの完了までに必要な作業量の推移を表します。
これらの要素は、バーンダウンチャート上で相互に関連しています。実績線は実際の進捗を表し、計画線は予定通りの進捗を表し、理想線は理想的な進捗を表しています。
これらの線の動きや重なり具合から、プロジェクトの進捗状況や遅れの有無を把握することができます。
バーンダウンチャートを使った進捗把握方法
以下の手順でバーンダウンチャートを読み解きながら進捗を把握することができます。特に重要な3つの把握方法をご紹介します。
実績線の確認
バーンダウンチャート上の実績線を見て、実際の進捗状況を把握します。
実績線が計画線や理想線よりも上に位置している場合、作業が予定よりも進んでいることを示しています。
実績線と計画線との比較
実績線と計画線の関係を確認します。計画線が実績線よりも上に位置している場合、作業が予定通りに進んでいることを示しています。
逆に計画線が実績線よりも下に位置している場合、遅れが生じていることを意味します。
実績線と理想線との比較
理想線と実績線の関係を見て、プロジェクトの進捗が予想通りかどうかを確認します。理想線よりも実績線が上に位置している場合、プロジェクトが順調に進んでいることを示します。
逆に実績線が理想線よりも下に位置している場合、遅れが生じていることを意味します。
バーンダウンチャートの読み解き方は、これらの要素と関係性を理解することにあります。
正確な進捗把握を行いながら、プロジェクトの遅れや進行状況を把握し、適切な対策を講じることが重要です。
4. バーンダウンチャートの効果的な活用法
プロジェクト管理におけるバーンダウンチャートの活用法
バーンダウンチャートはプロジェクト管理で役立つツールです。
具体的な活用法としては、主に2つの場面で役立てることができます。
進捗の把握
バーンダウンチャートを使うと、プロジェクトの進捗状況を一目で把握することができます。
縦軸には作業量や残り作業量、横軸には時間や期間を設定します。実際の進捗と理想的な進捗の関係を比較することで、プロジェクトの遅れや進行状況を把握できます。
例えば、あるゲームの開発プロジェクトでは、バーンダウンチャートを使って、開発予定のゲーム機能の進捗状況を管理しています。
計画線と実績線を比較することで、どの機能が予定通り進んでいるか、どの機能に遅れが生じているかを把握し、必要な対策を講じることができます。
スケジュール管理
バーンダウンチャートでは、理想的な進捗を示す理想線が設定されます。これにより、プロジェクトのスケジュールに応じた進捗を把握することができます。
進捗が予定よりも速い場合や遅い場合、理想線との差異を確認することで、スケジュールの遵守状況を把握できます。
例えば、あるウェブサイトのリニューアルプロジェクトでは、バーンダウンチャートを使って、各工程の進捗を管理しています。
予定されたスケジュールに従って進められているか、進捗が予定よりも遅れているかをバーンダウンチャートで確認し、プロジェクトの進行状況を管理しています。
チームのパフォーマンス改善に役立つバーンダウンチャートの利用法
プロジェクト管理だけでなく、チームで共同作業する場合にも、バーンダウンチャートを活用することができます。特に活用できる場面2つをご紹介します。
目標の可視化
バーンダウンチャートを使うと、チーム全体が達成すべき目標を明確に可視化することができます。チームメンバーは、作業量や残り作業量をグラフで確認しながら、プロジェクトの進捗に向けて共通の目標に向かって取り組むことができます。
例えば、あるスポーツチームのトレーニングプログラムでは、バーンダウンチャートを使用して、選手たちのフィジカルトレーニングの進捗状況を管理しています。残りのトレーニングセッション数や達成すべき目標と比較することで、選手たちは自身の進歩を確認し、目標に向けて取り組む励みとなります。
問題の特定と対策の立案
バーンダウンチャートを見ることで、進捗に遅れや問題がある場合に早期に気づくことができます。そのため、チームは問題の特定と対策の立案に集中することができます。遅れが生じているタスクや工程を特定し、リソースの再配置やタスクの優先順位の見直しを行うことで、効果的な対策を講じることができます。
例えば、あるソフトウェア開発チームでは、バーンダウンチャートを使用して、バグ修正の進捗状況を管理しています。進捗が予定よりも遅れている箇所を特定し、その原因や解決策をチームで話し合いながら改善しています。
5. まとめ
いかがでしたでしょうか。
バーンダウンチャートは進捗状況を一目で管理できる便利なツールです。積極的に活用してみましょう。
最後に本記事の内容を以下にまとめました。
バーンダウンチャートは、プロジェクトの進捗状況を視覚的に表現するグラフで、作業量や残り作業量を縦軸に、時間や期間を横軸に設定し、プロジェクトのスケジュールに応じた理想的な進捗を示します。
以下の3つの線から、実際の進捗と理想的な進捗の関係を比較することで、プロジェクトの遅れや進行状況を把握することができます。
実績線:実績線は、実際の作業量や進捗を示す折れ線グラフです。プロジェクトが進行するにつれ、実際の進捗に応じてグラフが更新されます。
計画線:計画線は、タスクごとの所要時間見積もりを表す線です。プロジェクトの開始時点で設定され、時間経過とともに減少していきます。
理想線:理想線は、プロジェクトの理想的な進捗を示す線です。通常はまっすぐ右肩下がりの形状をしており、プロジェクトの完了までに必要な作業量の推移を表します。
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