「おやつの可能性を信じ、探求する」「おやつにもっとテクノロジーとアイデアを」「おやつで社会をよくしていく」という考え方のもと"お菓子"というモノではなく、"おやつ"という体験を提供するブランドを生み出している株式会社スナックミー。
本日は株式会社スナックミーのCTOの三好隼人氏にリーダーのあり方についてお話を伺いました。
三好隼人|株式会社スナックミーCTO & co-founder
2013年東京理科大学卒業後、建築設計事務所に入社。
その後、エンジニアにキャリアチェンジし2014年にgeechs株式会社へ入社。技術本部のリーダーとしてゴルフアプリのプロダクトオーナーを経験した後、最優秀賞を受賞。
2015年、株式会社スナックミーを創業以降、CTOとしてエンジニアリングチーム統括・開発全般担当。
リーダーとしてプロダクトの想いを理解することの重要性
--はじめてリーダーを任された時を振り返って、今に活きている経験を教えてください。
プロダクトオーナーの指示だけに従うのではなくて、サービスやオーナーの想いを理解してどういう工夫や提案をするべきかというのを考えながら開発するべきだったなと学びました。
初めてリーダーを務めた際は、右も左もわからない時に上司が別のプロジェクトにアサインされ、相談者がいないから自分の中でこうかなと思ったことを、とりあえず突き進んでいました。
プロジェクト自体は毎週オンスケでアップデートは出来てはいました。
しかし、とりあえずアップデートしていくことが多く、実際はサービスの成長にはつながっていなかったと思います。
このプロジェクトはゴルフに関するアプリを開発しておりで、プロダクトオーナーはゴルフが大好きでしたが、他の開発メンバーはゴルフについてあまりよく知らなかったため、プロダクトオーナーの想いを理解しきれていなかったと感じています。
今思えば自分の役割がプロジェクト管理に近いような感じだったのですが、
プロダクトオーナーの想いや開発の意図を理解し、何を求めているのかを理解した上で行動できれば良かったと考えています。
今ではそれが学びになり、プロダクトを作る際は、プロダクトにかける想いや実際に使用するユーザーの声などを意識して開発しています。
メンバー1人1人に向き合ったマネジメント
--エンジニアとエンジニア以外の方が互いに高めあうために、具体的に意識していることや取り組まれたことは何ですか。
互いが何を目指しているか、何を大事にしているかを擦り合せ続けようと思っています。
要望があがったとき、互いのチームがチームとして大事にしていることを把握し、要望の背景を知る必要があると思っています。
その目的を理解し合っていない状態では、エンジニア側からすると「その機能は必要なのか」など軽視してしまう可能性があります。
そのため、お互いの良さや考え方を理解してどうしたらパフォーマンスを発揮できるかという事を意識するように取り組んでいます。
--具体的なマネジメント方法としては、どのようなスタイルを取っていますか。
基本は現場に任せるスタンスです。細かい部分にまで突っ込むのは良くないと思っています。
相談が来た場合は乗るようなスタンスに近いです。やり取りを見ていてうまくいかなかったときに自分なりにしっかり考えてミーティングを設けることもあります。
ただ、メンバー自身の自主性や想いを大事にしているので、自分なりの考えを伝える場所という目的です。
マネジメントするうえで、メンバーの状況を見ながら、問題が顕在する前に早めに対処でするように心がけています。
--メンバーの潜在的な悩みを汲み取るためどういった事を実施されていますか。
メンバーとできるだけフランクなコミュニケーションが取れるように意識しています。
潜在的な悩みは突如大きくなって出てくることはあまり考えていません。
小さい悩みがあり、その小さい悩みが大きな悩みに少しずつ変化していくと考えています。
なので、それを如何に小さい間に解消してあげるかは意識しています。
具体的には、メンバーと1on1を行い認識のズレに対して素早く気付けるように心がけています。
また、四半期に1回程度の頻度でチームとしての目標をメンバーと共有しているので、基本は会社全体の方針とメンバーの認識が大きくずれることは無いと感じています。
ただ常にメンバー個人の状態に合わせてミーティングの頻度や内容を変化させるようにしたいと思っています。
自主性と仕組化のバランス
--メンバーの自主性を活かすために、マネジメントにおいて何を意識されていますか。
自主性と仕組化のバランスを意識しています。
ただやっているだけを防ぐためにもチーム全体としての方針は立てるものの、チームに対する取り組みに対してメンバーがいつでも意見できて取り組みにコミットできるような状態を意識しています。
会社として方針変更というのはありますが、メンバーに主体的にコミットしてもらうためにも細かい部分に関してはいい意味で口を出さないというのは意識しています。
またそのためにもメンバーの視座を揃える事は意識しており、代表が主催する四半期に1度の会議体で会社方針を共有しております。
仮に変更があった場合は私からチームに共有しているので、方針変更にチームが振り回される感覚がない状態を作っています。
--組織が拡大化する中で意識しているマネジメントはありますか。
社員の中で情報が不透明になっている状態を解消したいと思い、2週間に一度部門連携を行っています。
現在当社ではエンジニアだけでなくてパティシエやマーケティングやMDなど多種にわたるチームが存在しており、他部門が何をやっているのかが気づくと確認しづらくなります。
そのため各チームが隔週で状況報告会を実施しており、他チームの方も参加できるような仕組みづくりを始めています。
以前からもSlackなどでアップデート情報などの共有はしていましたが、テキストだと気づかなかったり、メンバーの頑張りが見えづらいのでこういった場を設けるようにしました。
--リーダーとして特に大切にしている価値観はありますか。
自分の考えは一つでしかないと考えているので、こちらが決めつけないようには意識しています。
「自分の意見だけど」と枕詞を付けてから話すようにもしています。
というのも、チーム内で考えを共有することでメンバーそれぞれの視野が広がっていくことが大事だと思っています。
なので何か決めつけることは基本的にはしていません。
そのため、反論は大歓迎です。
一回やってみないと結果もわからないので一度はメンバー自身のアイデアを試せるようにはしたいと考えていますし、もしダメだった時に私が出した1アイデアが活かされてくれば良いと考えています。
--一回試して軌道修正していく中で、意識しているすり合わせ方とかはありますか。
エンジニアとしての考え方を共有していて、最終的にゴールまでのステップを決めて動くというより
アイデアを小さく早く出してアジャイル開発のようにすすめていこうという認識は共有してすり合わせるようにしています。
最初に一発で決めた進め方で進んでいければ早いですが、実際にはそんなことは少ないので、最終的に遠回りにならないようにするために小さく出して軌道修正しやすいようにしています。
また最初からその進め方や話を全員が納得してくれることはなかなかないので、一度形として出していろんな人がフィードバックをすることでいろいろな角度から新しい意見や斬新な意見が出てきやすくしています。
そこから徐々に修正していくことで納得感をもって行動する割合が増えると思っています。
状況に合わせた情報の取捨選択が成功への鍵
--若手リーダーに向けてアドバイスをお聞かせください
他のリーダーの話を鵜呑みにせずアイデアの1つとして受け止めて情報を取捨選択していってほしいです。
リーダー像みたいなものは常に変化していて、過去通じていたやり方だけで通じることはないと考えています。
それぞれの状況に適した行動を取るために、過去のやり方をアイデアにしつつ、今の流れに合わせて実践してみてほしいです。
スタイルとしては会社やチームのフェーズに合わせて実施することが変わってきます。
例えばメンバーにとにかく成長して欲しく、多様に色々なことへ挑戦してほしい時は自由に色々任せてやったほうがいいかも知れません。
会社やチームがピンチで、1つの目標を達成しなければならない時などは、多様性ではなく一つのゴールに一緒に突き進むことが大切になります。
そのため状況に対して合わせること、柔軟に対応することのためにも情報を取捨選択していくことが大切になると思います。