【リーダーシップ論】特性理論とは 基本的な概念と歴史まで徹底解説

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【リーダーシップ論】特性理論とは|基本的な概念と歴史まで徹底解説!

人類が社会を形成し、集団の中で指導的な役割を果たすリーダーが存在してきた歴史は長いです。

古代 から現代まで、リーダーシップは人々の生活に不可欠な要素であり、優れたリーダーには称賛と尊敬が集まります。

しかし、

  • 何が優れたリーダーを特徴づけるのか
  • その共通の特性は何か

という問いに対する答えは常に曖昧でした。そこで登場するのが「特性理論」です。 

特性理論は、リーダーシップの核心を探求し、優れたリーダーが持つであろう特定の特性や資質に焦点を当てるアプローチです。 

 

本記事では、特性理論とは何か、その基本概念から行動理論との違い、歴史的背景、そしてリーダーの特性について解説していきます。 

また、特性理論が直面する課題や限界にも触れ、リーダーシップの研究における今後の展望について考えます。

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1. 特性理論とは

特性理論は、

リーダーシップにおいて、特定の個人的特性や資質が成功に重要な要因となると仮定するリーダーシップ理論

です。 

この理論は、リーダーシップにおける特定の特性や個人的な資質が優れたリーダーの共通点であると仮定しています。

特性理論が取り上げるリーダーシップの特性には、カリスマ性、知識と専門知識、コミュニケーション能力などが含まれます。 

特性理論は古くから存在するリーダーシップの理論の一つであり、プラトンの国家論やマキャベリの君主論などとも類似した要素が含まれています。 

 

特性理論の基本概念 

特性理論は、優秀なリーダーが生まれつきリーダーシップの資質を持っているという前提から始まります。

つまり、特性理論はリーダーシップの能力や特性は育成によって獲得できるものではなく、生まれながらに優秀なリーダーとなる特性を持っているという立場を取ります。 

特性理論の観点では、優秀なリーダーは生まれ持った資質が重要であり、それらの資質を持つ人々を見極めることがリーダーシップの成功に欠かせないとされています。 

 

特性理論は、リーダーシップ特性を特定し、その特性を持つ人々をリーダーとして選出しようとする一環として広く用いられています。

この理論は、リーダーシップの研究と実践において、優秀なリーダーを発見し、組織のパフォーマンス向上に貢献することを目指しています。

 

特性理論と行動理論の違い 

特性理論の次に登場した理論が行動理論です。 

特性理論は、リーダーシップにおける特定の特性や資質に焦点を当て、優れたリーダーは特定の特性を持っているという仮定に基づいています。 

一方、行動理論は

リーダーシップは特定の行動パターンやスタイルによって定義される

と考えます。

行動理論は、リーダーシップは習得可能であり、特性よりも行動に注目すべきだと主張します。 

特性理論は生まれ持った能力を重要視しますが、行動理論は後天的な要素を重要視する考え方です。

特性理論と行動理論は、リーダーシップの本質に対する異なる視点を持っており、どちらもリーダーシップ研究の重要なアプローチとなっています。 

 

2. 特性理論の歴史

特性理論はリーダーシップの研究において古くから存在し、リーダーの資質や特性に焦点を当てるアプローチです

特にビジネス環境においてリーダーシップの価値が明らかになると、20世紀に入りアメリカを中心にリーダーシップの研究が盛んになりました。

これにより、多くの仮説が検証され、現代のリーダーシップ理論が形成されたのです。

このアプローチの歴史を振り返りましょう。

 

古代からの影響 

特性理論のルーツは古代にまでさかのぼります。

プラトンの著書『国家論』では、英知を持ったリーダーが国を治めるべきとの主張がなされ、リーダーシップには特別な資質が必要であるとの考えが表れています。

同様に、マキャベリの『君主論』では、権謀術数に長けたリーダー像が強調されました。 

これらの古代の思想家たちは、リーダーとしての資質が重要であるとの理念を広めました。

 

19世紀の転機 

特性理論の現代的な発展に影響を与えた重要な転機は、19世紀のイギリスの歴史家トーマス・カーライルによる著書『リーダーシップ偉人説』の発表でした。

この著書では、優れた資質を持つ偉人だけがリーダーとなり得るとの主張がされ、リーダーシップは先天的なものであるとの考えが浸透しました。

この考え方は、特性理論の基盤となり、リーダーシップは生まれつき持っている特性によって決まるとの立場を強調しました。

 

20世紀への発展 

特性理論は20世紀に入ってアメリカを中心にさらに発展しました。

特性理論の研究は、リーダーシップにおける特定の特性や資質が成功に寄与する可能性が高いと仮定するアプローチとして定着しました。

しかし、特性理論は後に行動理論との対立や補完的な関係についても議論され、リーダーシップ研究の多様なアプローチの一部となりました。 

 

特性理論の歴史から見ると、リーダーシップの特性についての研究は古代から現代に至るまで重要視されてきました。

この歴史的な背景に基づいて、特性理論はリーダーシップの候補者を評価し、組織の成功に貢献しようとするアプローチの一部として今日でも有用性を保っています。 

 

3. 特性理論におけるリーダーの特性

一般的に、特性理論におけるリーダーの特性は以下の8があげられます。 

 

また、特性理論に限らずリーダーシップには種類があります。 

無料のリーダーシップ診断テストと該当するリーダーシップついての[長所・短所・アドバイス]を用意している記事があります。 

こちらも合わせてご覧ください。 

あなたはどのリーダーシップ?診断テストでわかる8種のリーダーシップスタイルとは

 

カリスマ 

特性理論では、カリスマ的な特性が重要視されます。

カリスマ性のあるリーダーは、魅力的で影響力があり、人々を引き寄せ、信頼感を築くことができ、ビジョンや目標を魅力的に表現することでチームメンバーを鼓舞します。

 

知識と専門知識 

優れたリーダーは、関連する知識と専門知識を持つことが重要です。

リーダーが分野に関する深い理解を持っていると、信頼性が高まり、意思決定がより的確になります。

 

コミュニケーション能力 

リーダーはメンバーと効果的にコミュニケーションをすることが必要です。

彼らは他の人々とのコミュニケーションを円滑に行い、ビジョンや目標を明確に伝える能力を持っています。

良いコミュニケーションは信頼を築き、チームの協力を促進します。 

 

決断力 

リーダーは迅速かつ的確な決断を下す能力が必要です。

重要な局面でリーダーシップを発揮するためには、自信を持って判断を下すことが求められます。

リーダーの決断力は、組織の進歩に寄与します。 

 

自己認識 

リーダーは自己認識を持つことが大切です。

自分自身の強みや弱みを理解し、それに基づいて行動することで、リーダーシップの質を向上させることができます。

自己認識はリーダーの成長と発展に不可欠です。

 

モチベーション管理 

優れたリーダーは、セルフモチベーションを高く持ち、自分と他の人々を励ます能力を持っています。

自身への動機づけが素晴らしいとも言えるでしょう。 

彼らは困難な状況でさらなる成果を追求し、自分自身やチームを向上させるためのモチベーションを提供します。

この特性はリーダーシップにおいて非常に重要であり、目標達成のためのエネルギーと熱意を駆り立てます。

 

公正 

リーダーは公平で偏見のない判断を下し、平等な扱いを提供します。

彼らは個人の違いを尊重し、公正な環境を促進します。

公正さはチームメンバーの協力意欲を高め、組織内での調和を促進します。 

 

責任感 

リーダーは自分の行動に責任を持ち、他の人々に対しても責任を果たします。

彼らは約束を守り、チームの成功や失敗に責任を感じ、誠実に行動します。責任感があるリーダーは信頼性が高く、信頼を築くのに貢献します。 

勉強

 

4. 特性理論の問題点

特性理論の問題点は主に以下の2です。 

  • 主観性と定量的測定の難しさ
  • 個人差や状況に適応しにくい

 

この2つは、特性理論の限界として挙げられます。

特性理論は一部のリーダーシップ特性を強調する一方で、リーダーシップの多様性と複雑性を捉えきれないという課題が存在します。 

したがって、これらの制約を克服し、より包括的なリーダーシップ理論を発展させるためには、他のアプローチと統合することが重要です。 

それぞれの問題点を詳しくみていきましょう。 

 

主観性と定量的測定の難しさ  

人の特性は主観的で抽象的なものであるため、客観的かつ定量的に測定するのが難しいです。

リーダーシップに必要な特性を明確に定義し、それらを測定する方法を確立することは容易ではありません。 

特性理論は特定の特性がリーダーシップにどのように影響するかを説明しようと努力しますが、特性の定義や測定方法が主観的であることから、科学的な信頼性に疑念が生まれます。

特性の評価はしばしば主観的な判断や質的なアプローチに依存し、客観的なデータと比較して信頼性に欠けることがあります。

この主観性と定量的測定の難しさは、特性理論の弱点として指摘されます。 

 

個人差や状況に適応しにくい 

特性理論において、リーダーシップの特性が一般的で普遍的なものとして説明できないという問題があります。

特性理論は、ある特定の特性が優れたリーダーシップを定義し、その特性を持たない人は優れたリーダーになりにくいという仮説に基づいています。

しかし、実際にはリーダーシップは多様であり、異なる状況や組織で異なる特性が求められることがあります。

したがって、特性理論はすべてのリーダーシップの場面に適応できない問題があるといえます。 

腕を組んで座る人

5. まとめ

いかがでしょうか。特性理論についてよく理解できましたか。 

今回の記事のまとめを以下に行います。 

 

特性理論とは、

リーダーシップの能力や特性は育成によって獲得できるものではなく、生まれながらに優秀なリーダーとなる特性を持っているという考え方をする理論

です。

特性理論におけるリーダーの特性は以下です。

  • カリスマ
  • 知識と専門知識
  • コミュニケーション能力
  • 決断力
  • 自己認識 
  • モチベーション管理
  • 公正
  • 責任感

特性理論の限界として以下の2つが挙げられます。

  • 主観性と定量的測定の難しさ
  • 個人差や状況に適応しにくい

 

 

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