自社商品や個人の魅力を伝えるためには、的確で心に残るプレゼンテーション能力が不可欠です。
特に、わずか30秒の短い時間で相手を引き込むためのテクニック、「エレベーターピッチ」は、ビジネス界で注目を浴びています。
- 「どうしても自社の魅力を伝えきれない」
- 「相手の関心を引けない」
という悩みを抱えている方々にとって、エレベーターピッチは強力なツールとなります。このテクニックを習得することで、シンプルで魅力的な伝え方が身につき、取引先や顧客へのPRや、社内コミュニケーションにおいても大いに役立ちます。
この記事では、エレベーターピッチの基本や作成方法、身につけるメリット、さらには具体的な場面別の例文などを詳しく解説します。
また、 [4. エレベーターピッチのテンプレートと具体的な活用事例]では、ダウンロード可能なテンプレートを用意していますので、エレベーターピッチ実施の際にぜひご活用ください。
1. エレベーターピッチとは
エレベーターピッチの概要
エレベーターピッチとは、
わずか15~30秒という極めて短い時間内に、自己や自社に関する要点を簡潔に伝えるためのプレゼンテーション技術
です。
この手法は、アメリカのシリコンバレーが発祥とされ、エレベーターに乗り合わせた投資家が降りる前にアピールし、投資を引き出すために使用されたことから「エレベーターピッチ」と名付けられました。
エレベーターピッチは、ビジネスプロフェッショナルだけでなく、自己アピールやネットワーキングの場でも有用です。
しかし、その短さからくる制約があり、伝える内容やその順番を適切に整理し、簡潔で分かりやすい形で表現することが求められます。
エレベーターピッチは、貴重なチャンスを逃さないための強力なツールとして、ビジネスのさまざまな局面で活用されています。
エレベーターピッチの目的
エレベーターピッチの主な目的は、極めて短い時間内に相手に対して的確で魅力的なプレゼンテーションを行うことです。
この手法はもともと、多忙な投資家に対して短い時間でアピールし、資金を調達する機会を作るために用いられました。
そのため、エレベーターピッチを理解し、習得することはビジネスのさまざまな場面で有用です。
エレベーターピッチの特徴
エレベーターピッチの特徴は以下の2つです。
簡潔かつ的確な情報伝達
エレベーターピッチは、通常15~30秒という極めて短い時間で行われます。
これは、エレベーターで1階分の時間内に相手へ自己や自社の魅力を簡潔にわかりやすく伝える必要があるためです。
文字数の制限
15~30秒の口頭プレゼンテーションとして表現すると、約120~240文字程度の文字数制約があります。
この短い文字数で、相手に興味を引き、重要な情報を伝えるためには、的確な言葉の選択と練習が必要です。
エレベーターピッチは、短時間かつ制約のある状況で相手に情報を伝えるスキルであり、初対面の相手にも自身や自社の魅力を伝えるための効果的な手法です。短い時間で的確に伝えられるよう、練習と準備が欠かせません。
2. エレベーターピッチを活用するメリット
エレベーターピッチを活用するメリットは以下の3つです。
簡潔にわかりやすく自己や自社について伝えることができる
短い時間内で的確に伝える能力は、会議、プレゼン、質問など、限られた就労時間の中でコミュニケーションを取る機会で特に役立ちます。
エレベーターピッチを会得できれば、短いコミュニケーションで言いたいことを効果的に伝え、時間を有効に活用することができます。
また、ビジネスでは自身が扱っている商品やサービス、自己の能力などの魅力を効果的に発信することが成功の鍵となります。
しかし、相手の興味を引きつけつつ、簡潔に伝えることは容易ではないため、エレベーターピッチはシンプルに伝えるテクニックを磨くための理想的な手法です。
魅力の発信力を向上させ、機会を拡大させることにつながるでしょう。
コミュニケーション能力の向上につながる
エレベーターピッチには、短い時間で伝えるというコミュニケーション能力が向上するメリットがあります。
言葉を選び、重要なポイントを強調する訓練により、コミュニケーションの質が高まります。
また、表現力も向上し、相手の状況や興味に合わせた的確な伝達が可能になります。
これはビジネスのプレゼンテーションだけでなく、社内コミュニケーションにも役立ちます。
エレベーターピッチは、短時間で効果的なコミュニケーションを実現するための貴重なスキルを身に着けることができます。
自己理解とビジョンを明確化できる
エレベーターピッチを作成するプロセスは、自己理解とビジョンの明確化に役立ちます。
自分や自社について考え、最も重要な要点を選別することで、戦略的な方向性や強みを見つける手助けとなります。
これにより、ビジョンがより明確になり、自己理解が深まります。エレベーターピッチは、自己成長とキャリアの発展に貢献する重要なスキルの一つです。
3. エレベーターピッチの構成要素とGTCメモ
エレベーターピッチは以下の3つの要素で構成されます。
- 導入
- 提案
- 行動喚起
また[GTCメモ]という基本的なガイドラインもございます。
エレベーターピッチの構成要素
エレベーターピッチは、短い時間内に相手に魅力的な情報を伝えるために特定の構成要素を持っています。
これらの要素をうまく組み合わせることで、印象的で効果的なピッチを構築できます。
導入
エレベーターピッチの導入部分は、相手の注意を引く重要な役割を果たします。
この部分で相手の興味を引きつけ、話の焦点を自分の提供する情報に向けることが必要です。
導入は質問や共感を呼ぶ情報を用いて行うことが一般的で、相手が共感しやすいテーマや関心事に触れ、自分の話に興味を持ってもらうことが大切です。
たとえば、相手がビジネスの効率化に興味がある場合、
「最近、業務の効率化について考えたことはありますか?」
という問いかけが効果的だということです。
提案
次に、エレベーターピッチの提案部分です。提案では、自分が提供するサービス、製品について具体的に説明します。
短時間内で情報を効果的に伝えるために、要点を絞って伝えることが不可欠です。
提案の際には、相手にとって最も価値のある情報を伝えることがポイントです。
自社の製品やサービスがどのように問題を解決し、メリットを提供するかを端的に示すことが重要であり、具体例や成功事例を交えて説明することで、相手に納得してもらいやすくなります。
行動喚起
最後に、エレベーターピッチの行動喚起部分です。行動喚起は、相手に次のステップに進むよう促す重要な段階です。これをクロージングとも呼びます。
行動喚起では、具体的な行動を求めるフレーズを使い、相手に次のステップを踏むように促していきます。
たとえば、ビジネスの提案をしている場合、
「詳細をお話しする機会を設けていただければ幸いです。お気軽にご連絡ください」
といった具体的な行動を求める文言を使いましょう。
これらの構成要素を適切に組み合わせ、短い時間内でも相手に魅力的な情報を伝え、行動を促すことがエレベーターピッチの成功につながります。自信を持って効果的なピッチを行うために、これらの要素を工夫して活用しましょう。
GTCメモとは
エレベーターピッチを効果的に構築するためには、GTCメモというツールが非常に役立ちます。
GTCメモは、Goal(目標)、Target(対象)、Contact(接点)の頭文字を取ったもので、エレベーターピッチを組み立てる際の基本的なガイドラインを提供します。
Goal(目標)
まず、自分がエレベーターピッチで達成したい目標を明確にします。
ピッチを行う目的や望む結果を定義することは非常に重要です。なぜなら、エレベーターピッチは短時間で相手に特定の行動を促すためのツールであり、目標を持たずに行動することは効果的ではありません。
例えば、自分が新しいプロジェクトに関するアイデアを共有し、プロジェクトメンバーを募りたい場合、その目標を「プロジェクトメンバーの参加を得ること」と具体的に定めます。
この目標を明確にすることで、ピッチの焦点を絶えず保ち、相手に何を期待しているのかを伝えやすくなります。
Target(対象)
次に、ピッチを行う相手、つまりターゲットオーディエンスに焦点を当てます。
相手が望むものやそのニーズを理解することは、エレベーターピッチの成功に欠かせません。自分のアイデアや提案が相手にどのような価値を提供するかを把握することが必要です。
例えば、プロジェクトメンバーを募る際には、どのようなスキルや知識を持つ人材が必要なのか、また、なぜそのプロジェクトに参加すべきかをターゲットオーディエンスの視点から考えます。
これにより、ピッチが相手に合致し、共感を呼びやすくなります。
Contact(接点)
最後に、Goal(目標)とTarget(対象)を結びつける接点を特定します。
これは、自分と相手の要望や目標がどの点で共通するかを見つけ出すプロセスです。 接点を見つけることで、ピッチがより効果的になり、相手にとって魅力的なものになります。相手が自分の提案に興味を持ち、行動に移しやすくなります。
例えば、プロジェクトメンバーを募る際には、自分のプロジェクトが相手のスキルやキャリアの発展にどのように貢献するかを具体的に示すことが接点を見つける手助けになります。
GTCメモはエレベーターピッチの基本的な要素を整理し、効果的なプレゼンテーションを構築するのに役立ちます。
これを活用することで、短時間で相手に魅力的な情報を伝え、目標達成に向けて効果的な一歩を踏み出すことができます。
4. エレベーターピッチのテンプレートと具体的な活用事例
エレベーターピッチのテンプレート
まずは、「導入、提案、行動喚起」それぞれの構成要素を書き出していきましょう。
構成要素を書き出し終えたら、以下のテンプレートに沿って文章を作成していきましょう。
また、ダウンロード可能なテンプレート資料を用意していますので、ぜひご活用ください。
【エレベーターピッチのテンプレート】
[問題または潜在的なニーズ]はありませんか? 当社は、[ターゲットユーザー]向けの新しい[プロダクト名]を開発しました。
この[プロダクトのカテゴリ]は、[重要な利点、顧客価値]を提供し、[差別化できる点
他の製品との違い]が備わっています。
[自社のこれまでの実績、自社の強み]だからこそ、お役に立つと確信しています。
お時間がありましたら、もう少し詳しくご説明させていただけないでしょうか?
このテンプレートは一つの例です。必要に応じて会話の流れや具体的な情報を追加または調整してください。
相手に適切な情報を提供し、興味を引くことができるプレゼンとなるように工夫しましょう。
エレベーターピッチの具体的な活用事例
エレベーターピッチは、ビジネスやプロフェッショナルのコミュニケーションにおいて非常に重要です。
以下では、エレベーターピッチの具体例をいくつか紹介します。
これらの例は、さまざまな状況で活用できるもので、社会人向けの実用的な情報となっています。
また、15秒間(80文字程度)・30秒間(200文字程度)で話すエレベーターピッチの例文をご紹介します。
社内プレゼンの例文
15秒間
新しい人事システムの導入を提案します。これは業務効率化と情報セキュリティ向上を実現しています。お見積もりとデモ機のご用意があります。
30秒間
従業員データの管理に課題を感じていませんか?当社では、新しい人事システムの導入をおすすめします。
この新しいシステムの導入により、従業員の情報管理が効率的に行え、業務効率向上に寄与します。また、セキュリティの面でも最新の技術を採用し、データの保護と機密性を確保します。
お見積もりのご提供やデモ機のご用意も可能です。是非、導入のメリットを詳しくご説明させていただきたいと考えております。
交流会の場で自己紹介をする例文
15秒間
ITインフラエンジニアの○○です。セキュリティ重視なインフラストラクチャー構築と運用に専念し、企業のデジタル安全性を向上させています。
30秒間
ITインフラエンジニアの○○です。私たちはセキュリティ重視のインフラストラクチャー構築と運用に特化し、企業のデジタル安全性向上を支援しています。
これまでのプロジェクトから、セキュアなインフラが企業に信頼と安心を提供し、私自身も新たなテクノロジーへの探求心が高まっています。
この交流会を通じて、多くのプロフェッショナルとの関係を築けることを楽しみにしています。どうぞよろしくお願いいたします。
営業の例文
15秒間
最新の業務効率化ソフトウェアを提供しています。データ分析と効果的な業務管理を実現し、導入からトレーニングまでサポートします。
30秒間
当社は最新の業務効率化ソフトウェアを提供しています。このソフトウェアにより、データ分析と効果的な業務管理が簡単に行え、結果的に生産性向上が実現します。
導入からトレーニングまでトータルサポートし、お客様のニーズに合わせたカスタマイズも可能です。
既に多くの企業で採用いただいており、ぜひご検討いただければ幸いです。
5. まとめ
いかがでしたでしょうか。
エレベーターピッチの概要や実施するメリット、作成のためのテンプレートなどをご紹介してきました。
以下に本記事のまとめを行います。
エレベーターピッチとは、
数十秒の短い時間内に、自己や自社に関する要点を伝えるための技術のことです。
エレベーターピッチのメリットは
- 簡潔にわかりやすく伝えることができる
- コミュニケーション能力の向上につながる
- 自己理解とビジョンを明確化できる
ことです。
エレベーターピッチの構成要素は
導入:質問や共感などの情報で相手の注意を引く役割
提案:相手にとって価値のある情報の要点を絞って説明
行動喚起:相手に次のステップに進むよう促す重要な段階
から成ります。
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