【一目でわかる】人的資源と人的資本の違い|具

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【一目でわかる】人的資源と人的資本の違い|具体例や高め方も共に解説します

2024年3月19日

本記事は、こんな悩みを解決できる記事になっています。経営者の方や人事担当者の方はぜひこちらを参考にしていただけると幸いです。

記事の前半では、人的資源と人的資本の概要や違いについて解説し、記事の後半では人的資本の高め方についてもご紹介します。
またLEADERSでは、人的資本に関する情報を多く提供しているのでぜひ他の記事もご覧ください。

 

1. 人的資源と人的資本の概要から特徴、具体例について

人的資源とは

企業の経営活動を支える要素のうち、人に関する資源を「人的資源」と呼び、その価値は企業の成功に不可欠です。この人的資源は、従業員のスキルや能力を指しますが、それだけではなく、従業員がもたらす経済的な価値も含まれます。企業の経営資源は、「ヒト・モノ・カネ・情報」の4つから成り立ちますが、これらの中で特に人的資源は重要視されます。

従業員が育成され、組織に貢献するためには適切な教育や研修が必要です。そのため人的資源の管理は「ヒューマンリソース・マネジメント」として知られるようになり、人を単なるコストではなく、企業の最も重要な資源として扱う考え方が徐々に広まっていきました。ただしこれは、従業員を成長させ価値を高めるために育成するのではなく、あくまで資源の減少を防ぐための教育や研修です。資源である以上、減っていくものなため、いかに効率的に消費するのかが基本的な考えです。

人的資源

 

人的資本とは

人的資本(HumanCapital)とは、

従業員が持つスキルや知識、ノウハウ、資源などを資本とみなす考え方

を指します。人的資本の定義は多様であり、個人の能力やスキルを資本として扱う経済学の概念であるとされます。

この概念の起源は、アダム・スミスが「国富論」で、教育を受けた人材を高度な機械になぞらえたことに遡ります。また、OECD(経済協力開発機構)の2001年の報告では、人的資本は個々人の知識、技能、能力などが経済的、社会的、個人的な価値を生み出すものとして定義されています。

人的資本

 

2. 人的資本と人的資源の違いの比較

人的資源と人的資本の違い

投資として育成されるべき人的資本と、単なるコストとして扱われる人的資源の違いについて考えます。

かつては人材をコストとして見なすことが一般的でしたが、最近では人的資本としての価値が認識されています。人材は企業価値を向上させるための立派な資本だと捉え、価値を生み出すものとして投資するかが重要です。

人的資源は消費されるものであるのに対し、人的資本は価値を生み出すものとして投資されるものです。人的資源も人的資本と同様にお金を費やし育成したり労働環境を整えたりしますが、価値を高めるためではなく、消費速度を下げるためです。つまり長い時間使えるように投資をしているといったイメージです。人的資源を人的資本に転換するためには、企業が従業員の能力やスキルを投資して価値を高めることが必要です。

 

この違いは人材を経営資源としてどのように捉えるかによって生じます。人的資源は既に持っているものであり、コストとして考えられますが、人的資本は価値を生み出すものとして投資されます。

ラフなコミュニケーションを交わす社員

 

3. 昨今人的資本の方が注目されるワケ

これまで経営資源の1つである人的資源の考え方が一般的だったのに対して、昨今人的資本の考え方が注目されている理由について深掘ります。

 

無形資産の価値向上

ESG投資の普及により、投資家や企業関係者が無形資産に注目する傾向が高まっています。無形資産は、人的資本、社会・関係資産、知的資産に分類され、特に人的資本に関する情報開示が重要視されています。日本でもISO30414に基づく情報開示のガイドラインが策定され、上場企業にて2023年3月期決算から報告義務が生じています。

これは投資判断の指標として無形資産がますます重視される中で、企業価値の向上に向けた取組が求められていることを示していると言えるでしょう。

 

また、企業による投資には機械設備や工場などの有形資産投資と、研究開発への投資などの無形資産投資があります。米国の株価指数であるS&P500に採用されている企業の市場価値を見ると、2015年時点で既に84%が無形資産でした。欧州でも71%が無形資産としている一方で、アジアでは30%程度となっていました。そのため新興技術におけるマーケットが急激に拡大することを見据えると、アジア諸国がビジネス機械を見出していくためにもアイデアに投資していくなどといった無形資産投資を増加させることは必要不可欠です。

 

人材版伊藤レポートの公開

2020年に経済産業省によって公表された「人材版伊藤レポート」では、企業が人材を戦力的資源として捉え、そのポテンシャルを最大限に引き出すことの重要性を示しました。日本では、「企業は人なり」「人材は石垣」という言葉やことわざがある通り、人材の価値を重んじる視線がある一方で、実際に大切にしてきたのかというのが問われました。事実として、理不尽に社員を退職させることは基本的にはありませんでした。
しかし、
人材の一人ひとりの価値を見出し伸ばす経営方針をとってきたかと言われると多くの経営者が素直に頷けない状況だったかもしれません。そのためこのレポートは多くの経営者や人事担当者に衝撃を与え、公表後に「人的資本」「人的資本経営」という単語が一種のトレンド状態になりました。
そういった背景により人的資本の注目度が増し、一種の非難を受けた人的資源の考え方が薄まっていきました。

 

人材版伊藤レポートについては、別記事で詳しく説明しているので併せてご覧ください。

【要約】人材版伊藤レポート2.0|最新2.0だけでなく他レポートも紹介!

 

人的資本の情報開示義務化

人的資本の情報開示義務化が決定したことも非常に大きな要素の1つです。2023年3月期決算以降に金融商品取引第24条で有価証券報告書を発行している約4000社の企業を対象に開示義務が発生します。そのため、対象の企業はもちろんのこと対象外の企業も人的資本の可視化を行うべく、人的資本に関するインプットをしている最中でしょう。

 

現在は上場している4000社のみ開示義務が発生していますが、今後は対象企業が拡大されることは免れないでしょう。またそういった流れに伴い、投資家だけでなく求職者なども人的資本情報を確認した上で就職活動に励むとなると、ますます注目度が高まることでしょう。

 

人的資本の情報開示についても、別記事にてより詳しく説明しているのでご覧ください。

人的資本開示の基本|対象企業,時期,中小企業も準備すべき理由とは?

 

4. 人的資本の価値を高める方法

ここからは企業が人的資本の価値を向上させるためにどういった人事戦略を組み込んでいくべきか、いくつかの方法を紹介します。

より実践的な情報を知りたい方は【初見者必見】人的資本経営コンソーシアムの概要解説|好事例も紹介しまでも紹介しているような好事例集を参考にするのが良いかと思います。どの企業も非常に参考になる施策を紹介していますのでぜひご一読ください。

 

3P・5Fモデルの活用

3P・5Fモデルとは、経営陣が主導して策定・実行する人材戦略を3つの視点(Perspectives)、5つの共通要素(Common Factors)として整理したものです。これは人材版伊藤レポートにて紹介されました。

3つの視点①経営戦略と人材戦略の連動
②As-is-To beギャップの定量把握
③企業文化への定着
5つの共通要素①動的な人材ポートフォリオ
②知・経験のダイバーシティ&インクルージョン
③リスキル・学び直し
④従業員エンゲージメント
⑤時間と場所にとらわれない働き方

人材戦略や経営戦略は企業ごとに独自の特性がありますが、①経営戦略と人材戦略の連動、②As-is To beギャップの定量把握、③企業文化への定着という3つの視点から全体像を把握することができます。また人材戦略には①動的な人材ポートフォリオ、②知・経験のダイバーシティ&インクルージョン、③リスキル・学び直し、④従業員エンゲージメント、⑤時間と場所にとらわれない働き方といった5つの共通要素があるということです。

 

各企業は、これらの共通要素に加えて、自社の経営戦略において重要な人材課題を考慮し、戦略との一致を意識した上で、具体的な施策・KPIを策定することが大切です。

それぞれの視点について軽くご紹介します。

経営戦略と人材戦略の連動

急速な経営環境の変化において、持続的な企業価値の向上には、経営戦略と密接に結びついた人材戦略の計画と実施が不可欠です。自社に最適な人材戦略を検討する際には、経営陣が主導し、経営戦略との連携を意識しながら、重要な人材の課題に対する具体的な行動やKPIを考えることが必要でしょう。

優先順位をつける画像

 

As-is-To beギャップの定量把握

人材戦略がビジネスモデルや経営戦略と調和しているかを判断するためには、現状と目標のギャップをできるだけ具体的に把握することが必要です。共通の要素や企業の経営戦略における重要な人材関連の課題を特定し、それぞれにKPIを用いて目指すべき方向(To be)と現状(As is)を把握し、その差を定量化する必要があります。その差を把握し、PDCAサイクルを通じて戦略を見直していくことが大切でしょう。

 

企業文化への定着

企業文化は、日々の活動や取組を通じて築かれるものであり、企業の理念や存在意義、そして持続的な企業価値の向上に繋がるものです。したがって、企業文化を定義し、それに基づいて取り組むことが必要です。
同時に、企業文化は人材戦略の実行プロセスを通じて形成されるため、人材戦略の策定段階から目指す企業文化を考慮することも不可欠です。
経営層は企業文化の定着化に向けて積極的に発信してください。また、適切なKPIを設定し、企業文化の達成度を定量的に評価することも推奨します。

 

動的な人材ポートフォリオ

現在の経営戦略の達成や新たなビジネスモデルの展開には、質と量の両面で充実した人材の確保が不可欠です。そのためには、将来的な目標から必要となる人材の要件を明確に定め、それに適した人材育成が必要でしょう。

また目指す人物像とのギャップを洗い出すためにも人材ポートフォリオが必要で、HRテックサービスを活用した動的データの収集が大切です。というのも、上述した通り優秀な人材の確保が求められるかつ変化の速い現代において、人材ポートフォリオの更新によるリードタイムは競争力に直結します。そういったリードタイムをなくすためにも、HRテックサービスなどを利用し担当者が随時ポートフォリオの更新をかけていく必要があるでしょう。

デジタル化のイメージ画像

 

知・経験のダイバーシティ&インクルージョン

企業価値を長期的に向上させるためには、断続的な革新が不可欠であり、そのエンジンとなるのは、多様な個人の組み合わせです。このためには、経験、感性、価値観、専門性などの多様性を積極的に取り入れて具体化する必要があります。

具体的には、性別や国籍だけでなく、異なる業界での経験やキャリアパス、専門分野の多様性を導入することが重要です。属性の耐用性だけでなく、実際に様々な経験や専門性、価値観を組み込み、具体化するプロセスも重要です。

多様性についてはこちらの記事でも紹介していますので、詳しく知りたい方はご覧ください。

多様性とは何か?企業にとってなぜ重要なのか?

 

リスキル・学び直し

事業環境の急速な変化や個人の多様な価値観に対応するには、個人のスキルや専門性の向上が必要です。これには、個人が自らのキャリアを見据えて、学び直しに取り組むことが重要です。企業としても個人の自律的なキャリア構築のサポートは必須事項です。

一部では、個人のスキルや専門性の向上は、離職を誘発するとの懸念もありますが、汎用性の高いスキルや専門性を身につけることは個人を魅力的にします。会社と個人の対等な関係を築く上で、個人が外部労働市場でも通用するスキルや専門性を持つことが重要です。これは、企業にとっても社外での活躍の幅を広げ、多様な価値観を取り入れることで中期的な企業価値向上に貢献すると捉えるべきでしょう。

 

従業員エンゲージメント

現在の経営戦略の遂行や新たなビジネスモデルへの適応に必要な人材が自身の能力やスキルを十分に活かすには、従業員が仕事にやりがいや働きがいを感じ、自発的に業務に取り組める環境を整える必要があります。

このためには、企業と従業員が対等な関係で協力し、企業の方向性や組織目標の達成と、個々の成長の方向性を調和することが不可欠です。そのため企業は経営戦略や存在意義などを従業員と積極的に共有し、情報の非対称性を解消しましょう。
加えて、出社を前提とした働き方や固定的なキャリアパスを決めつけず、兼業や在宅勤務など柔軟な就業環境を整えること、多様なキャリアパスを提供することで価値創造を最大化するべきです。

モチベーションが上がっている女性

 

時間や場所にとらわれない働き方

新型コロナウイルス感染症に対する対応から明らかになったように、いつでもどこでも安全で安心して働く環境を整えることは、事業の継続性とレジリエンスにとって必要不可欠です。
一方で、異なる時間や場所で働く多様な個人を統合するには、マネージャー層のリーダーシップと管理スキルがより重要になります。特に、業務プロセスが不透明になる中で、タスクの割り当てや育成、評価などを調整する必要があり、このようなマネジメントに対応できるマネージャーの育成や支援が不可欠です。

また単に在宅勤務やリモートワークを可能にするだけでなく、業務プロセスの見直しやコミュニケーションのあり方に対応する必要もあるでしょう。そのように、リモートワークを実施する中で浮かび上がった課題を把握し、柔軟に対応していくことが必要です。

リモートワークをする人

 

人事データの定量化・分析・改善

人的資本と経営戦略に基づく人材戦略は、単なる取り組みだけで完了するものではありません。実施内容を定期的に評価し、必要に応じて見直すことが肝心です。

教育や育成に取り組む際は、事前に企業価値の向上に寄与するKPIを設定し、その効果を客観的に評価します。人的資本の情報を適切に開示し、共有し、改善することで、従業員のエンゲージメント向上に貢献することでしょう。
人事業務を効率化することも、人的資本の価値を向上させる鍵です。HRシステムを導入することで、従業員を効率的かつ正確に管理してみてください。

そうして各従業員に適切な育成や研修を提供し、個別に評価することができるようになれば、モチベーションや人材としての価値を高めることができるでしょう。

 

4.まとめ

ここまでご覧いただきありがとうございます。
人的資源と人的資本の違いについて理解を深めることはできましたか?

 

今回は人的資源と人的資本の違いについて説明してきましたが、LEADERSでは他にも人的資本についてや人的資本の情報開示について、ISO30414についても解説しています。ぜひ人事担当者の方や経営者の方はチェックしていただけると幸いです。

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