「仕事におけるチームワーク」と言えば、多くの人が馴染みが薄い印象を受けるかもしれません。
プロスポーツや学生時代の部活動などでは、その重要性が語られますが、ビジネスの現場ではどうなのか、その意義や実態についてはなかなかピンとこないこともあるでしょう。
しかし、実際にチームワークが高まると、メンバーそれぞれの能力が最大限に発揮され、驚くべき結果をもたらすことがあります。
本記事では、ビジネスにおけるチームワークの高めるポイント、チームワークの重要性、不足した場合の影響を分かりやすく解説しています。
チームのパフォーマンス向上に悩んでいる、今後のチームビルディングに迷っている、 などという抱えている方に役立つ、実際に使えるチームワークを高める具体的な施策などもご紹介しています。
1. チームワークを高める5つのポイント
組織のチームワークを高めるには以下の5つのポイントが大切です。
- ビジョンと目標の共有
- 役割の明確化
- 柔軟かつ効率的なコミュニケーション
- スキルセットの統合
- 情報共有と透明性の確保
これからその詳細についてご説明します。
ビジョンと目標の共有
チームが共有するビジョンは、その先の方向性や理想像を示します。
そのため、ビジョンを確立する際には、目的や理想の姿、具体的な方針を明確にすることが重要です。
これにより、チームメンバーは協調性を持ち、共通の目標に向かって一丸となって努力することができます。ビジョンはチームの原則として徹底的に浸透させ、行動に落とし込むことが重要です。
役割の明確化
チーム内での役割分担を明確にすることは、チームワークを促進し成果を最大化するための重要なステップです。
各メンバーが自身の役割を理解し、その範囲内で最善を尽くすことができるようになります。役割分担による効率化は、メンバー同士の連携を強化し、チーム全体の生産性を高めます。
しかしその際には、メンバー同士がお互いの役割を理解し、必要に応じて協力することが重要です。
柔軟かつ効率的なコミュニケーション
メンバー間でのコミュニケーションが滞ると、目標の共有や役割の明確化が困難になり、チームの信頼関係や協力体制にも影響します。
どんな些細な挨拶や日々の声かけも、チームの一体感を高める重要な要素です。リーダーは特に、メンバーがコミュニケーションを取りやすい環境を整えることが求められます。
定期的な1on1やフィードバックの場を設けることで、チームの信頼関係を深め、パフォーマンス向上につなげることができます。
メンバー同士が業務の進捗状況を共有し、お互いにサポートする姿勢が育まれれば、チーム全体の生産性も向上します。挨拶や日々のコミュニケーションを大切にし、互いの成長を促すフィードバックを行うことで、チームワークを強化していきましょう。
スキルセットの統合
チーム内で異なるスキルや専門知識を持つメンバーが揃っています。
これらを統合し、それぞれの強みを最大限に活かすことがチームワークの鍵です。メンバーが持つスキルや経験を共有し合い、互いの成長を支援する環境を整えることが重要となります。
定期的な研修やスキル共有のセッションを通じて、メンバー同士のスキルを補い合い、チーム全体のパフォーマンスを向上させることが可能です。
情報共有と透明性の確保
チーム内での効果的な情報共有は、円滑なチームワークを促進します。
適切な情報共有が行われない場合、誤解や不確実性が生じ、チームの目標達成を妨げる要因となります。報告、連絡、相談の徹底を通じて、情報共有のプロセスを整え、メンバー間の透明性のあるコミュニケーションを構築しましょう。
チームメンバーが互いに信頼し合い、必要な情報をオープンに共有することで、迅速な意思決定や効果的な行動が可能です。
2. 組織でチームワークを高めることが必要なワケとは
目標達成の促進
チームワークが発揮されることで、1人で行うよりも高い目標を達成することができます。
メンバー同士が協力し合い、それぞれの得意分野を活かして目標に向かって進むことで、弱みを補い合いながら効率的な業務分担やスキルの統合を図ることができます。
チームワークが確立された環境では、個々の能力や専門知識を結集し、大規模な目標やプロジェクトを達成できます。個人では難しい課題や壁を協力して乗り越えることで、組織は成果を最大化することが可能になります。
また、複数のメンバーが協力することで、それぞれの得意分野や経験を活かすことができ、連携し合いアイデアや意見を共有することで、よりクリエイティブな解決策が生まれる可能性が高まります。
逆に、メンバーの弱みは補い合いながら効率的な業務分担を行うことができます。
組織内でのプロジェクト推進に関して考えてみましょう。
例えば、ITのプロジェクトでは、プログラマー、デザイナー、プロジェクトマネージャーなどが協力し、新しいソフトウェアを開発するために連携します。
プログラマーはコーディングに長けている一方で、デザイナーはユーザビリティを重視し、プロジェクトマネージャーはタイムラインを管理することで、それぞれの得意分野を活かした取り組みが行われます。
このようなチームワークにより、単独で達成するのが難しい複雑なソフトウェア開発プロジェクトも、効率的に進行し、より高品質な成果を生み出すことができます。
社会環境への適応と柔軟性
チームワークの重要性は、現代のビジネス環境において極めて必要不可欠です。
VUCA時代と呼ばれる不確実性が高い時代では、柔軟で迅速な対応力が求められます。個々の力だけではなく、チームの力を活かすことで、多様な視点や能力が組み合わさり、変化に対処する力を高められます。
また、グローバル化が進む中で、異なるバックグラウンドを持ったメンバーが集うチームは、多様な文化や知識を組み合わせて、より広い視野を持ち、グローバル競争力を高めることができます。
経済的な側面でも、日本企業は自発的にチームを結成してきましたが、それが個々の自主性に依存するため、成果の安定性に課題があります。
このため、全社員が一体となり、より大きな価値を生み出すチームを形成することが必要です。
また、ビジネスサイクルの短縮化により、新たなアイデアやビジネスモデルを柔軟に創出する必要があり、これらを実現するには多様な知識やスキルを持ったチームの役割が大きくなっています。
更に、グローバル化が進む中で、国内外の専門家と連携し、多様な文化や考え方を理解しつつ、チームを結成することが重要です。
これらの要素を組み合わせ、多様な知識やスキルを持つチームが会社に大きな成果をもたらすと期待されています。
3. チームワークを高める具体的な施策
チームワークを高める施策は多くあります。以下に課題に合わせた施策をご紹介しています。
これらの施策を実践することで、チーム内の協力関係や効果的なコミュニケーションを築き、より効率的で生産的なチームワークを構築することができます。
コミュニケーションの強化
ランチミーティング
ランチタイムに行うミーティングは、チームメンバー同士の交流を深める絶好の機会です。
オフィス外でリラックスした雰囲気の中、昼休憩時間を活用することで、チームのコミュニケーションが促進されます。
これにより、プライベートの時間を圧迫することなく、仕事時間内にチームビルディングを行うことが可能です。
また、業務時間内でミーティングを行う場合、話がまとまりきらずにミーティングが長引いてしまう場合も多いでしょう。
ですが、ランチミーティングの場合はランチが終わる時間までという終了時間がはっきりしているため、メリハリをもってミーティングを行うことができます。
フリーアドレス制
フリーアドレス制は、固定されたデスクではなく、柔軟に仕事を行う場所を選べるワークスタイルのことです。
従業員が自由に場所を選択することで、自発的なコラボレーションやコミュニケーションが促進されます。また、テレワーク環境にも適応し、多様な作業スタイルに柔軟に対応できます。
この制度は従業員間の交流を活性化し、チーム全体の連携を促進する効果が期待されます。
また、働き方の選択肢が多様化することで、従業員は自らのワークライフバランスを調整し、やる気や生産性を向上させることが期待されます。
リフレッシュスペースの設置
オフィス内に設けられたリフレッシュスペースは、休憩や社内コミュニケーションの場として機能します。カフェ風の空間では、従業員たちは自由に使えるテーブルや椅子を利用し、気軽に交流することができます。
こうした空間があることで、社内の雰囲気が一変し、コミュニケーションが活性化されます。また、日常的にコミュニケーションする場面を設けることで、メンバーの心理的安全性が高まり、チームワークを向上させることに繋がるでしょう。
組織全体の成長
合宿や研修の活用
チームワークの促進には、合宿や研修会の実施が効果的です。
これらのイベントでは、チームメンバーが日常業務から離れ、新たな環境でスポーツやチームビルディング活動を通じて協力し合う機会が得られます。異なる環境や業務に触れることで、メンバー同士のコミュニケーションが深まり、チーム全体の連帯感を高めることができます。
その結果、業務での協力関係や問題解決能力が向上し、生産性も向上する傾向があります。
また、研修や合宿にてゲームを導入することも一案です。面白くてチームワークを必要とするゲームは、コミュニケーションの活性化や連携の強化につながります。
特に、事前準備がいらず体を動かすアクティビティやチームビルディングゲームは、個々の役割や連携を強化し、チームの一体感を高める効果を発揮します。
以前取材したエアクローゼット社では、コミュニケーションの活発化などの組織成長のために開発合宿や半年に1度の全社合宿、週に1回の全社会議などを実施しており組織としてコミュニケーション促進をされています。
ぜひ詳しい内容はこちらの記事をご一読ください。
サンクスカード導入
サンクスカードは、感謝の気持ちを具体化する手段として効果を発揮します。
チーム内のメンバー同士が日常業務の中でお互いに感謝の気持ちを伝え合うことで、モチベーションの向上やコミュニケーション改善に繋がります。特に新人やチームで活動している個人に対して効果的な手法です。
例えば、「このプロジェクトの成功にはあなたの努力が欠かせませんでした。ありがとう!」などのメッセージを書くと良いでしょう。
こうした具体的な感謝の表現が、メンバー同士の信頼関係を築き、協力関係を強化することができます。
サンクスカードは組織文化の一環として取り入れられ、社内でのコミュニケーションや協力関係の改善に寄与します。これにより、チーム全体のモチベーションや生産性の向上にも繋がる可能性があります。
個人の成長
1on1ミーティング
これは、上司と部下が定期的に行う個別の面談であり、部下との信頼関係を築き、モチベーション向上や成長を促すことを目的としています。
この手法は、部下一人ひとりとの時間を設けることで、目標や行動を詳細に話し合い、相互の信頼を深めます。
一方で、多忙な上司や部下にとっては負担に感じることもあるかもしれません。しかし、この取り組みはコミュニケーションの円滑化に貢献し、業務の品質や効率を向上させます。
1on1ミーティングでは、部下のフィードバックを通じて、自己成長を促進します。
部下の自走心や成長に焦点を当てながら業務について話し合うことで、チーム全体のパフォーマンス向上につながります
リーダーシップ研修
リーダーシップ研修は、
チームの成功に直結する重要な施策
です。
この研修では、リーダー候補の経験を補完し、リーダーシップの基本を学ぶ貴重な機会を提供します。この研修における目的は多岐にわたります。まず、リーダーとしての役割をはっきりと認識することが重要です。
リーダーは組織を動かす立場であり、チーム全体を俯瞰して物事を判断する視野が求められます。また、コミュニケーション力の向上も不可欠です。
リーダーは信頼される存在であるべきであり、上下関係を超えて部下との円滑なコミュニケーションを図る必要があります。
さらに、目標設定や計画立案力も育成されます。このようにリーダーシップ研修は、リーダーとしての自覚を高め、多様なスキルや考え方を身につける場として大きな効果を持つものです。
リーダーとしてのスキルを高めることが結果的にチームワークの向上につながります。
チームビルディングワーク
チームビルディングは、
個々のメンバーの能力と経験を活かし、共通の目標を達成するためのプロセス
です。
この施策は、定期的なミーティングや研修を通じてコミュニケーションを促進し、ゲームなどを活用してチームの結束力と効率性を高めることで、チーム全体の力を強化する取り組みです。
チームビルディングには、さまざまな種類のゲームがありますが、「NASAゲーム」「ペーパータワー」など、始めやすく時間をかけずに実施できるゲームがお勧めです。
これらのゲームを通じて、チームは課題に対するアプローチや協力の重要性を学び、共通の目標に向かって連携する能力を養うことができます。
このアプローチは、チームのメンバー同士が協力し合い、コミュニケーションを深めることで、結束力を高める一方で、効率性や問題解決能力も向上させます。
チームビルディングは、チームの成長と目標達成に向けた重要な基盤を築くための力強い手法です。
また、チームビルディングに役立つワークもおすすめです。「価値観相違確認ワーク」「強み弱み補完ワーク」などを行うことで心理的安全性を高めることができ、目標達成につながります。
弊社では、そのようなワークをダウンロード可能なアクション資料とともに提供しております。 是非ダウンロードしてご活用ください。
社内イベント
社内イベントやサークル活動
チームワークを高めるには、業務外の社内イベントや社内サークル活動が有効です。新年会や忘年会、社内運動会、社員旅行などの社内イベントは、チームの結束力を強化する場となります。
近年ではオンラインでの飲み会やクイズ大会、パーティーゲームなども増えており、リモート環境でもチームのつながりを育む一助となります。
また、社内サークルは社員同士の趣味や興味を共有する場です。運動や文化、趣味に特化したサークル活動は、チーム内のコミュニケーションを深め、より良い協力関係を築く手段として活用されます。
4. チームワークを高めるためのリーダーの役割とは
メンバーへの期待と声掛け
リーダーの役割の1つにメンバーへの期待と声掛けがあります。
リーダーはメンバー一人ひとりに対して期待を持つことが重要です。この期待は、チームの成功に向けて各個人が果たすべき役割を明確にします。
メンバーが自分の存在が重要であると感じることで、自発的な行動が促進され、チーム全体のモチベーションも向上します。
成果の賞賛
メンバーが成果を出した際には賞賛を効果的に行うことも必要です。
前章の通り、リーダーは期待を明確に示したうえで、メンバーが成果を上げたときには公平に評価しましょう。
メンバーの成長や功績を認めることは、彼らのモチベーションを高め、チームの連帯感を強める一助となります。
メンバーの明確な役割定義
メンバーの明確な役割定義はリーダーの大事な役割です。
役割定義は、各メンバーがチーム目標に向かって取り組む際の方向性を提供します。
リーダーは、メンバーが何をすべきか、どのような責任を負うべきかを明確に伝えることで、それぞれの役割が重なり合わず、チーム全体の活動が効果的に調整されるようサポートします。
また、メンバーの役割定義には、具体的な責務や目標、期待される成果物などが含まれます。
リーダーはこれらを適切にコミュニケートし、役割が明確で誤解の余地がないようにすることが肝要です。これによって、各メンバーが自らの役割を理解し、貢献できる範囲を把握することができます。
5. チームワークが不足している場合どうなるのか
チームワーク不足による生産性低下
チームワーク不足は、仕事をサボる社員の増加につながることがあります。メンバー同士の連携不足は、負担の不均衡を招きます。
仕事を抱え込むことで、ストレスや負担を軽減しようとする社員が出てくることも。このような挙動が全体のパフォーマンスを押し下げてしまう原因となります。
また、チームワーク不足は、意思決定の遅れや情報共有の不備にも繋がります。適切なコミュニケーションが行われないと、重複した作業や効率の低下が生じ、生産性の低下を招く恐れがあります。
チームワーク不足による意欲低下
メンバーのモチベーションダウンは、信頼関係の不足から生じることがあります。自身の努力が認められないと感じたり、仕事へのやりがいを見出せなくなることで、モチベーションが低下します。
これがチーム全体の業績低下や離職率の増加に繋がりかねません。
メンバーのモチベーション低下は、業務の質の低下につながり、やりがいや熱意を持って仕事に取り組むことが難しくなってしまうのです。
チームワーク不足による対立
チーム内での信頼関係の不足は、メンバー間の対立を引き起こす可能性があります。お互いの意見や考えを尊重できず、コミュニケーション不足から生じる誤解やトラブルが対立に発展。
これがチーム全体の業績低下やチームメンバーの離職率の増加に繋がります。
メンバー間の対立が生じると、情報の隠蔽やチーム内の分断が進みます。これが業務の円滑な遂行を阻害し、目標達成を困難にします。
6. まとめ
いかがでしたか。チームワークを高めることは、ビジネスにおいて不可欠な要素です。
この記事では、チームワークを高めるための5つのポイントを始め、組織全体での重要性や具体的な施策、リーダーの役割、不足した場合の影響について詳しく解説しました。
以下に本記事のまとめを行います。
組織のチームワークを高めるポイントは以下の5つです。
- ビジョンと目標の共有
- 役割の明確化
- 柔軟かつ効率的なコミュニケーション
- スキルセットの統合
- 情報共有と透明性の確保
チームワークを高める具体的な施策は次のようなものがあります。
コミュニケーションの強化:ランチミーティング、フリーアドレス制、リフレッシュスペースの設置
組織全体の成長:合宿や研修の活用、サンクスカード導入
個人の成長:1on1ミーティング 、リーダーシップ研修、チームビルディングワーク
社内イベント:社内イベントやサークル活動
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