目標があるときどのようにその達成を目指しますか?何から手を付けていいのかわからず、なかなか動き出せない人もいるのではないでしょうか?
その際にはぜひマンダラチャートを使ってみてはどうでしょうか。
マンダラチャートは効果的な目標達成を促すツールです。
今回はマンダラチャートの使い方を解説します。またダウンロード可能なテンプレートを用意していますのでぜひ一緒にご活用ください。
1. マンダラチャートとは
マンダラチャートの概要
マンダラチャートは
目標を明確にし、それを達成するために用いられるために使われるフレームワーク
です。
マンダラ(曼荼羅)というのは密教の経典に基づき仏たちの集会を模式的に表したものです。マンダラチャートは密教の曼荼羅の形によく似た表を使用して行うためこのような名前で呼ばれています。
マンダラチャートは1979年に人生とビジネスを豊かにする発想法として松村寧雄が開発しました。組織開発や商品開発、教育などに使用されています。
最近だとWBCの際に、大谷翔平選手が使用していたことで話題になりました。
2. マンダラチャートの必要性
マンダラチャートは、個人の目標を達成するためのツールだけでなく、ビジネスにおいて非常に有用なツールとなっています。このツールは主に「目標達成」のために利用され、その使い方は非常にシンプルかつ効果的です。
まず、マンダラチャートの基本的な作成方法について簡単に説明します。マンダラチャートは9×9の81マスで構成され、その中心に達成したい「目標」を記入します。そして、その目標の周囲の各マスに、目標を達成するために必要な「要素」や「アイデア」を書き込んでいきます。
このプロセスを通じて、目標を達成するための具体的なステップや要素が明確になります。目標が大きく、現実的でないように感じられる場合でも、マンダラチャートを使用することで、具体的な行動計画を立てやすくなります。
例えば、自社のある商品Aの売り上げを倍にするという大きな目標がある場合を考えてみましょう。
目標を達成するにはいろいろな方法がありますが、何から手を付けていいか整理されていない場合、優先順位や気を付けるべき点が把握しきれずに混乱してしまい、行動に移すまでに時間がかかってしまうでしょう。
しかし、マンダラチャートを使うと、「Aの売り上げ2倍」という中心のマスに書いた目標に対し、周囲のマスに「オンライン販売戦略」「SNSプロモーション」「店頭販促イベント」「新規販売先の開拓 」などといった具体的な方法を視覚的に整理することが可能になります。
マンダラチャートを利用することで、漠然とした思考が整理され、進むべき道が見えてきます。目標達成に向けた要素が視覚的に整理されることで、無理なく取り組めるステップに分かれ、それぞれのステップをクリアすることで目標に一歩ずつ近づいていくことができます。
また、マンダラチャートの魅力は、自らがマス目を埋めていくプロセスにあります。このプロセスで、目標達成に必要なことを考え、深く理解することが求められます。
新たなアイデアが浮かび上がったり、今まで気づかなかった重要な要素が明らかになったりすることもあるでしょう。
このツールは非常にシンプルながらも、その応用範囲は広く、ビジネスの事業計画や資格取得、スポーツ、勉強、ダイエットなど、あらゆる分野で活用可能です。マンダラチャートは目標を達成するための思考を整理し、明確な計画を立て、行動に移す手助けとなるでしょう。
3. マンダラチャートの活用によって得られる効果
マンダラチャートは目標達成においていくつかのメリットがあります。
今回は6つのメリットを紹介していきます。
目標達成までの筋道が立てやすくなる
マンダラチャートでは自分が達成したい目標に対して必要な要素を8つ書きます。その8つの要素もさらに細分化することになります。そのため目標達成のために何をするべきかを明確にすることができます。
また、目標達成のために必要な要素を細分化する過程で、その目標に対する自分自身の理解や至らない部分を見つけることもできるので、何が必要となり、どのような行動をとるべきかが分かるので、すぐにでも行動を起こすことができ、目標達成にはかなり有効な手段になります。
優先順位をつけやすくなる
上記でもいった通り、マンダラチャートを使用することで目標達成のために必要な要素を明確にすることができます。それによって思考を整理することができ、加えて視覚的に確認することもできるので、何から行うべきか、優先順位が高いものは何かを考えやすくなります。
新たなアイデアを得ることができる
マンダラチャートは少なくとも目標達成のために必要な8つの要素を書く必要があります。ただ、目標達成のために必要な要素を考えるだけでは、8つも考える事がないかもしれません。
マンダラチャートを埋めることは普段は考えないことを考える良い機会になります。それが新たなアイデアに繋がったり、行き詰っている状況を打破するきっかけになる可能性は十分にあります。
全体の相互関係を俯瞰できる
マンダラチャートは目標達成に向けた具体的なステップを視覚的に示すことで、全体の関係を一目で把握するのに役立ちます。
各要素や周囲のマスからサブタスクがどれだけ進んでいるかを見ることで、優先順位を見直したり、特定の領域に焦点を当てたりすることができ、効果的なリーダーシップや調整が可能になります。
周囲からアドバイスをもらいやすい
マンダラチャートを作成する際、項目が埋まらない場合には上司や先生、友人などからアドバイスをもらうとマンダラチャートの質がより高まるでしょう。項目が視覚的に表示されているため、他の人が行動や目標に対して提案や助言をしやすくなります。
漏れがないか確認しやすい状態で他者と共有することで、さらなる洞察や改善点が見つかり、より良い結果に導くことができます。これによって、協力者とのコミュニケーションが円滑になり、より効果的な目標達成が期待できます。
抜け漏れを防げる
マンダラチャートの作成では、最終目標に必要な行動を72個書き出します。この細かな分割により、抜け漏れを防ぐことができます。目標を具体的な行動に分解することで、重要な細部を見落とす可能性が低減します。
この徹底的な分解によって、全体像を把握しやすくなり、漏れがないか確認しやすくなります。さらに、表を見ることで進捗を把握し、達成感やモチベーションを維持することも可能です。
3. マンダラチャートの使い方
ここからはマンダラチャートの使い方について解説していきます。
まずは以下のURLからテンプレートをダウンロードしてください。
上記資料を確認しながらマンダラチャートを使用していきましょう。
マンダラチャートの作成には以下の5つのステップがあります。
ステップ1:テンプレートをダウンロードする
ステップ2:中心に目標を書く
ステップ3:中心の目標を達成するために必要な要素を書く
ステップ4:書いた要素をそれぞれ周囲のマスの中心に書く
ステップ5:それぞれの中心の達成に必要な要素を書く
ステップ1:テンプレートをダウンロードする
マンダラチャートは3×3の9マスの表を用います。また1つひとつのマスにも3×3の9マスが書かれていて、目標を達成するためのステップが書かれています。 マンダラチャートを用意する場合は無料のテンプレートをダウンロードして使用するのがいいでしょう。
本記事でもテンプレートを用意したのでダウンロードして使用してみてください。
ステップ2:中心に目標を書く
ステップ1で用意したマス目の中心に達成したい目標を書いてください。そこに書く目標は全体の中心にくる最も大切なものになるのでしっかり考えたうえで書くようにしましょう。 また、ここに書く目標は次のステップで詳細化するので目標自体に達成時期などを設ける必要はありません。
例えば、目標が「新サービスのユーザー数100万人」である場合、以下のように中心に記入しましょう。
ステップ3:中心の目標を達成するために必要な要素を書く
ステップ2で書き込んだ目標に関係する要素を8つ、その目標の周辺に書き出します。 この際には先ほど中心に書いた目標を細分化して考え、そこで出てきた8要素を書きこみましょう。
目標が「新サービスのユーザー数100万人」である場合、以下のように周囲の8要素を書き込んでいきましょう。
ステップ4:書いた要素をそれぞれ周囲のマスの中心に書く
ステップ3で書きだした8要素を中心にした新たなブロックを書き込みます。
ステップ2と同じように今度は各要素をブロックの中心にしたものを作ってください。
ステップ5:それぞれの中心の達成に必要な要素を書く
ステップ3のように、それぞれの中心に対して、8つの要素を書き出します。 結果としては81個の要素を合計で書きだすことになります。
5. マンダラチャートを使う際のポイント
シンプルなデザイン
マンダラチャートはシンプルなデザインが重要です。視覚的にわかりやすく、情報が混乱しないようにしましょう。適切な色や線の使用、適度なスペースの確保などがポイントです。
マンダラチャートの利点は一目でわかりやすいところです。その利点をなくさないようなチャート作りを心がけましょう。
具体的なタスクの追加
サブテーマごとに具体的なタスクやアクションを追加しましょう。タスクは実行可能で測定可能なものにし、目標達成に向けた具体的なステップとなるようにします。マンダラチャートを作成した後が重要です。書き出して明確になった要素をタスクに置き換え1つひとつこなしていけるようにしましょう。
優先順位の設定
タスクやアクションに優先順位を設定しましょう。重要度や緊急度に基づいて優先度を付けることによって、マンダラチャートを使った効率的なタスク管理が可能になります。マンダラチャートで必要な要素は明確になっています。そこに優先順位をつけることですぐに目標達成のために必要なことに取り掛かることができます。
具体的な数値を入れる
マンダラチャートには具体的な目標やタスクを明確に書き込むことが重要です。定性抽象的な表現よりも、「週3日以上シフトを入れる」といった定量具体的な数字や期日を設定することで、目標に対する取り組みが具体的で計画的になり、達成しやすくなります。
目標の変更を検討する
マスが埋まりにくい場合は、中心の目標を見直しましょう。目標が抽象的であるか、漠然としている場合、具体的で達成可能なものに変更することで、チャートの埋まりが改善される可能性があります。
また、最初に中心に設定した目標が真の目標なのか、目標に対する手段になっていないかを確認するのも重要です。
定期的な見直しを実施する
マンダラチャートは一度作成したら終わりではありません。定期的な見直しを行い、新たな気づきや変更があれば柔軟に対応することが重要です。目標への進捗を確認し、モチベーションを維持するためにも、定期的な更新が必要です。
マスを埋めきることの重要性
マンダラチャートでは全てのマスを埋めることが不可欠です。すべての要素を考え抜くことで、最適なプランや施策を見つけることができます。思いつかない場合は、情報を追加で収集するか、周囲の意見やアドバイスを取り入れることで、マスを埋めきる手助けができます。
6. マンダラチャートを作る際の注意点と欠点
マンダラチャートは目標の設定やタスクの整理に効果的なツールであり、多くの人が利用しています。しかし、注意が必要なポイントや欠点も存在します。以下に、マンダラチャートを作成する際の注意点と欠点についてみてみましょう。
マンダラチャートの注意点
詳細にしすぎないように
マンダラチャートは具体的な目標を設定することがポイントですが、過度な詳細化は逆効果となり得ます。細かすぎるタスクや目標は、全体のバランスを崩し、取り組みづらくなる可能性があります。注意深く、優先順位や実行可能性を考慮しながら具体的な内容を選定する必要があります。
中心の目標をできるだけ具体化する
マンダラチャートの中心に掲げる目標が抽象的であると、具体的なタスクやステップが派生しにくくなります。目標の具体性が不足すると、全体の計画が曖昧になり、進捗が見込みにくくなります。中心の目標は具体的で明確なものにする必要があります。
例えば、中心の目標として「優秀な社員になる」と設定するよりも、「営業成績1位の社員になる」と設定したほうが、結果を可視化しやすく、目標に至るまでの手段も考えやすくなるでしょう。
項目の優先度付けの難しさ
マンダラチャート上で項目を配置することは一つの目安となりますが、実際に優先順位をつけるのは難しい場合があります。重要な項目を見落とさずに整理するためには、目標とその周囲にある手段の粒度を揃えることに加え、それぞれのマスに記入した項目に対して継続的な評価と柔軟性が求められます。
マンダラチャートの欠点
柔軟性の不足
マンダラチャートは一度作成すると柔軟性が制約されます。変更が生じた場合や新たな発見があった場合、修正が面倒となり、達成へのアプローチが制限される可能性があります。定期的な見直しは重要ですが、柔軟な変更への対応が課題となります。
個体差の影響
マンダラチャートは個人・プロジェクトの特性や作業スタイルによって効果が異なります。ある人にとって有効な手法が、他の人には合わない場合があります。それぞれの状況や特性を考慮しないと、すべての状況で同じように効果を得られるわけではありません。
複雑な目標に対する限界
マンダラチャートは複雑で大規模な目標に対しては限界があります。過度に複雑な計画や大規模なプロジェクトには、他のプロジェクト管理ツールが適している場合があります。
他の目標設定フレームワークの一つとして、KPIツリーがあります。
KPIツリーの作り方について興味が出た方はぜひこちらの記事もご覧ください。
7. マンダラチャートの活用事例
大谷翔平選手
大谷翔平選手が高校時代に作成した「目標達成シート」は、彼の成功の一端を示す素晴らしいマンダラチャートの使用事例です。
このシートは、強い目標(夢)を中心に据え、周囲9×9の合計81マスに細分化された目標を書き込んだもので、特に中心の目標は「ドラフト1位指名」でした。大谷選手は、このシートにおいて中央に掲げた大きな夢を達成するために必要な要素を8つ記入しました。
例えば、「体づくり」という目標に関して、具体的な要素として「体のケア」「サプリメントを飲む」「FSQ90キロ」などが挙げられます。こうした要素は、大きな目標を分解して具体的な行動に落とし込まれ、それがさらに8つのサブ要素へと展開されています。この具体性が、大谷選手が目標に向かって進む際に迷わず進む指針となりました。
このようなアプローチは、大谷選手が17歳の時から既に大きな夢を追い求め、それを着実に実現する基盤を築いていたことを示していると言えるでしょう。
企業事例
株式会社 株式会社ビーラブカンパニー
株式会社ビーラブカンパニーの事例では、マンダラチャートが社内研修として経営計画合宿の一環で活用されています。社員一人ひとりが「マンダラ人生計画」として、自分を中心に8つの要素(健康、仕事、経済、家族、社会、人格、学び、遊び)を含む人生計画を立てています。
これにより、社員は日常の仕事に追われる中で振り返ることのない自分の人生に時間をかけ、具体的な目標やバランスの取れた生活に向けて意識を高めています。
このプロセスでは、マンダラ思考やマンダラチャートの導入が、社員一人ひとりの人生に対するビジョンをクリアにし、それを形にする手助けをしています。また、マンダラチャートを通じて社員は自分の遊びや仕事に責任を持ち、自己決定権を強調されています。これにより、豊かな人生の定義は一律ではなく、それぞれが自分にとっての幸福を追求できる土台が構築されています。
組織の一員としての仕事に捉われることなく、自己の人生を重視する姿勢が、従業員のワークライフバランスや個人の幸福感に寄与しています。株式会社ビーラブカンパニーが提供するこの独自のアプローチは、従業員がより充実した人生を築く助けとなり、企業全体の健全な成長に繋がっていると言えるでしょう。
(参考:株式会社ビーラブカンパニー)
個人での活用例
ブレインストーミング
マンダラチャートは、ブレインストーミングにも活用できます。目標や夢の達成に向けた計画を具体化する段階では、きちんとした目標を設定することが求められますが、ブレインストーミングやアイディア出しの際は、抽象的な目標でも良い場合があります。マンダラチャートは、8つの取り組みテーマを出すことやテーマごとの具体的な施策を考えるステップを迫ることで、脳を活性化させて集中して考えるのに適しています。
例えば、1年以内に100万円貯金するという目標があるとします。100万円を貯めるには、節約して支出を減らしたり、副業を始めたり、転職を検討するなど、様々な方法があります。その場で思いついたものからとりあえず実行に移すよりも、まずマンダラチャートを使うことで優先順位や粒度を整理してから取り組むと効率的に目標を達成できるでしょう。
Todoリスト作成
マンダラチャートはTO DOリストとしても活用できます。1週間や1カ月の予定を組む際、達成すべき重要事項や処理しなければならない仕事を洗い出し、それを実現するために必要な項目を列挙します。
この際、頭の中で考えたり箇条書きにしたりする方法もありますが、マンダラチャートを使うことで情報を整理しやすくなります。各要素を具体的かつ詳細に考えることで、計画の策定や進捗管理がスムーズになります。
例えば、仕事での大きなプロジェクトがあるとしましょう。プロジェクトの成功に向けてはさまざまなタスクが存在します。ここでマンダラチャートを使用すると、プロジェクト全体の目標が中央に位置し、その周囲には細分化された具体的な作業やサブタスクが配置されます。これにより、プロジェクト全体を俯瞰しながら、各要素に焦点を当てて進捗を確認し、課題を特定することが可能です。
8. まとめ
いかがだったでしょうか?
最後に重要な3点をまとめます。
マンダラチャートは目標を明確にし、それを達成するために用いられるために使われるフレームワーク
3×3の9マスの表を用いる
目標に対して取り組みやすくなる
マンダラチャートを使うことで目標達成のために必要な要素を明確にすることができます。
またマンダラチャートテンプレートについてはこちらも参考にしてみてください。
皆さんもマンダラチャートを活用して、なりたい自分を目指してみましょう。
*「マンダラチャート」は一般社団法人マンダラチャート協会の登録商標です。
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