フリーライダーとは?具体例を対策とともに分かりやすく解説

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フリーライダーとは?具体例を対策とともに分かりやすく解説

あなたの周りには、「この人、チームに「タダ乗り」しているだけなんじゃないか」と感じる人はいませんか? 

このような人はフリーライダーかもしれません。 

 

フリーライダーとは、他のメンバーが自分の代わりに仕事をこなしてくれるためにあまり働かない特定の人を意味します。 

当記事では、フリーライダーの特と、マネジメントの方法具体例を用いて紹介します。

1. フリーライダーとは

フリーライダーの定義 

昨今、チームで働く上でいつか発生すると言われる「フリーライダー」もともと経済学の概念でした。 

フリーライダーとは、

ある共有の資源・財・サービスなどを、正当な対価を支払っていない、あるいは全く支払っていないにもかかわらず使用したり浪費したりする人

つまり「タダ乗り」する人を指します。 

 

傍観者の画像

フリーライダーという言葉が生まれた背景には、公共財があります。 

公共財とは、個人的な利益を追求することができない財産のことです。 

 

具体例1: 公園や道路

公園や道路は、国の公共財です。

しかし、公共財は個人の所有物と異なり、使用量に制限がないため、誰でも自由に使用できます。

政府は公共財を維持するために税金を徴収し、財源を確保しています。

しかし、税金の徴収が上手くいかない場合、または一部の人々が負担をしないで公園や道路を利用する場合があります。

これらの人々をフリーライダーと呼びます。

 

具体例2: ウィキペディア (Wikipedia)

フリー百科事典であるウィキペディア (Wikipedia) は、フリーライダー問題に直面しています。 

毎月何億人もの人々がウィキペディアを利用していますが、利用料を支払っているユーザーはごく一部です。

ウィキペディアの利用者の大多数は、利用料を支払っていないですが、サイトが提供する情報の恩恵を受けることができます。

これがフリーライダー問題です。 

 

これらのことがビジネスにおいても同様に起こります。

共同作業を行う場合、一部のメンバーが行動をしなくても、最終的に成功した場合には同じ報酬を受けることができます。 

この場合、フリーライダーが報酬を得ることになり、他のメンバー作業量に対して適切な評価をされず、頑張る意欲がなくなるためがれ、全体の生産性が低下してしまいます。 

 

一昔前は、「給料泥棒」と呼ばれることもありました。 

このような問題を防ぐためには、チームリーダーがフリーライダーを特定し、適切なマネジメントを行う必要があります。

 

フリーライダーの特徴と具体例 

消極的な姿勢 

フリーライダーはできるだけ自分が得られる利益量を増やし、同時に負担量を減らそうとします。

よって主体性を求められる場面では消極的な姿勢を見せることが多いです。 

 

具体例1:

チームメンバーが多忙である中、自分は作業をほとんど行わず、貢献しない

 

具体例2:

打ち合わせやミーティングに参加するだけで、アイデアや意見を出さずに終わる

悩める方々

時間やリソースの権利搾取 

フリーライダーは自分が享受できる利益を最大化しようとするため、チームや企業が提供する権利や善意を搾取する傾向があります。 

 

具体例1:

企業が提供するPCや文房具を、業務の必要性にかかわらず私物化して使用する。

 

具体例2:

組織の制度を利用して、自分が個人的に利益を得ることを目的に、チーム予算で業務に必要のない有料アプリの導入を行う。 

 

他責 

フリーライダーは、集団の目標達成に対する意欲よりも自分の利益の最大化を優先するため、自分の担当分以外の業務について貢献度が低く、プロジェクトの成果に対する責任感が薄い傾向があります。 

 

具体例1:

プロジェクトで問題が発生したときに、課題発生の責任から逃れようと発言を控える。 

 

具体例2:

自分の担当分以外の業務について責任を取らず、失敗した場合には他のメンバーの責任として押し付ける。

言い争いをする人たちの画像

 

実力以上の評価を求める 

フリーライダーは最小限の負担で最大限の利益を享受するために、実績以上に「成果を上げている」ふりをすることで自分の実績以上の評価を求める傾向があります。 

 

具体例1:

プロジェクトの成果に対する貢献度が低いにもかかわらず、プロジェクト成功に対する手柄を横取りする。 

 

具体例2:

プロジェクトの中で負担量に対して評価されやすい業務のみを担当することで、他のメンバーと比べた際の自分の相対評価のみを上げようとする。

 

フリーライダーが生まれる背景

フリーライダーが生まれてしまう背景には、組織にもいくつか問題があります。 

若い人が悩む画像

 

成果主義ではない雇用環境

終身雇用の形態をとっている企業に所属している場合、成果にかかわらず雇用が守られているため、自分の成果を上げるモチベーションが発生しにくくなります。

これにより、メンバーそれぞれが成果に対する向上心を持ちにくく個人の自発的なスキルアップが見込まれません 

そのため、立ち回りさえしっかりできていると成果を出さずとも籍を置き続けることができてしまいます。  

 

人員を減らすことができず、仕事の量が少なくなった場合、余剰人員を抱えている会社では、従業員があまり仕事をせずに時間を過ごすことがあります。 

具体例:

大手銀行で、勤務年数が長い人から成果や貢献度に関係なく昇給や昇格がされる場合。

 

業務量と人員数の不均衡

業務量に対して人員が過剰に存在する場合、フリーライダーが発生しやすくなります。 

また、業務分担が不明確な場合、同じ作業を複数の従業員が取り組んでいる状況が発生します 

 

フリーライダーが発生する場面の具体例

具体例1:

プロジェクトごとにメンバーを選抜する採用方法を行っている会社において、プロジェクト終盤で仕事が減る場合

 

具体例2:

アルバイトなど短期雇用の際に、職務が明確でなかったり、指示が少ない場合

 

具体例3:

職場での役割分担や業務分担が明確に定まっていない場合 

 

このように仕事と人員のバランスがあっていないと仕事を人任せにしようと思えばできる環境にも問題があります。  

 

不適切な評価制度  

年功序列の評価制度は、フリーライダーを生みやすい傾向にあります。 

このような評価制度であると個人の能力やスキルは必要がないという認識になってしまいます。 

年功だけの評価によって「評価されている」という認識をもってしまうと意欲がないメンバーを生んでしまいます。  

  

フリーライダーは、自発的なスキルを磨こうとしないなどの問題がありますが、個人だけが悪いのではなく組織にも少なからず問題があるということです。 

 

業績に関わらず、一定期間ごとに昇給が決まる会社では、業績の悪い従業員でも昇給することができます。 

そのため、一部の従業員があまり働かなくても昇給できるという状況が生まれ、フリーライダーが生まれる可能性が高くなります。 

 

具体例1:

年功序列の評価制度によって、経験年数が重視される職場の場合 

具体例2:

出退勤時間のみを評価に含める制度を採用しており、成果にかかわらず労働時間が長いことが評価される場合。 

 

具体例3:

1人の上司から一方的に評価される場合。

 

 

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2. フリーライダーを生み出さないための対策例 

企業の採用改革も大切ですが、組織の中でとれる対策もあります。 

本章では以下に4つご紹介します。

 

仕事内容の可視化 

仕事の内容が見えることにより、誰が何をしているか見ることができます。

つまり、フリーライダーは、業務で手を抜きづらくなります。

また、ほかのメンバーとの仕事量や成果の違いを把握することにより、このままではまずいという心理が働くはずです。  

役割分担は、こちらの記事を参考にしてみてください。  

 

目標共有 

目標が定まっていないチームであると、まじめに取り組むメンバー、そうでないメンバーの二極化が進み、フリーライダーになりやすいです。

そのため、各メンバーにあった目標を決めさせ、メンバー自身が目標を設定し、進捗をリーダーが見守ることでフリーライダー化を防げます。

目標共有についての詳しい記事はこちらの記事をお読みください。 

 

適切な評価制度  

先述した年功序列による評価制度ではなく、公正かつ適切な評価制度であればメンバー一人ひとりのモチベーションが高まります。

また、評価を上げるためにはどうするべきかを主体的に動くメンバーがでてきます。

その結果、フリーライダーが誕生しにくくなります。 
成功や実績を社内で適切に評価することでモチベーションの向上に繋げることもできます。

社内での表彰についての詳しい記事はこちらの記事をお読みください。
レコグニションとは何?その概要をわかりやすく解説し導入方法も紹介します!

 

定期的なコミュニケーションの場の設定  

期間を決め、期間ごとにフィードバックをおこなうことによって、メンバーはどのようなところが評価されているのかを理解することができ、自分自身の仕事の仕方を見直すきっかけになると思います。

効果的なフィードバックについては、こちらの記事をご一読ください。 

 

フリーライダーにさせないこともリーダーの役割です。 

チームの生産性を高めるためにも上記の4つは大切になります。 

この機会に導入してみてはいかがでしょうか。 

 

3. おわりに 

最後に、大事な点をまとめました。

フリーライダーとは、ある共有の資源・財・サービスなど、正当な対価を支払っていない、あるいは全く支払っていないにもかかわらず使用したり浪費したりする、つまり「タダ乗り」する人を指します。 

 

フリーライダーの特徴として、以下のものがあります。

  • 消極的な姿勢
  • 時間やリソースの権利搾取
  • 他責
  • 実力以上の評価を求める

 

フリーライダーを生まないようにするために、以下の対策が可能です。

  • 仕事内容の可視化
  • 目標共有
  • 適切な評価制度
  • 定期的なコミュニケーションの場の設定

 

「タダ乗り」という意味を持つフリーライダーは、その人にしか利益がありません。 

チームにとっても企業にとってもいいことがなく、何の利益も生み出しません。 

早期発見、早期対策が要となってきます。 

野放しにしておくと周りにも悪影響を及ぼし、優秀なメンバーもいなくなってしまいます。  

できることから今すぐ実践してみてましょう。  

 

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