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インタビュー

「リーダーに必要な信念と柔軟性、意思決定に不可欠なもの」 株式会社アイスタイルVPoEが語る

「生活者中心の市場の創造」をビジョンに、美容に関わる膨大な商品情報・ユーザー情報を蓄積した独自のデータベースを活用する他、リアル店舗「@cosme STORE」やEC@cosme SHOPPING」等、ビューティ領域で、ネットとリアルを効果的に組み合わせた垂直型の事業を展開する株式会社アイスタイル。本日は株式会社アイスタイルの上級執行役員 VPoE テクノロジー&クリエイティブ開発センター センター長の近藤俊太郎氏にリーダーのあり方についてお話を伺いました。   

近藤俊太郎|株式会社アイスタイル T&C開発センター センター長 兼 VPoE

中央大学卒業後、国内大手家電メーカーにて大規模システム開発や新規事業の立ち上げにかかわる。配属後3か月で外国人エンジニアと玄人エンジニアの混成チームのプロジェクトマネージャーを経験。 

その後、ブランドコンサルティングファーム、人材系ベンチャー企業などを経て、2006年に株式会社アイスタイル入社。 

サービス開発本部で部長として広告サービスの開発及び事業提携案件を担当した後、退職。新規事業開発の立ち上げから事業売却を経験した後、株式会社アイスタイルに再入社。2021年より上級執行役員 VPoE テクノロジー&クリエイティブ開発センター センター長に就任。 

「教えてもらう」姿勢 

--初めてのリーダーを任されたときを振り返って、意識されていたことをお聞かせください。

教えてもらう姿勢、プロジェクトメンバーの方々をどうリスペクトするのかは意識していました。 

なぜなら、私はリーダーというのは役割であって偉いわけではないと考えているからです。 

リーダーの役割とは、「全体を統括しメンバーの皆が仕事がしやすい状態を作ることであって、呼称上リーダーと言われているに過ぎない」という事を常に意識しています。 

 

配属3か月で年上のメンバーやインド国籍のメンバーで構成されたチームで、初めてリーダーに任命されました。 

マネジメント経験がない中で、私よりもプロジェクトを熟知されているメンバー達のリーダーになったので、「メンバーに教えていただく」という姿勢でいかないと、

チーム全体のマネジメントは難しいだろうと感じていました。 

 

結果的にこういった「勉強させてください」という姿勢が、メンバーに伝わり、チームとしての信頼関係を作ることが出来ました。

実際に自分から素直に知らないと伝える事でメンバーの方々からも理解を示してくれ、リーダーとしての私を試そう、というよりはむしろ「近藤君も大変だよね」と言ってもらったこともありました。 

入社したばかりだったこともあり、良い意味でプライドがなかったからこそ自分からそういう状態にもっていけたのではないかと思っています。 

今でも新規事業や私が知らないプロジェクトに入るときは「知らないから教えて欲しい」という前提で入ることを常に意識しています 

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マネジメントスタイルの宣言 

--マネジメントをする際、意識されていることは何ですか。  

マネジメントをする際に、私はこういうマネジメントスタイルなのだ、自分のポリシーはこうだと最初に宣言しています。 

私のスタイルはメンバーに自由に仕事をしてもらうために、失敗ある前提で動くというスタイルです。 

そのため、メンバーには失敗しても怒らないとまず伝えています。 

ただ失敗した事を放置したり、報告しないのはダメ、とも伝えています。 

 

これによって、自然とメンバーがこうやっていいですか?」 

アクションを起こすことが多いため、一緒に物事をうまく進める方法を考えることができると考えています。 

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リーダーとして意識すべき3つのポイント 

--これまでVPoEに就任されるまで、アイスタイルの多数のプロジェクトに携わられたとお伺いしておりますが、その中でリーダーとして必要だと感じたものについて教えてください。  

リーダーとして3つの必要なポイントがあると考えています。  

1つ目は信念です。
「こうあるべきだ」という確固たる信念を持たないとメンバーも動いてくれません。 

人の見を聞いて考えを変えることはあってもいいですが、迷っていてはいけないと感じています。 正しいアドバイスをもらって意見を変えるのは、迷いではなく柔軟性が高いと考えています。 

 

柔軟性というのは、 人間はみな失敗するという前提を共有した上で、自分が言ったことは現時点において正しいと思いつつも、ずっと正しいとは思っていない状態だと思っています。 

そのため、正しいアドバイスは柔軟に取り入れ、その時点で正しいと思うものを迷いなく進めていくことが重要です。 

 

2つ目は、チームメンバーが働く環境を整えてあげることだと考えています。 

自分のリーダーシップスタイルが傾聴するタイプなので、時間が許す限りメンバーの話を聞くことを意識しています。 

具体的には、ヒアリングすることで課題・要望を聞き出し、必要に応じて障害となる事業部との調整をしたり、答えが出るまでの壁打ちや整理をする相手になったりします。 

その上で気を付けているのは、すぐに意見を提示しないという事です。 

 

メンバー本人が整理していく中で茶々を入れると本人が思考の流れを見失うので、バランスを見て最後の背中を押すか否かを考えながらヒアリングします。 

ヒアリングには忍耐力がいりますが、信念をもってメンバーのためにやりたいと思っています。 

チームのために動けるかという信念が重要です。 

 

3つ目は即断即決で意思決定をすることです。 

自分の権限で決められない状況もありますが、そういう時は必ず持ち帰って状況を判断して答えを必ず持っていきます 

可能か否かをあいまいな状態にしておくことは、みな不幸になるので必ずYesNoの判断をすることは重要視しています。 

そのスピードが上がれば上がるほどプロジェクトの進行スピードも上がりプロジェクトが円滑に進みます 

 

その時点で判断できないことについても、の状況や優先順位を説明したうえで現時点での答えを一度出します。 

リーダーとして、メンバーが優先順位の判断を迷わず出来るようにするため、リーダーとして即断即決が大事だと考えています。 

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マネジメントに正解はない 

--読書家だとお伺いしました。よろしければプロジェクトマネジメントに悩んでいる方にお勧めの本などがありましたら教えていただきたいです。 

ドラッカーは有名ですが、その中でおすすめなのは「明日を支配するもの」です。 

セルフマネジメントについての本です。  

私は自分をマネジメントできない人は人をマネジメントできないと思っています。 

 

ドラッカーの本は哲学的な経営書が多いですが、この本はかなり具体的なケーススタディや前例が豊富で参考になります。 

マニアックなため知っている人が少ないのですが、私もことあるごとに読みますし、若手にプレゼントしたり推奨したりしています。

ぜひ読んでみてください。 

 

 

--最後に、今後のリーダーを目指すような方にアドバイスをお願いします。    

自分の強みを活かし、その強みを伸ばせるような自分なりのマネジメントスタイルを見つけて欲しいです。 

私はマネジメントに正解はないと思っています。 

やはりスタイルは自分で作るべきだと私は思っています。 

周りで自分が目指したい人を見つけて、ベンチマークにするのが一番いいと思います。 

 

私も最初から傾聴するようなマネジメントスタイルではなく、対極の猪突猛進型でした。

今考えれば体力と勢いがあった若い時期だったから許されたと思います。  

今はそれがなくなり、代わりに出てきたのが経験値でした。 

自分なりに話すよりも聞く側に回ったほうが向いていると気づきました。 

今後リーダーとなる方には常に目標となるベンチマークを目指しながらも、その状況に応じて自分自身を柔軟にアップデートしていくと良いと思います。 

 

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