非機能要件を簡潔に解説!プロジェクト成功に欠かせない要素とは?

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非機能要件を簡潔に解説!プロジェクト成功に欠かせない要素とは?

2023年5月24日

1. 非機能要件とは

ソフトウェア開発やシステム設計において、非機能要件は重要な概念です。

機能要件とは異なり、

非機能要件は

システムの動作や機能に関わる直接的な要件ではなく、システム全体の性能や品質に関連する要件です。非機能要件はユーザーの期待を満たし、システムの成功を保証するために不可欠です。

非機能要件を正しく理解するためにも、まずは機能要件が一体何なのかを理解することが大切です。 

機能要件とは

まず機能要件とは、

システムやソフトウェアが提供すべき具体的な機能や機能性に関する要求事項です。

つまり、システムがどのような機能を持っているべきかを明確に定義するものです。

機能要件はユーザーのニーズやビジネスの要求に基づいて定義され、システムの設計や開発において重要な役割を果たします。 機能要件は具体的で明確な要求事項を示すため、ユーザーがどのような操作や機能を期待しているかを明確にすることが重要です。 

非機能要件と機能要件は、システム要件の異なる側面を表現しています。機能要件はシステムが提供すべき具体的な機能やタスクに関する要件ですが、非機能要件はシステムの性能や品質に関する要件です。 

 

非機能要件の定義と概要 

非機能要件は、

ソフトウェアやシステムが達成すべき品質や制約条件を表現するものです。

主な目的は、システムの性能、信頼性、セキュリティ、利便性、拡張性、保守性などの側面に関する要件を明確にすることです。 

非機能要件はIPAが公開している「非機能要求グレード」というツールに定義されている6の領域で定義されています。 

 

パフォーマンス: システムの処理速度、応答時間、スケーラビリティなどの要件。 

可用性: システムの稼働時間、障害復旧能力、冗長性などの要件。 

セキュリティ: システムへの不正アクセス防止、データ保護、認証・認可などの要件。 

使用性: インターフェースの使いやすさ、ユーザビリティ、アクセシビリティなどの要件。 

運用性: システムの監視・管理、ログ出力、トラブルシューティングなどの要件。 

拡張性: システムの柔軟性、新機能の追加や変更の容易さなどの要件。  

機能要件は「何をするか」に焦点を当てますが、非機能要件は「どのようにするか」や「どのような品質を持つか」に焦点を当てます。

 

機能要件との違いについて

さらに非機能要件と機能要件の違いを以下にまとめます。 

目的:

機能要件はシステムが実現すべき具体的な機能や操作に関する要件です。

非機能要件はシステムの性能や品質に関連する要件であり、ユーザーエクスペリエンスやシステムの信頼性を向上させるための指針を提供します。

測定可能性:

機能要件は通常、機能が正しく動作するかどうかを確認するためにテスト可能な基準を持ちます。

一方、非機能要件は主観的な要素が含まれる場合があり、測定が困難なことがあります。しかし、非機能要件も定量的な指標や基準を持つ場合があります。 

影響範囲:

機能要件は主に特定の機能やタスクに関連していますが、非機能要件はシステム全体にわたる要件です。

非機能要件はシステムのパフォーマンス、セキュリティ、利用可能性など、システム全体の側面に関連しています。 

優先順位:

機能要件は主に特定の機能やタスクに関連していますが、非機能要件はシステム全体にわたる要件です。

非機能要件はシステムの品質や性能を保証するために重要ですが、プロジェクトの優先順位に直接影響を与えることは少ない場合があります。

 

機能要件と非機能要件の違い

機能要件と非機能要件はソフトウェア開発やシステム設計において相補的な役割を果たしています。

機能要件はシステムが提供すべき具体的な機能を明確にし、非機能要件はシステムの性能や品質を向上させるための指針を提供します。

両方の要件を適切に組み合わせることで、ユーザー満足度の高い高品質なシステムを開発することができます。 

 

次の章では、非機能要件を定義しておくことの重要性と役割について探っていきます。

 

2. 非機能要件の重要性と役割

 ユーザーエクスペリエンスの向上 

非機能要件は、ユーザーエクスペリエンスの向上に重要な役割を果たします。システムの応答性や使いやすさ親しみやすさなど、ユーザーがシステムを利用する際の満足度を向上させる要素を考慮します。

例えば、システムの高速な応答や直感的な操作インターフェースなどが、ユーザーエクスペリエンスの向上に寄与します。 

 

 セキュリティとプライバシーの確保 

非機能要件は、セキュリティとプライバシーの確保にも欠かせません。システムは機密情報や個人データを取り扱う場合がありますので、不正アクセスやデータ漏洩のリスクを最小限に抑えるための要件を設定します。

安全なデータ保管やアクセス制御、暗号化などの対策を組み込むことで、ユーザーの信頼性を確保します。 

 

パフォーマンスと信頼性の向上 

非機能要件は、システムのパフォーマンス信頼性の向上にも関与します。システムの応答時間、処理能力、システムの停止や障害への対応などが重要な要素となります。

例えば、大量のデータを高速に処理する必要がある場合、システムの拡張性や負荷耐性を確保するための要件を設定します。

これにより、ユーザーにとって信頼性の高いシステム環境を提供することができます。

 

非機能要件は、システムの利用価値や品質を向上させるために不可欠な要素です。

ユーザーエクスペリエンスの向上、セキュリティとプライバシーの確保、パフォーマンスと信頼性の向上に焦点を当てることで、より優れたシステムを実現することができます。 

 

3. 主要な非機能要件の種類

可用性と信頼性の要件 

可用性と信頼性の要件は、システムがユーザーにとって適切な時間帯で利用可能であり、中断や障害が最小限に抑えられることを保証します。

可用性要件は、システムの稼働時間、予備機構の導入、バックアップと復旧の方法などを定義します。これにより、ユーザーがシステムにアクセスできる時間を最大化し、業務の中断を最小限に抑えます。

信頼性要件は、システムが正常に動作し、エラーやデータ損失のリスクが最小限に抑えられることを求めます。適切なテストと監視機構の導入により、システムの信頼性を確保し、ユーザーの信頼を維持します。

 

 パフォーマンスと効率性の要件 

パフォーマンスと効率性の要件は、システムの性能と処理能力に関連します。

パフォーマンス要件は、システムの応答時間、処理速度、スループットなどの指標を定義します。これにより、ユーザーがシステムの応答をスムーズに体感し、業務の効率化が図られます。

効率性要件は、リソースの効果的な利用や最適化に焦点を当てます。システムが効率的に動作することで、ユーザーの待ち時間やリソースの浪費を最小限に抑え、生産性の向上を促します。

 

セキュリティとプライバシーの要件 

セキュリティとプライバシーの要件は、システムやデータの保護に関わります。

セキュリティ要件は、アクセス制御、認証と認可、暗号化、脆弱性対策などのセキュリティ対策を定めます。これにより、機密性や整合性の確保、不正アクセスやデータ漏洩のリスクの最小化が図られます。

プライバシー要件は、個人情報の取り扱いやデータの保護に関する規定を設けます。
ユーザーの個人情報は法的に保護され、適切な管理と処理が行われることで、プライバシーの確保と信頼関係の構築が図られます。

 

 可変性と拡張性の要件 

可変性と拡張性の要件は、システムの柔軟性と将来の拡張性に関わります。

可変性要件は、システムの変更や拡張が容易であり、柔軟に対応できることを要求します。これにより、ビジネス要件の変化や市場の変動に迅速に対応し、競争力を維持します。

拡張性要件は、将来のビジネス要件や技術の進化に対応するために、システムの拡張性やモジュール性を考慮します。これにより、システムの長期的な持続性と適応性を確保し、新しい要素の追加や機能の拡張が容易に行えます。

 

非機能要件の種類は、システムの全体的な品質やパフォーマンスに大きな影響を与えます。

これらの要件を適切に理解し、設計と開発の段階で考慮することで、優れたユーザーエクスペリエンスや安全性、柔軟性を備えたシステムを実現することができます。 

 

4. まとめ

この記事では、非機能要件について詳しく解説してきました。非機能要件は、システムやソフトウェアの性能や品質を定義する要素であり、機能要件とは異なる重要な側面です。 

 

今回の重要なポイントを以下4点にまとめます。

非機能要件は、ユーザーエクスペリエンスの向上、セキュリティとプライバシーの確保、パフォーマンスと信頼性の向上など、さまざまな役割を果たします。 

ユーザーエクスペリエンスの向上は、ユーザー満足度を高めるために重要です。使いやすさや応答速度などが含まれます。 

セキュリティとプライバシーの確保は、システムやデータの安全性を確保するために欠かせません。不正アクセスや情報漏洩のリスクを最小限に抑える必要があります。 

パフォーマンスと信頼性の向上は、システムの動作速度や安定性を高めるために重要です。応答時間や障害発生率などが改善されます。 

これらの要素を考慮して、非機能要件を適切に設定し、管理することが重要です。要件の特定と優先順位付け、文書化と追跡、テストと検証の手法を適用することで、プロジェクトの成功に寄与することができます。 

 

非機能要件を適切に理解し、効果的に活用することで、より優れたシステムやソフトウェアの開発に貢献しましょう。 

 

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