テレワークの普及や働き方の変容によって、コミュニケーション不足が社会問題となっています。
そんな中、主張と尊重のコミュニケーションとされる「アサーティブコミュニケーション」が注目を集めています。
アサーティブコミュニケーションは良好な人間関係を作るために必要なコミュニケーション方法です。
こちらでは、アサーティブコミュニケーションの概要を説明するとともに、実践するためのDESC法、アサーティブコミュニケーションの具体例などを徹底解説します。
こちらを読んでいただくことで、アサーティブコミュニケーションについて理解でき、組織の人間関係が改善されるだけでなく、業績も右肩上がりになっていくことでしょう。
1. アサーティブコミュニケーションとは?
まずはアサーティブコミュニケーションの概要について説明します。
アサーティブコミュニケーションとは、自分の意見を飲み込んで我慢をしたりせずにお互いを尊重しながら意見をかわすコミュニケーションの考え方です。
アサーティブ[assertive]とは「言い張ること」「自信があること」「積極的な」といった意味の言葉であり、コミュニケーションをとる双方がアサーティブな状態で交流し、お互いがウィンウィンな関係になるような意見交換を理想としています。
また、アサーション[assertion]も同じ意味として使われています。お互いを尊重して健全に意見交換することがアサーティブコミュニケーションの本質です。
ただ自己主張を通すことや相手を与することが目的ではありません。
アサーティブコミュニケーションの歴史は古く、アメリカの心理学者ジョセフ・ウォルピ氏によって1949年に開発されたカウンセリング手法が起源だといわれています。
現代はビジネスのグローバル化やダイバーシティによって健全なコミュニケーションが必要となっており、注目を集めています。
また、IT技術の発達により対面でのコミュニケーションが減り、コミュニケーション能力が低下しているのも、アサーティブコミュニケーションが注目を集めている理由です。
まさにこれからの時代を生きていくために必要となるコミュニケーション手法がアサーティブコミュニケーションなのです。
2. コミュニケーションタイプの分類
アサーティブコミュニケーションの生みの親であるジョセフ・ウォルピはコミュニケーションのタイプを4つに分類しています。
アサーティブコミュニケーションはその内の1つです。アサーティブコミュニケーション以外の3つのコミュニケーションタイプについて説明しましょう。
自分自身のコミュニケーションタイプはどれにあたるのかを知ることはとても大切です。
攻撃的タイプ(アグレッシブ)
攻撃的タイプは相手の気持ちを考えずに一方的に自分の思っていることを言うタイプです。自分さえ満足できればそれでいい、という考えの人が多く、すぐに腹を立てて周りに当たります。
パワーハラスメントに繋がってしまうような不健全なコミュニケーションタイプなので、思い当たる人はいますぐに改善しましょう。
また、組織内に攻撃的タイプの人がいる場合は、人事異動をしたりコミュニケーションをとったりして対策を講じましょう。
基本的に感情のコントロールが下手なタイプなので、アンガーマネジメント研修などを受けると良いでしょう。
受け身タイプ(ノンアサーティブ、パッシブ)
アサーティブコミュニケーションの対極にあるタイプとされるのがこちら、受け身タイプです。受け身タイプは、相手から悪く思われることや嫌われることを極端に恐れて、言いたいことを伝えられないコミュニケーションタイプです。
自分の言動に責任感が無いため、曖昧な表現をしたり、言い訳が多かったりするのが特徴です。
また、業務に関しても頼まれた仕事を断ることができずに、自分のキャパシティを超えた多くの仕事を抱えてしまいがちです。
周囲の人に助けを求めることも苦手で、結果としてミスやトラブルを引き起こしてしまいます。
自己主張をしすぎる攻撃的タイプも厄介ですが、こちらの受け身タイプも同じくらい注意が必要な存在です。
積極的に研修をしたりコミュニケーションをとったりして改善に努めましょう。
作為的タイプ
作為的タイプは、周囲に対する不満があったとしても、直接言わずに陰口を言ったり態度に出して伝えたりするコミュニケーションタイプです。
かまってちゃん、と称される人達が代表的な例ですが、とても幼く未熟なタイプの人間です。内心は穏やかではありませんが、周囲には冷静に見えるので、分かりづらく扱いが難しいのが問題です。
プライドが高く、率直に正直に自分の気持ちを伝えることに抵抗があるので、こちらも時間をかけて少しずつ改善していかなければなりません。
以上3つのコミュニケーションタイプを紹介しましたが、自分に少しでも当てはまるものはありますでしょうか?
自分のコミュニケーションの傾向を認識したうえで、アサーティブなコミュニケーションを取れるように意識をして改善をしていきましょう。
3. アサーティブコミュニケーションの4つの柱
では、アサーティブコミュニケーションを行うためにはどういったことを意識すれば良いのでしょうか。
アサーティブコミュニケーションを日常的に使えるようにその活動を広めているNPO法人のアサーティブジャパンが、アサーティブコミュニケーションをするための4つの重要なスキルを定義しています。
アサーティブコミュニケーションの4つの柱といわれる「誠実」「率直」「対等」「自己責任」がそれにあたります。
これらを意識することでアサーティブコミュニケーションを取れるようになるので、それぞれ細かく見ていきましょう。
誠実
誠実とは、相手を尊重しながらも自分にも相手にも嘘をつかずにあらゆる物事と向き合うことです。自分の主張を通すだけでなく、相手の意見も受け止める広い心が必要です。
また、人を騙したり自分の利益だけを考えたりするようなことも絶対にしません。
あらゆる人の価値観を認めながらも、自分の信念を貫き通してコミュニケーションを取れる人が誠実な人です。
アサーティブコミュニケーションを形成する大きな要素といえるでしょう。
率直
自分の気持ちや意見を包み隠さずに真っ直ぐに伝えられることです。そこに攻撃性や妬みや嫉みなどの余計な感情は入らず、相手を威圧したり言いくるめたりする意図は全くありません。
遠回りをした言い方もせずに、簡潔に、そして正直に自分の気持ちを伝えられることが率直さです。
ただ、率直でさえあれば良いと思って周りのことを構わずに自分の気持ちを伝えるのはアサーティブコミュニケーションとは言い切れません。
あくまで率直であることは1つの柱ですので、他の3つの柱も意識をしましょう。
対等
あらゆる人間関係を対等に扱う精神性もアサーティブコミュニケーションに必要なスキルです。
立場の違いや権力の有無によって自分の意志を曲げない、力関係によって迎合しないといった芯の通ったコミュニケーションが求められます。
対等の精神を持っている人は、周りの人を自分より上か下かで判断しないので、上から目線にもなりませんし卑屈にもなりません。
どんな人ともフラットに対話をすることができます。
また、言葉にしなくても、心の中で相手を見下しているとそれは相手に伝わるものです。
常日頃から相手を尊重して、対等な目線で人と接するようにしましょう。
自己責任
アサーティブコミュニケーションをとるためには、自分で責任をとるという姿勢もとても大切です。
自分の言動に対して責任と自覚を持ち、そこから生じるトラブルやミスに対しても自分で責任を負います。
また、発言をしたことに対して責任を持つだけでなく、発言をしない・行動をしないことに対する責任も自覚しています。自己責任のスキルが高い人は、常に主語は「私」です。
「私はこう思います」
「私の意見としては」
「私は違います」
といったように自分の意見として言葉を発することができるので、誠実さも、率直さも感じる、対等なコミュニケーションができるのです。
4. アサーティブコミュニケーションを実現するDESC法
アサーティブコミュニケーションの概要や具体的なスキルについては理解できたかと思いますが、実際にアサーティブコミュニケーションを行うにはどうしたら良いのでしょうか。
そこで、アサーティブコミュニケーションを実践するための段階的主張法について解説しましょう。
それが「DESC法」です。
DESC法とは、アメリカの心理学者ゴードン・バウアーらによって提唱された、コミュニケーションの実践法であり、以下の4つの段階に分けて自己主張をすることでアサーティブコミュニケーションを実現することができます。
日常的に以下の4つを意識してコミュニケーションをとることで、きっとアサーティブコミュニケーションを習得することができるでしょう。
描写[Describe]
課題を解決するときや意見を交換するときには、まず「描写」をすることからはじめます。
推測や個人的な感情を入れずに客観的な事実や明白な状況だけを伝えます。描写をすることで、相手と認識やイメージを共有することができ、情報の齟齬がなくやりとりをすることができます。
また、個人的な感情や主観が入り込まない段階なので、意見が衝突したり感情的になったりすることもありません。
まずは事実の確認、描写から始めましょう。
表現[Explain]
次の段階は「表現」です。「描写」で共有した客観的事実や状況に対する、主観的な意見を伝えます。
その際には感情的な表現や攻撃的な言葉を使わないように十分注意しましょう。
前章で説明した「4つの柱」を意識して、誠実さと率直さを心がけながら、相手の気持ちを思いやって気持ちを伝えましょう。
また、自己責任をもって主語を「私」にして第三者の意見を入れないことも意識しましょう。
提案[Specify]
「描写」「表現」の段階で課題が解決しないようであれば、次は「提案」の段階に入ります。
提案は、問題点や課題についての解決方法を相手に伝えることです。
あくまで提案や依頼という形であって、命令口調になったり強制力を働かせたりしないように意識しましょう。
また、提案する内容は抽象的にせずに具体的な行動に起こせるものにしましょう。
この提案の段階でいかに建設的で健全な提案ができるかどうかが、アサーティブコミュニケーションができるかどうかの指標になっているといっても過言ではありません。
日々の自分の「提案」のクオリティや傾向を分析してみましょう。
選択[Choose]
最後の段階は「選択」です。
これまでの段階で意見を交換した結果生まれる相手の反応に合わせて、自分の取るべき行動を選択します。
まだ意見を交換するのか、提案をするのか、時間を置いて話し合うのか、実行に移すのか。
選択肢は様々ですが、意固地にならずに柔軟な対応をして、軽やかに選択ができるフットワークの軽さが必要です。
また、この選択の段階においても「自分が選んだんだ」という自己責任の意識が大切です。
やらされている。本来は自分の意志ではない。といった精神で行動を起こすと良い結果には結びつきません。
どの段階においてもアサーティブコミュニケーションの4つの柱を意識するように習慣づけましょう。
5. アサーティブコミュニケーション導入の効果は?
アサーティブコミュニケーションは現代に必要不可欠なものであると説明しました。
では、組織にアサーティブコミュニケーションを導入するとどのような効果があるのかを具体的に解説しましょう。
社内のコミュニケーションの活性化
アサーティブコミュニケーションを導入することにより、社内のコミュニケーションが活性化されます。
アサーティブコミュニケーションを行うことにより、メンバー間で活発な意見交換が行われます。
組織内で情報交換や相互理解が進み、組織全体の結束力が高まるだけでなく、風通しの良い職場を作ることができます。
また、部下と上司の間でもコミュニケーションが活発になることにより、良好な関係を築くことができます。
管理職にあたる人間にとっては、部下の力量や現状の問題を把握でき、より良い人材の成長サポートや適切な人事を行うことができます。
コミュニケーションが活発になると、あらゆる恩恵が組織にもたらされます。アサーティブコミュニケーションを意識して行うことで、きっと社内の交流は盛んになることでしょう。
メンタルヘルスケアになる
自分の本心を押し殺して、意見を言わないこと・発言をしないことは大きなストレスを抱える原因になります。
アサーティブコミュニケーションは自分の気持ちを率直に伝えるという側面もあるので、導入をすることでメンバーのストレスを大幅に軽減できます。
また、アサーティブコミュニケーションはより良い人間関係を作ってくれるので、人間関係による精神的負担も軽くしてくれます。
離職・休職の原因のトップに入るのが人間関係のトラブルです。アサーティブコミュニケーションの導入により、メンバー同士で良好な関係を築ければ、優秀な人材の流出も防止できます。
社員のメンタルヘルスケアをするのは、現代の組織における必要条件です。
アサーティブコミュニケーションはその一助となることでしょう。
生産性が向上する
健全なコミュニケーションが行われると、メンバー間でのチームワークが強化され、適切な役割分担が可能となります。
業務を効率的に行うにはどうすれば良いかを全員が考え意見を交換できるので、生産性が大幅に向上します。
また、メンバー間ですぐに情報交換ができるので、トラブルやミスの早期発見・早期解決にも繋がります。
トラブルを未然に防ぐことができれば、そのぶん生産性も向上し、業務に集中することができます。
アサーティブコミュニケーションは人間関係を健康的にするだけでなく、業務の生産性にも影響を与えてくれるのです。
ハラスメントの防止になる
ハラスメントを防止することは、現代を生きる企業にとっては絶対に必要なことだといえるでしょう。
アサーティブコミュニケーションを導入すれば人間関係が良好なものになる、と説明しましたが、それによってハラスメントを防ぐことにも繋がります。
「何をされたら相手が嫌がるのか」
「どういったことがストレスなのか」
「何が精神的な負担になっているのか」
そういったことを正直に口にできて、お互いを尊重し合える関係になれればハラスメントは発生しません。
誰もが働きやすい健全な職場にするためにアサーティブコミュニケーションは必要不可欠だといえるでしょう。
ハラスメントについてより理解を得たい方はぜひこちらの記事もご覧ください。
パワーハラスメントと指導・教育の違いとは?パワーハラスメントの定義や防止策などもお伝えします!
6. アサーティブコミュニケーション導入の注意点は?
アサーティブコミュニケーションを組織に導入することの効果やメリットは理解できたかと思います。
その反面、アサーティブコミュニケーションを組織に導入する際にはいくつか注意点も存在します。
以下の点を意識しながらアサーティブコミュニケーションを組織に導入することを検討しましょう。
時間と労力が必要
アサーティブコミュニケーションは慣れていない人にとっては、スムーズに行うのが難しいコミュニケーションです。
意見の交換や業務の改善がスピード感をもって行うことができずに、時間や労力がかかってしまう可能性もあります。
アサーティブコミュニケーションをメンバー一人ひとりひとりが身につけることができれば、むしろそういったコストは軽減できるのですが、その段階まで行くのに時間がかかることは注意しなければならない点でしょう。
組織としては、社内研修や外部のコミュニケーション研修、ケーススタディなどを積極的に取り入れてメンバーを育成していく必要があるでしょう。
反感を買う場合もある
アサーティブコミュニケーションを推し進めていくと、相手の反感を買う場面に多く遭遇する可能性があります。
自分の意見を率直に表現することに重きを置きすぎると、相手の求めているものとはズレてしまったり、相手の不快感を煽ったりする場合があります。
アサーティブコミュニケーションはただ自己主張を通すことではありません。
自分の意見を持ってそれを伝えながらも相手の意見も尊重するコミュニケーション方法です。
その点をメンバー全員に周知して、共通認識をもってアサーティブコミュニケーションの導入に踏み切ると良いでしょう。
ストレスを感じることもある
先程とは反対に、自分の意見が通らないことにストレスを感じてしまう場合もあります。
アサーティブコミュニケーションを意識することで、自分の意見を持つことができる、というメリットがありますが、その意見が否定されてしまったときに傷ついてしまうことも時としてあるでしょう。
しかし、健全なコミュニケーションがなされているのであれば、自分の意見が否定されたとしても傷つく必要はありません。
相手も自分を傷つけようとして意見を否定しているわけではないからです。
相手の考えや意見も受け入れる・尊重するというスタンスを常に忘れないようにしましょう。
7. アサーティブコミュニケーションの具体例
最後にアサーティブコミュニケーションの具体例を紹介します。
立場や活用目的別にいくつかの項目に分けましたので、自分の当てはまる項目は特に注意してみてください。
部下から上司へのアサーティブコミュニケーション
部下は上司に対して受け身タイプのコミュニケーションになりがちです。
上司からの圧力に屈したり、気に入られたいがために迎合したりと、自己主張をせずにイエスマンになってしまうことも多いでしょう。
しかし、アサーティブコミュニケーションを身につけた場合は、自分の意見をしっかりと伝えることができ、困ったことを共有できたり今の気持ちを素直に打ち明けられたりします。
上司の命令に全て従うのが部下ではありません。
例として、上司から飲み会に誘われた場合を考えてみましょう。
別の部署の先輩上司から飲み会に誘われましたが、まだ仕事が残っており、なかなか乗り気になれません。
アサーティブコミュニケーションにおいては
「お誘いありがとうございます。でも、やるべき仕事が終わってからでないと飲み会を楽しむことができないので、今回は失礼致します。ぜひまたお願いします」
といったように、率直で誠実なやりとりをすることを心がけましょう。
こういった伝え方を選択すれば、上司の機嫌を損ねることもなければ、仕事に支障を来たすこともありません。
どんな立場の人間であれ、現状の仕事の状況や自分の気持ちを正直に打ち明けて、相手を尊重しながらコミュニケーションをとることがアサーティブコミュニケーションなのです。
上司から部下へのアサーティブコミュニケーション
上司から部下へのコミュニケーションは反対に、攻撃的タイプになりがちです。
かつての体育会系のノリを引き継いだ形で、上司の命令は絶対、威圧して恐怖によって相手を支配する、といった考え方の人がまだ存在しているからです。
そういった上司がアサーティブコミュニケーションを身に付けた場合は、部下の気持ちや意見を尊重しながらも自分の部下への気持ちを伝えることができます。
上司自身も仕事に対して誠実に向き合っていることや、部下に愛情があることを伝えることができれば、今の関係性より良好な関係を作れることでしょう。
では例として、部下が資料作成のミスを繰り返していて、それを注意・指導するシチュエーションを考えてみましょう。
ただ攻撃的に「バカ!何度言ったらわかるんだ!ちゃんとやれ!」というだけでは、アサーティブなコミュニケーションとは言えません。
先程説明した、DESC法を応用すると
描写(D):ここ最近、資料にミスしてることが多いね。その影響で、先月より業務の進捗が遅れてるよ。
表現(E):いつも資料作成してくれてありがたいけど、少し心配だな。
提案(S):資料の作成をしたら、必ず2回は再チェックするようにしようか。
選択(C):不安だったら自分もチェックするから。次も作成よろしくね。
といった声かけができるとアサーティブコミュニケーションとなるでしょう。
ただ、頭ごなしに否定して叱責するのではなく、部下がしっかりと問題と向き合いながらも修正ができるように意識をしましょう。
同僚同士でのアサーティブコミュニケーション
同僚同士では、率直で正直に意見が交換できるかと思いますが、相手を尊重する気持ちと対等な立場になる意思が絶対的に必要です。
同僚だからこそ、ライバル心や嫉妬心によって、相手を自分より上か下かで判断をしてしまいがちです。
どんな人に対しても、誠実に真っ直ぐ対等に接するのがアサーティブコミュニケーションです。
では、例として同僚同士での企画会議を考えてみましょう。
誰かの意見に対して「それはない。何も面白くない」と言ってしまうのは攻撃的なタイプのコミュニケーションになってしまいます。
反対に「まあ、いいんじゃないでしょうか」といったような態度だと、受け身タイプになってしまい議論が発展していきません。
会議においてアサーティブコミュニケーションを実践するためには「YES、and」の精神が大切です。
「そのアイデア良いですね。では、そのアイデアに加えてこういうのはどうでしょう」
といったように、まずは相手のアイデアを肯定して、そこに新しいアイデアを加えるという考え方です。
相手を尊重しながらも自分の意見も主張できるので、アサーティブコミュニケーションとして成立させながらも議論を発展させることができます。
ハラスメント対策としてのアサーティブコミュニケーション
ハラスメントを受けている相手に対して、率直に自分の気持ちを伝えることは勇気のいることです。
本人に伝えずに、周りに相談して解決してもらうのも1つの手ですが、アサーティブコミュニケーションを意識することで本人にも自分の意志を伝えられるようになるでしょう。
「〇〇さん、先日こういったことを言っていましたが、自分はとても嫌な気持ちがしました。改善してもらえないでしょうか」
といったような言葉や
「私はハラスメントに断固反対します。今後こういったことが繰り返されるようであれば、然るべき処置をとらせて頂きます」
といったように自分の誠意と率直さをもって気持ちを伝えることが必要です。
ただ、先程も申し上げたように、とても勇気のいることですし、逆に相手も気持ちを逆撫でしてしまうかもしれません。
悪いのは、ハラスメントを行う加害者です。
その強い気持ちをもって、自分にできる範囲の行動をとりましょう。
8. まとめ
アサーティブコミュニケーションを意識して社会生活を送れるようになれば、きっと人間関係も改善され、業務の生産性も向上することでしょう。
グローバル化が進み、あらゆる価値観の人達と交流をせざるを得なくなる現代社会においてアサーティブコミュニケーションは絶対的に必要なものです。
こちらで学んだポイントや実例を参考にしながら、アサーティブコミュニケーションを身につけましょう。
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