昨今のDX化や激しい市場の変化に柔軟に対応していくには、リスキリングは欠かせません。
この記事では、40代や50代がリスキリングで学ぶべき領域や、具体的なおすすめスキルをご紹介します。学ぶべき領域別での推奨資格についてもご紹介していきますので、これからのキャリアを考える上での参考にしてください。
1. リスキリングで何を学ぶ?40代や50代が自分の市場価値を高めるスキル18選
40代や50代でリスキリングで学びなおすには、次のスキルがおすすめです。
なお、今回は特に40代や50代のリスキリングに注目していますが、リスキリングは本来全従業員が取り組むべきものです。リスキリングの定義や、なぜ全従業員が取り組む必要があるかについては、下記厚生労働省公式サイトも参考にしてください。
参考:厚生労働省公式サイトより
リスキリングとは? | 新しい職業に就くため、あるいは今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応して価値を創造し続けるために、必要なスキルを獲得すること |
全従業員が取り組むべき理由 | ・企業が本格的なDXを目指せば、バリューチェーン上のあらゆる場面で仕事のやり方や職務が変化する ・すべての従業員が新しい仕事のやり方に習熟したり、新たな職務の遂行に必要なスキルを獲得できていなければ、DXの実現は困難 |
IT関連分野(40代におすすめ)
まずは40代が学ぶべき、おすすめのリスキリング領域をご紹介します。
40代におすすめのリスキリングの領域は「IT関連分野」です。40代の中堅層がIT関連の知識を習得しておくと新しい業務にもチャレンジでき、転職先の選択肢も増えるでしょう。
また、業務変更や転職をしなかったとしても、40代までに培った知識や経験とITスキルを融合させることで生産性を向上できる点は、大きなメリットといえます。
IT関連の基礎知識習得と資格取得
IT関連分野でリスキリングするなら、IT関連の基礎的な知識の習得やMOSなどの資格取得がおすすめです。
エクセルやパワーポイントなどMicrosoftのツールを使いこなすための「MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)」は、パソコンを使う職場なら最低限持っておきたい資格といえます。
転職する場合でもMOS資格は保有資格として明記できますし、最低限ITスキルを保有している証明にもなります。現在の職務を続けるとしても、Microsoftofficeの高度な機能やショートカット機能を習得すれば、日々の業務効率も向上するでしょう。
プログラミング技術
40代でのプログラミング技術の習得は、IT化が進むビジネス環境での競争力を保ち、キャリアの多様性や成長を確保するために非常に有益です。
普段の業務で使うExcelにおいても、「Excel VBA」のプログラミング知識があれば、作業効率を上げられるでしょう。また、プログラミングの知識があれば、クラウドサービスの設定や管理を担当することができるため、組織内での自身の立場も確立できます。
プログラミングを学ぶには、各種専門校をはじめ厚生労働省が扱う「求職者支援訓練コース」を利用する方法もあります。求職中の人であれば受講料無料で受けられる講座ですので、対象となる人はぜひ検討してみてください。
動画編集技術
動画編集技術も、40代や50代が学ぶべきスキルのひとつです。
動画編集に特別な資格は必要ありませんが、動画編集スキルがあればSNSを使ったマーケティングにも役立ちますし、社内研修などで動画資料も作るときにも役立ちます。
あらゆる場面でクリエイティブな表現ができるようになれば、社内での自身の存在価値を高めることができるでしょう。
AI学習の基礎知識
企業のDX化を推進していくうえでは、AI技術の理解と活用は必要不可欠です。
AI学習の基礎知識といっても範囲が広いため、何から学べばいいのか迷うかもしれません。
AIの基礎知識を学ぶには、はじめに「AIを使ってやりたいこと」を決めるといいでしょう。そのあと、AI技術に必要な数学を理解したり、Pythonの基礎を学んだりしてAI技術の基礎知識を深めてみてください。
AI技術に関する研修は、各種専門校をはじめ、中小機構のセミナーでも開催されることが多いです。現在では、経営幹部向けに以下のようなセミナーも用意されています。
【参考:中小機構公式サイトより「はじめて学ぶ生成AI活用の基本」】
研修日程 | 2023年12月7日 |
受講料 | 16,000円 |
対象や内容 | 対象……経営者, 経営幹部 内容……テキスト生成AIを中心とした取り組み方や事例、生成AIの活用など |
サイバーセキュリティ知識
サイバーセキュリティに関する知識習得も、40代や50代におすすめしたいリスキリングの領域といえます。
企業には、さまざまな機密情報や個人情報など、守るべき情報資産があります。サイバー攻撃を受けてしまい情報が漏洩すると、企業の存続さえも脅かすことにもなりかねません。
過去の事例としては、病院がランサムウェアによる攻撃を受け、救急患者の受け入れができなかったケースがありました。
また、記憶に新しいところでは、トヨタ自動車の部品会社が攻撃を受けて工場ラインが一時停止し、大きな損害を被った事例もあります。
サイバーセキュリティに関する知識としては、次のようなものがあります。
- サイバーセキュリティに関する法律……サイバーセキュリティ基本法、不正アクセス行為の禁止等に関する法律。特定電子メールの送信の適正化等に関する法律など基本的な法律を理解する
- 技術的対策に関する知識……二段階認証やアクセス制御システムの導入、アクセスログの管理などに関する基礎知識の習得
- 暗号化に関する知識……業務で使うPCでの暗号化や、クラウドデータの暗号化、メッセージの暗号化などに関する知識を深める
初歩的なサイバーセキュリティ知識については、下記のサイトも参考にしてください。
DXの基礎知識
企業のDX化が進むなか、DXに関する基礎知識は40代50代にとって必要不可欠です。
ビジネスの新しい仕組みを作ったり、業務のプロセスを変革するには、DX技術に対応できるスキルが求められています。
DXの定義は次のとおりとする。
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること
DXは「デジタイゼーション」「デジタライゼーション」「デジタルトランスフォーメーション」の3段階に分けられ、それぞれに必要なスキルや資格が異なります。
デジタイゼーションはアナログデータをデジタル化するための取り組みを指し、ここで必要な資格のひとつに「ITパスポート」や「MOS」があります。
つぎの段階「デジタライゼーション」は、業務のIT化による自動化などを意味します。デジタライゼーションに必要なスキルとしては、VBAエキスパートや「Python3 エンジニア認定データ分析試験」などがあります。
最後に「デジタルトランスフォーメーション」です。デジタルトランスフォーメーションはデジタル化を通じたビジネスモデルの変革を意味します。デジタルトランスフォーメーションの段階では、ITコーディネーターやデジタルトランスフォーメーション検定などの資格を取得しておくといいでしょう。
DXについての詳しい情報は、別記事でもご紹介しておりますのでぜひご一読ください。
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?IT化の違いや注目されている背景・流れ・補助金
マーケティング分野
40代の人には、マーケティング関連分野の知識や資格取得もおすすめです。
SNSマーケティングやAIを活用したパーソナライゼーションなど、マーケティング分野にも新しい手法が次々と現れています。
消費者の行動変化に対応したり、社外はもちろん、社内の同年代のスタッフとの競争に勝つためにもマーケティング関連の知識は必要不可欠といえます。
デジタルマーケティング
40代は社内でも事業戦略の中枢を担うことも多く、デジタルマーケティングの知識をマスターしておくことはとても重要です。
デジタルマーケティングをマスターするには、次のような知識やスキルが必要となります。
- SEOに関する基礎知識……Webサイトを検索エンジンで上位表示させるための技術や戦略
- リスティング広告に関する基礎知識……検索エンジンのプラットフォームを利用して有料広告を表示させる戦略
- SNSマーケティングの知識……Instagramやx(旧Twitter)、facebookなどのSNSを活用し商品を宣伝する戦略
自社商品やサービスを宣伝する場合、デジタルマーケティングの手法を活用すれば、低コストで効果的なマーケティングができるようになります。
データ分析
新しいビジネスモデルを開発したり、社内で扱うデータを使って課題解決を進めたりするには、かならずデータ分析能力が必要となります。
データ分析に必要なスキルとしては、プログラミング技術や統計学に関する知識、データビジュアライゼーション(※データを視覚的に表現する)に関するスキルがあげられます。
また、自分が分析したデータを他部署や経営層に説明するための「基本的なビジネス知識」も必要となるでしょう。時代のニーズに合わせ企業戦略を変革していくには、スピード感ある分析能力が必要といえます。
ビジネスコミュニケーション関連分野(40代や50代におすすめ)
日々の業務に必要なビジネスコミュニケーションスキルも、40代や50代におすすめしたいスキルのひとつです。
グローバル社会で活躍するにはビジネス英語は必要不可欠ですし、通常業務ではプレゼンテーション技術やネゴシエーションスキルも重要なスキルといえます。
ビジネス英語
海外の顧客と交渉したり、海外拠点への異動のチャンスがあったりするなら、ビジネス英語を学ぶといいでしょう。
日本企業に勤めるビジネスパーソンには英語力が欠けており、ビジネス英語のスキルを持つスタッフは今後活躍の幅が広がります。一般社団法人国際ビジネスコミュニケーション協会が実施した調査によると、企業や団体が考える重要なスキルと不足しているスキルの1位は「英語力」でした。
※今後のビジネスパーソンにとって重要な知識やスキル
英語力があれば自身の市場価値も向上します。また、転職や異動時でも有利に交渉を進められるため、ビジネス英語のスキル習得はおすすめです。
プレゼンテーション技術
プレゼンテーション技術とは、会議や商談の場で相手に物事を伝えるスキルのことを意味します。
特別な資格は必要ありませんが、プレゼンテーション技術をマスターしておけば、会議で説得力ある説明ができますし、営業職においては成約率もアップするでしょう。特に経営層が集まる会議などで幹部相手に納得感あるプレゼンができれば、今後の活躍の場も広がるかもしれません。
プレゼンテーション技術には、おもに次のようなスキルが含まれます。
【プレゼンテーション技術に必要なスキル】
- 論理的思考能力
- 説明相手のニーズを素早くキャッチする能力
- 説得力がある「相手に伝える力」
- わかりやすいプレゼン資料が作れる
それぞれ独学でも学べる内容ですので、社内でプレゼンや営業をする機会が多い人は、ぜひチャレンジしてみてください。
ネゴシエーションスキル
ネゴシエーションスキルは、営業業務に従事している人はもちろん、社内で他部署の責任者と交渉したり、経営層に決裁を仰いだりするときに役立つスキルです。
ネゴシエーションスキルがあれば、交渉時の駆け引きのスキルが身につき、物事を有利に進めることも可能になるでしょう。
ネゴシエーションスキルに特別な資格は必要ありませんが、専門の研修会社や関連する書籍で独学するなどしてスキルの習得が可能です。
キャリアマネジメント分野(50代におすすめ)
長年マネジメントの経験を積んできた50代には、キャリアマネジメント分野でのリスキリングがおすすめです。
キャリアアドバイザーに関する知識や資格、コーチングスキルを身に着けておくと自身のセカンドキャリアにも役立ちます。
キャリアアドバイザー
「他者をサポートすることにやりがいを感じる」「人と接することが好き」という人なら、キャリアアドバイザーのスキルを身につけるといいでしょう。
キャリアに関する仕事は多岐にわたります。求職者のサポートを行う「キャリアアドバイザー」や、在籍者のキャリアを支援する「キャリアコンサルタント」などが代表的な仕事です。
社内外で個人のキャリアをサポートしていきたいなら、国家資格の「キャリアコンサルタント」の取得をおすすめします。
【キャリアコンサルタントとは 厚生労働省公式サイトより】
「キャリアコンサルタント」とは、キャリアコンサルティングを行う専門家で、企業、需給調整機関(ハローワーク等)、教育機関、若者自立支援機関など幅広い分野で活躍しています。
メンタリングやコーチングスキル
これまでのマネジメント経験を活かしてリーダー育成などに取り組みたいなら、メンタリングやコーチングスキルの習得もおすすめです。
【厚生労働省公式サイトより】
具体的なビジネスコーチングスキルとしては、自分のやりかたを押し付けない、指示命令を最小限に、話をよく聞く、存在を認めることなどがあげられている
マネジメントに必要なコーチングスキルとしては次のような要素が含まれます。
- 傾聴力とフィードバック……相手の気持ちを理解し、適切なフィードバックができる
- エンパワメント……相手が自分の能力を認識し、自ら行動を起こすように動かす
- 目標設定のサポート……相手と共に目標を設定し、達成に向けたアクションプラン策定をサポートする
メンタリングやコーチングスキルには特別な資格は必要ありません。ただし、一部の専門校に通うと100万円以上の費用がかかることもあるため、勉強方法を選ぶときは慎重に検討するようにしましょう。
会計や企業分析の分野(50代におすすめ)
50代の人が社内で活躍の場を広げたり、転職を有利に進めたりしたいなら、会計や企業分析スキルを身につけるのもおすすめです。
40代や50代の人が、長年培ってきた経験に加え企業分析などのスキルを併せ持つようにすれば、どこの職場でも重宝されるでしょう。
クラウド会計ソフトなど社内ツールの利用スキル
40代や50代の人が最低限習得すべきなのが、社内で使用されるクラウド会計ソフトなどの利用スキルです。すでに社内で使用されているツールが使えないとなると、いまより活躍の場を広げることは難しいでしょう。
クラウド会計ソフトなどの利用スキルを学ぶには、導入時の研修を受けたりベテラン社員からレクチャーを受ける方法が一般的です。
普段の業務で慣れるしかない部分も大きいため、利用スキルのない人は積極的に業務に関わるようにするといいでしょう。
経営や財務分析スキル
財務諸表や損益計算書などを使って、経営や財務分析ができるスキルも必要になるでしょう。
目先の業務だけをこなすのではなく、自分が勤める企業の経営状況や財務の分析を行い、中長期的な計画を立てられるようになるのが理想です。
具体的には次のような分析ができるといいでしょう。
- 賃借対照表や損益計算書を読み解く
- キャッシュフロー計算書や財務分析表を理解する
- 損益分岐点がわかり新しいビジネスモデルの開発ができる
経営や財務分析には、ビジネス会計検定などの資格取得がおすすめです。社内はもちろん転職の際にも「最低限企業分析ができるスキルがあること」を証明できます。
ちなみに、中小機構では定期的に財務分析のやり方を学習できる研修が実施されています。
興味がある人は、中小機構公式サイトを定期的にチェックしてみてください。
企業内リスク管理とガバナンスに関する知識
企業内リスクの管理やガバナンス(内部統制)に関する知識も、習得しておくべき重要なスキルのひとつです。
さまざまなテクノロジーの変化や環境変化が激しい時代にあって、企業内リスクを管理する能力はとても重要です。
また、ステークホルダーや一般社会からの信頼を損なわないためにも、ガバナンスを保つためのノウハウを身につける必要もあるでしょう。
具体的には、つぎのようなスキルが必要となります。
- 潜在的なリスクを特定するためのフレームワークなどを使いこなせる
- リスクを正しく評価でき優先順位に応じ適切な対応ができる
- ステークホルダーの期待や要求を理解し、適切な外部対応ができる
- ガバナンスを保つための監査手続や評価、改善までのサイクルを管理できる
- コンプライアンス遵守のため、法律や規制を理解し社内で徹底させることができる
税務の最新トレンドや規制の理解
税務の最新トレンドや規制の理解も、リスキリングで学ぶべき知識といえます。
2023年10月にはインボイス制度がはじまり、新しい税制に正しく対応していくための知識はビジネスパーソンにとっては必須です。
具体的には、つぎのような知識が必要となります。
- 基礎的な税法知識(所得税や法人税、税控除に関するもの)
- 税務監査に対応できる知識やスキル
- 消費税やデジタル税など最新の税改正に対応できる知識
また、財務や規制の理解だけではなく、財務状況を分析できるスキルや税務当局との交渉スキルなども必要になってきます。
人事労務管理のスキル
働き方改革や人事労務を取り巻く法改正に対応していくためには、人事労務管理の知識やスキルも、リスキリングでは重要な領域といえます。
例えば、つぎのような知識やスキルを身につけておくといいでしょう。
- 労働法律や規制の知識……社会保険制度や労働基準法などの法律や規制に関する知識
- 採用や選考に関するスキル……求職者の選考や面接、採用プロセスの最適化など
- 評価制度の策定……従業員の業績評価ガイドラインの策定、360度評価システムや各種アセスメントツールの導入など
- 報酬管理……給与計算や福利厚生の設計
- 労働組合や労働者代表との交渉……労働関係のマネジメントに関するスキル
- 健康安全管理……職場の健康や安全を確保するための制度の整備など
2. リスキリングで学び直すべき3つの理由
昨今の厳しい市場環境の変化や、さまざまな法制度が変わるなか「リスキリング」はとても重要な取り組みといえます。
40代や50代など、経験豊富な人がリスキリングで学びなおすべき理由は、おもに次の3つです。
- 働き方改革やDX化など技術の進歩に対応していくため
- 自分の市場価値を高めて職場での競争に勝つため
- 新規事業の立ち上げやイノベーションに対応していくため
働き方改革やDX化など技術の進歩に対応していくため
働き方改革の推進やDX化の加速により、これまでのITスキルや従来の業務スタイルだけでは対応できないケースも増えてきています。
厳しい市場環境に対応し、DX化を通じて新しいビジネスモデルを開発するには、新しい技術やルールなどに対応するためのスキルが必要です。
日々与えられた仕事をこなすだけではなく、将来を見据えたリスキリングが各個人に求められているといえます。
自分の市場価値を高めて職場での競争に勝つため
労働市場は日々進化し、新しいスキルや専門知識が求められるようになっています。
いまのスキルと求められるスキルとの間に大きな乖離が見られる場合、最悪のケースとしては「職場内失業※」となり淘汰されるケースもあるでしょう。
※職場内失業とは……企業に在籍しているにも関わらず仕事を失っている状態
自分自身の市場価値を維持・向上させるためには、時代の要求に応じたスキルを持つことが重要です。
また、リスキリングで最新の知識や技術を習得しておけば、職場での競争にも勝つことができるようになります。
新規事業の立ち上げやイノベーションに対応していくため
新規事業の立ち上げやイノベーションのスピードに対応していくためにも、リスキリングはとても重要です。
特にDX化によるビジネスモデルの開発には、DX化に関する知識だけではなく会計知識や労務管理など幅広い知識が必要になってきます。
新しい環境でマネジメントをしていくには、人材マネジメントに関する知識も必要になってくるでしょう。
リスキリングは、新しいビジネスチャンスを掴み、イノベーションを推進するための強力な武器となります。
3. リスキリングどうやって学ぶ?具体的な取り組み方
リスキリングで学びなおす方法としては、オンライン学習や企業内研修、公的機関などの研修があります。
オンライン学習
Udemy、グロービス学び放題などのオンライン学習ツールなら、時間と場所を気にせず学ぶことが可能です。
講座によっては、スキルを証明するための証明書を取得することも可能ですし、公的補助金の対象になる講座もあります。
インターネットで推奨講座がわからない場合は、勤務先の人事総務担当者に聞いてみるといいかもしれません。
企業内研修
多くの企業は、従業員のスキルアップを支援するための研修プログラムを提供しています。
企業によっては専門の研修会社と提携し、関係知識の習得をサポートしてくれる場合もあります。社内に活用できる制度がないか、一度確認してみるといいでしょう。
公的機関の研修
国や自治体は、雇用の安定や技術の進歩を支援するための様々なプログラムを提供しています。
職業訓練や補助金・助成金など、リスキリングのための多岐にわたる支援も受けられます。
公的機関では、質の高い研修を低コストで受けられるケースも多いです。
【参考:国や自治体が行っている研修|問い合わせ窓口】
- ハローワーク……「政府広報オンライン教育訓練給付制度があなたのキャリアアップを支援します」
- 中小機構……「中小機構 研修一覧」
- 職業能力開発推進センター……「独立行政法人 高齢障害求職者支援機構」
4. 資格取得や助成金など国や自治体のリスキリング支援
リスキリングでは、独学で学ぶ方法とオンライン講習や資格取得の専門校などに通う方法などがあり、それぞれ費用がかかります。
国や自治体などから、個人や企業向けの補助金の支援が受けられることも多いです。高額な費用が原因で学びをためらっているなら、一度公的支援が受けられないか、ハローワークなどで確認してみましょう。
個人向け「教育訓練給付制度」
ひとつ目は、資格取得などを目指す個人が受けられる教育訓練給付制度です。
教育訓練給付制度は3つあり、それぞれ対象となる資格や支給額が異なります。
【教育訓練給付制度の種類】
専門実践教育訓練 | ・受講費用の50%(年間上限40万円)が訓練受講中6ヵ月ごとに支給される ・資格取得後、訓練修了後1年以内に雇用保険の被保険者として雇用された場合は受講費用の20%(年間上限16万円)が追加で支給される |
特定一般教育訓練 | ・受講費用の40%(上限20万円)が訓練修了後に支給される |
一般教育訓練 | ・受講費用の20%(上限10万円)が訓練修了後に支給される |
支援額と対象となる資格の種類】
20%の費用援助が受けられる代表的な資格(上限年間10万円支援) | ・Webクリエイター能力認定試験 ・MOS(Microsoft office specialist) ・日商簿記 ・中小企業診断士 ・インテリアコーディネーター |
40%の費用援助が受けられる代表的な資格(上限年間20万円支援) | ・大型自動車第一種、第二種免許 ・社会保険労務士 ・フィナンシャルプランニング技能検定 ・自動車整備士 ・電気主任技術者試験 |
70%の費用援助が受けられる代表的な資格(最大224万円支援) | ・キャリアコンサルタント ・シスコ技術者認定 ・介護福祉士、保健師 ・測量士補 |
なお、教育訓練給付制度の手続き方法は、下記厚生労働省公式サイトをご覧ください。
企業向け「人材開発支援助成金」
企業向けの公的支援もあります。
下記は厚生労働省が扱う人材開発支援助成金の概要ですが、一定の条件を満たせば賃金補助や経費の助成が受けられます。
勤務先で研修制度を導入してほしいときなどは、これらの情報をもとに相談するといいでしょう。
【人材開発支援助成金の対象となる訓練と支援金】
人材育成支援コースの対象訓練 | 助成金の内容 |
10時間以上のOFF-JT | ・賃金助成……1人1時間あたり760円(380円) ・正規雇用労働者 実費相当額の45%(30% ) ※()内は中小企業以外の助成金 |
企業向け「DXリスキリング助成金」
東京都に本社や事業所がある企業なら、DXリスキリング助成金による補助が受けられる場合があります。
DXリスキリング助成金は、公益財団法人「東京しごと財団」が扱っている助成金です。中小企業が外部講師などを招いてDX研修などを行った場合、必要な経費を支援してくれます。
助成限度額は助成対象経費の3分の2までで、1社あたり年間64万円までとなります。助成対象となる経費は、研修の受講料や教科書代、eラーニング実施に必要な登録料や管理費です。
詳しくは、下記東京しごと財団の公式サイトに説明がありますので参考にしてください。
5. まとめ
社内での自分の市場価値を高めて、取り残されないようにするには、まずは現在の業務に関係性が深い内容をリスキリングしてみるのがおすすめです。
社内課題や、職場で将来注目されるであろう業務に注目し学びを深めると、会社での自分の立場も確立され高い評価や報酬が期待できます。
弊社のチームマネジメントツールについて
- チームメンバーの心身状態が見えていますか?
- 目標達成に向けたメンバーマネジメントができていますか?
こんな課題を解決したく弊社はチームマネジメントツール【StarTeam】を開発しました。
チームワークを見える化し、チームリーダーのマネジメント課題解決をサポートします!
Starteamは
- チームやメンバーの状態の可視化
- 状態に応じた改善アクションの提供
- 改善サイクルの自走化
ができるサービスとなっております。
目標達成に向けたメンバーマネジメントにより
- 離職率が約30%→約15%への改善
- 残業時間が約1/3への改善
につながった実績が出ている企業様もございます。
ぜひ以下のバナーをクリックし詳細をご覧ください。
執筆者:嶋よしかず