株式会社スペースマーケット

インタビュー

「マネージャーに必要なものは、信念とメンバー理解」 株式会社スペースマーケット VPoEが語る、リーダーのあり方

成原 聡一朗|株式会社スペースマーケット VPoE

Webデザイナーとしてキャリアをスタートし、Web制作会社、口コミサイト開発の自社サービス会社、大規模グルメ口コミサイト運営会社などを経験。

2020年6月にスペースマーケットへジョイン。

入社後はフロントエンドチームのTL ~ EMを経て現在はVPoEとして活躍。

 

マネジメントはメンバーの成長を考えること 

--初めてのマネジメント経験から学んだことについて教えてください。 

プロジェクトを成功させるにはチームで生産性を高めることが必要だと学びました。1人だけではなく、チーム全員がスキルを上げて取り組んでいくことです。 

私が初めてリーダーを経験したプロジェクトでは、立ち上げからリーダーを任せていただいていました。このプロジェクトは上手く推進できず、最終的に1〜2か月ほど遅延をさせてしまうという結果になってしまいました。 

 

当初は有能なエンジニアが1人いれば解決できることも多いのではないかと思っていましたが、到底そうではないことだと気づきました。 

自分の期待値ベースでバイアスをかけずに、メンバー1人ひとりのスキルを把握して、成長につながるタスクのアサインやスケジュールを組んでいくことが必要であるなど、チームマネジメントあり方を考えるきっかけになった経験です。 

 

--マネジメントの知識を増やすために行ったことはありますか?  

書籍からインプットすること、そこから自分を振り返ることを行ってきました。 

特に自分を振り返ることは大切だと感じていて、毎日良い点、悪い点の観点から振り返り、改善策を見つけていきました。 

毎日振り返り、改善することを繰り返し行っていくことで自分自身の所作や立ち振る舞いを矯正していくことができます。 

例えば、この時の立ち振る舞いが良くなかったという反省から、毎日改善点を見つけてそこを次の日に意識していきます。そうすると、1カ月前の自分と比べて成長を感じることができます。 

成原さんのお写真 

メンバーと組織をつなげるコミュニケーション 

--メンバー1人ひとりにあった目標設定を行う上で大切にしていること、意識していることはありますか? 

メンバーと期待値をすり合わせたうえで目標設定を行うことを意識しています。 

例えば、このようなスペシャリストになってほしい、このようなマネジメントを行ってほしいなどの期待値があって、アサインを変えることを行っています。 

 個人のキャリアを決めつけることは行わず、普段の会話の中でメンバーのキャリアの方向性を察したうえで、組織との隙間を埋めていくということを考えながら育成しています。 

普段の会話から、個人の意向を感じながら、組織の課題と結びつけます。組織とメンバーをつなげることで、組織開発も行うことができます。 

 

--個人に合わせた目標設定を行う上で信頼関係の構築は必要不可欠だと思います。メンバーと信頼関係を構築するために行っていることはありますか? 

コミュニケーションを通して、失敗はきちんと謝罪し、物事は背景までしっかり説明すること、約束を裏切らないことなどの積み重ねが重要だと思っています。 

また、メンバーが行っていることに対して途中段階でこまめに相談してもらっています。 

しっかりと話すこと、連絡を回すことでメンバーの課題解決につながるため信頼関係を構築することができます。 

 

逆にメンバーから相談や報告が見られない場合は、状況の確認を行い、メンバーのレベルに合わせてアクションを変えていきます。 

メンバーのレベルに合わせてチャレンジさせ、難しいようであればフォローをれるなどを行っています。 

メンバーのレベルを把握するためにも、日頃からコミュニケーションを大事にしています。 

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マネージャーに必要な2つの資質

--マネジメントをするうえでマネージャーに求められる資質というのはどのようなことだと考えていますか? 

2つあると考えています。 

1つ目は、言語化能力です。 

エンジニアマネージャーの仕事は抽象的課題をどう解決していくかということが大事だと思っています。 

この抽象的な課題に対して、フレームワークなどを駆使して言語化し、どうすれば課題を解決できるのか、なぜこうしなければならないのかなどの意思決定をすることです。 

これを自分の中で整理してメンバーに言語化して伝えることが大事です。 

 

2つ目は、他者共感能力です。 

1つ目に挙げた言語化能力はロジックですが、ロジックで人は動きません。人を動かすモチベーション、熱意は相手のことを考えることが必要です。

この他者共感能力を加味して言語化することで多くの人の背中を押すことができると考えています。 

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--他者共感力を養うために意識していることはありますか?  

相手の考えを汲み取った上でコーチングすることを意識しています。 

リーダー経験がある人はある程度の成功体験があるから、自分ならこうするといった経験を話すことが多いです。 

しかし大事なのは、相手ならこうするといった、相手の考えをちゃんと汲み取ることだと思います。 

 

様々な仕事をしている人、様々な考え方を持った人それぞれに人生哲学があります。 

その人生哲学に触れることで、考え方を増やすことができるので様々なキャリアを持つ人との会話をすることが他者共感能力を養うために必要なことです。 

 

また、自分自身を客観視していくことも必要です。自分を俯瞰して、自分の振る舞いで相手はどう考えたかというところを考えて発言していくことで、自分の所作を振り返ることができます。 

 

ぶれないマネジメント 

--最後に現在奮闘しているマネージャーに向けてアドバイスがあればお聞かせください。   

強い信念をもって、メンバーにぶれない姿を見せることです。 

これは独善的になるということではありません。自分の行動に理由をもって説明することができるなどのバックボーンをもってメンバーと接しないとメンバーもついてきません。 

 

また、自分も信念がぶれてしまうとマネジメントがうまくいきません。 

会社と自分の信念をマッチさせて、波及させます。組織の全責任を持つぐらいの胆力を持つことが組織を引っ張っていくマネージャーとしての仕事であると考えます。 

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