2:6:2
この数字が何を表しているのか知っていますでしょうか?
実は、この数字は組織内における人の性質を比率で表したものです。
今回はそんな262の法則の概要を話していくと共に、同じように比率を表している法則「343の法則」との違いを解説します。
262の法則に対する理解を深め、適切な組織の形について見ていきましょう。
1. 262の法則とは
262の法則とは
組織に所属している人の性質を表したもの
です。
この法則はイタリアの経済学者・社会学者であるヴィルフレド・パレートによって1800年代に提唱されたパレートの法則をもとにしています。パレートの法則は特定の20%の要素が全体の80%の結果を生み出していると考える法則です。パレートはイタリアの土地の80%を所有しているのが全体の20%の富裕層であるということを発見し、80と20という数字に注目し始めました。
262の法則はその80:20という数字をさらに詳細にしたものです。262の法則によると組織内の人の性質は全体の20%が「上位層」(優秀な人)、全体の60%が「中間層」(普通な人)、そして全体の20%が「下位層」(貢献度の低い人)となります。この比率は組織において基本的には変化しないとされています。
もし、2:6:2の比率が崩れたとしても、再調整されることになります。例えば、企業に新入社員が入ってきた場合、今まで下位層20%にいた人が、自動的に中間層に押し上げられる、または、優秀な人が入ってきたことによって、今まで上位20%にいた人の一部が力を発揮しにくくなり、中間層の60%になることがあります。こういった働きによって組織内の2:6:2の比率が保たれるのです。
2. 262の法則を活用したマネジメント
「2(優秀な人):6(普通の人):2(貢献度の低い人)」この比率が変わらないとしたら、それぞれの層にいる社員をどのようにマネジメントしていくのが適切なのでしょうか。それぞれに対応するマネジメント方法を見ていきましょう。
上位層20%へのマネジメント
上位層は
全体の売り上げの80%を作っているとされる(パレードの法則)重要な層
です。
売り上げの面だけでなく、中間層や下位層の社員のレベルを押し上げてくれるリーダー的な存在になることが多いです。
この層に対してはマネジメントの分野や進捗管理、リーダーシップの育成などを積極的に行っていくべきです。組織全体に対して良い影響を及ぼすことが可能であるため、このように全体を率いていく役割を任せることで全体の底上げにつながります。
また、人事担当者などが適した人員配置を行うことによってこの層は最大の効果を発揮することができるようになります。得意分野などをしっかり把握し、適切な場所に配置することが重要です。
注意点としては待遇の面です。他の層と比べて優遇しすぎてしまうと他の層での離職率が高まります。逆に、見合った報酬を与えないと今度は上位層の離職率が高まってしまいます。そのため、適切な報酬の相談と所属組織への忠誠心を日々確認できる環境つくりを行いましょう。
中間層60%へのマネジメント
中間層は
少しの刺激で大きく利益を出すことのできるポテンシャルを秘めている層
です。
言い換えれば費用対効果の高い層ということができるでしょう。中間層と上位層を分けているものは実はそこまで大きくはありません。少しのきっかけを与える事や積極性のなさを改善するだけで、大きく実力を伸ばすことができます。
また、この層の人員は組織のもつ目標を見据えて仕事を行っているというより、目の前のタスクをこなすことが目標となっている場合が多いです。そのため、まずは組織における自分の立ち位置と必要性を認識してもらうことが必要になります。そこで、1on1制度などを活用し、企業と自分のつながりを強化する時間を設ける方法が効果的になります。
注意点としてはこの層に関してはマネージャーなどによる細かなアプローチが必要であるという点です。目標が不明確である、積極性に欠ける、解決方法を知らない、などの傾向がある中間層に関しては個別の細やかな対応が必要です。ここを怠ってしまうと組織の60%を占めるこの層が育たず、ボトムアップにつながりません。
下位層20%へのマネジメント
下位層は
現状の貢献度が低いとされている層
です。
この層へのアプローチとしてはまず初めに現状を把握する必要があります。貢献できていない原因を様々な分野から探ってみましょう。また、この層に対しては明確な目標設定と的確な指示が必要です。成功体験を積ませることで、積極性や能力を伸ばすことができます。
また、成功をある程度喧々してもらった後に、下位層のみでプロジェクトチームを編成するというのも一つの手段です。これは中間層にも言えることですが、プロジェクトチームを編成することで、そのチームの中の上位層20%を生み出すことができます。自分と同じレベルの環境においては仕事がやりやすく能力を発揮しやすくなります。
注意点としては周りに悪影響を及ぼしてしまう人がいる可能性があるという点です。貢献度が低いだけなら上記で述べたマネジメント方法が効果的ですが、貢献度が低い原因を会社や他の人に擦り付け全体のモチベーションの低下させていしまう人がいる場合、別の対応を考える必要があります。
3. 343の法則とは
262の法則と似ているもので343の法則というものがあります。しかし、微妙に意味が違うため違いを解説します。
343の法則とは、一言で言えば関心度の比率です。ある事象や要素に対して、30%の人は好意があり、40%の人は無関心であり、30%の人は好意的ではないという法則です。
例えば10人いたとしたらそのうちの3人はあなたに関心もしくは好意があります。そして、4人は敵意も好意もなく無関心です。そして残りの3人はあなたに対して敵意がある、ということです。
つまり、262の法則は組織内の人の性質、343の法則はある事象に対する関心度の比率という違いがあります。
ものによってはこの2つの法則を同じものとして扱っているものもあります。どちらも明らかな科学的根拠のあるものではないためです。
しかし、これら2つ法則において重要な点がそれぞれあります。
262の法則に関しては、同じ組織においても能力や現状、経験の違いがあります。それに合わせたマネジメントが必要であるという点です。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか?
最後に重要な3点をまとめます
組織内の人の性質は「2(優秀な人):6(普通の人):2(怠け者)」である
それぞれの層に合ったマネジメントを行う
343の法則は関心度の比率を表したものである
ものによってはこの2つの法則を同じものとして扱っているものもあります。
しかし、これら2つの法則において、それぞれ重要な点があります。
262の法則に関しては、同じ組織においても能力や現状、経験の違いがあり、それに合わせたマネジメントが必要であるという点、343の法則に関してはどんなことをしてもそれを好いてくれる人も好意的に見てくれない人がいるため、人の評価を気にして行動を制限することを避けるべきであるという点です。
これら2つの考え方を理解して、組織としても個人としても成長していきましょう。
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