みなさんは、「グループ」と「チーム」の違いをご存じでしょうか?
企業体における仕事のほとんどは、複数人で行われます。メンバー個人の個性や能力も重要ですが、複数の人々が、集団においてどのような形で働くかによって、その集団が生む成果や効果が変わってきます。
一人一人の能力値が高いメンバーをただ集めた集団が、必ずしもチームワークが良好に発揮され、順調に成果を上げられるとは限りません。
個人の能力だけを見るのではなく、集団の特性や効果を理解し目的に応じて使い分けることが重要です。
本記事ではグループとチームの違いとそれぞれのメリットとデメリット、マネジメントする上でのポイントも踏まえて分かりやすく解説していきます。
1. グループとチームの違い
グループとチームは、どちらも「集団」、つまり「複数人の集まり」を指す言葉です。よって、一見すると似たようなものに見えますが、実際には異なる性質を持っています。
一番わかりやすい違いは、それぞれの目的や目標でしょう。
グループは、同じ場所にいる人々の集まりであり、共通の目的や目標を持っている必要はありません。
一方、チームは、メンバー全員が共通の目的や目標に向けて協力し、相互に補完しあうメンバーから構成される組織の形態です。 具体的には、グループはメンバーが単に一緒にいる状態の場合が多く、協力や相互補完は必要とされません。
例えば、同じ会社に勤める人たちがランチを一緒に食べることがあるでしょうが、これは単なるグループの一例です。
一方、チームは、全員に共通した目標に向けてメンバーが協力し、役割や責任を分担して相互に補完し合うことが求められます。
例えば、サッカーのチームやビジネスチームがその代表的な例です。
グループとチームの違いを理解することで、目的や目標に応じてどちらの形態が適しているかを判断できるようになります。 これにより、組織の中で適切な集団の形態を選択することができるようになるでしょう。
他の違いを簡単にまとめると、以下の図のようになります。
詳しい比較をする前に、チームとグループそれぞれの定義の詳細や、メリットとデメリットについてみていきましょう。
2. グループとは何か?
グループの定義と特徴の説明
1章でも紹介しましたが、グループとは個人の集まり、つまり集団の一つであり、それぞれの個人で目標や責任範囲を持っています。
よって評価される対象物も、個人の成果が主になります。
しかし、ただ集団としてまとまる上で共通の興味や、信念、共通の分野での経験、外部からの指令などに基づいて作られることが多く、お互いに協力することが比較的容易な場合が多くあります。
また、グループにおけるリーダーは、集団に対して統括したり引っ張ったりといったアクションを求められる立場というよりも、集団を維持するための代表者として置かれる場合が多くあります。
グループは以下の2種類あります。
フォーマル・グループ:
社会的な目標を達成するために、組織の管理職によって作られるグループです。 メンバーが共通の目的や目標を持つ、「チーム」と重なる部分もありますが、フォーマル・グループの場合、集団の形成過程が特徴的です。
フォーマル・グループはメンバー本人が決めて集まった集団というよりも、年齢や職業、宗教、居住区などといった、外部要素によって作られた集団のことを指すことが多くあります。
例:部門のセクション(経理部門の売掛金セクションなど)、成人式出席者、港区老人クラブ。
インフォーマル・グループ:
これらのグループは、社会的または心理的な人間のニーズを満たすために、組織内で自然に形成されます。インフォーマル・グループの目的は、「メンバー同士と一緒にいること」自体がほとんどです。
例: アーティストのファンクラブ、スポーツサークル、同窓会。
グループのメリット・デメリット
メリット
アイデアを出しやすい
グループは、共通の目的を重視しないからこそ、異なるバックグラウンドや視点や目的を持つ人々が集まります。これにより、クリエイティブな解決策が生まれる可能性があります。また、各メンバーはグループ全体に責任を持っていないので、開放的に意見が出しやすくなります。
柔軟性が高い
グループは、特定の興味や話題に対して一定期間だけ集まることができます。また、グループメンバーの変更が容易であり、新しいメンバーを追加することもできます。これにより、必要な場合にはグループの構成を変更し、柔軟に対応することができます。
リーダーの負担が少ない
グループは、異なる目的や目標を持つ個人が集まり、集団として一つに団結する責任もないため、リーダーがメンバーを管理する負担を抑えられます。
デメリット
意見の相違
グループは、多様な人々が集まるため、意見や目的の相違が生じやすいです。このため、合意形成が難しくなることがあります。
個人主義の加速
グループには、メンバー間で協力を求められていません。そこで、グループ内で競争が生じることがあります。この場合、メンバーが個人主義的になり、グループ内の団結が崩れることがあります。
責任の所在
グループには、責任の所在が曖昧になりやすいという問題があります。特定の関心や目標に向けて集まるため、メンバーの責任が明確にならないことがあります。
3. チームとは何か?
チームの定義と特徴の説明
チームは、集団メンバー全員で共有している目的や目標に対し、全員が共同し目標を達成するために作られた個人の集まりです。
一言で言うと、まさに「一人はみんなのために、みんなは一人のために」で表現できます。
責任対象も、個人の成果だけでなく、他のメンバーを含む集団の成果が該当します。
よって、チームでは協調性や人間関係構築能力、対立解決能力といったチームワークの実現を支える要素が重要視されます。
特に、チームワークの中でも相互補完効果を生むために、他のメンバー同士で相互理解を深めることが大切です。
チームの例:
バスケットボール日本代表チーム、プロジェクトチーム、医師チーム、マネジメントチーム
チームにおけるメリット・デメリット
メリット
目標達成効率が良い
チームは、共同で作業を行うため、グループと比べて効率的に目標を達成することができます。それぞれのメンバーの個人の弱み強みに合った役割分担をし、協力して作業を進めることができます。
意見の共有ができる
チームは、グループよりも密接な関係を持っているため、意見の共有が円滑に行われやすくなります。これによって、さらに創造的なアイデアが生まれ、よりよい意思決定が行われることがあります。
モチベーションの向上
チームは、お互いを刺激しあうことができるため、モチベーションの向上につながることがあります。また、共通の目標に向けて努力することで、チーム全体の結束力が高まることがあります。
デメリット
コミュニケーションの調整
チームは、メンバー間でコミュニケーションを取り合う必要があります。しかし、メンバー間でコミュニケーションの調整がうまくいかない場合、情報共有が滞り、生産性が低下することがあります。
個人差の問題
チームには、メンバー間での個人差が生じることがあります。この場合、個人差による調整が必要となるため、組織の運営が複雑になることがあります。
リーダーシップの重要性
チームは、目標達成には協力が前提であると考えられるため、リーダーシップによってまとめられることが重要です。しかし、リーダーシップが不十分な場合、チーム全体がまとまらず、目標達成が難しくなることがあります。
4. グループとチームの比較
グループとチームで共通している点
グループとチームは異なる部分もありますが、共通している点もあります。
共通している点は以下のものがあります。
メンバー同士で関わりがある点
リーダーがいる点
情報の共有をする点
特に、共通点の一つであるメンバー間での関わりについては、グループやチームにかかわらず、それぞれの集団に求められる業務内容に合わせて、何を理想とするのか、どうアプローチすべきなのか考えてみる事が大切です。
グループのマネジメントのポイント
多様性への理解と尊重
グループのマネジメントにおいては、メンバー間の適合性を高めること、グループの共通の価値観を尊重すること、変化に対する柔軟性を持つこと、そして集団の力を最大限に引き出すことが重要です。
ポイントは、多様な背景を持つメンバーが集まるグループにおいて、異なる意見や視点を尊重し、それぞれの特徴を生かそうとすることです。
チーム内の多様性についての理解を深めたい方はぜひこちらの記事もご覧ください。
チームのマネジメントのポイント
チームワーク
チームをマネジメントする上で、チームワークを意識することは欠かせません。
具体的には、チームメンバーが相互理解し、互いに補い合うことで、強みを最大化し、弱みを最小にするために協力して動くことが重要です。
また、チームの最も重要な特徴は「相乗効果」です。単純に各メンバーの能力を総和するよりも大きな成果をチームは達成できます。
つまり、チームのマネジメントにおいては、メンバー間の信頼関係や相互理解を構築し、それぞれの強みを生かしつつ、共通の目標に向けて協力することが欠かせないと言えます。
チーム内での相互理解を深めるワークについて詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。
5. まとめ
本記事では、グループとチームの違いについて説明し、それぞれのメリット、デメリットについて紹介しています。
複数人で仕事を行う場合には、個人の能力だけでなく、集団の特性や効果を理解し、目的に応じて使い分けることが重要です。
一人一人の能力値が高いメンバーをただ集めた集団が必ずしもチームワークが良好に発揮され、順調に成果を上げられるとは限りません。
したがって、グループやチームを適切にマネジメントするために、メンバーの個性や能力だけでなく、集団における関わり方やコミュニケーションのあり方にも意識してみましょう。
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