混乱期こそが今後のチームを左右する 乗り越えるためのワーク4選

方向性

混乱期はチームビルディングのチャンス!その克服法を紹介

2023年3月8日

この記事を見ている皆さんは、日々チームをまとめているリーダーだと思います。チームを形成していく際にぶち当たる壁として混乱期が挙げられるのではないでしょうか。

この記事では、チームビルディングにおける混乱期の乗り越え方からタックマンモデルについて詳しく解説していきます。

 

1. タックマンモデルとは

チームビルディングをするにあたりよく使われる理論としてタックマンモデルが挙げられます。タックマンモデルとは、1965年にタックマンという心理学者が提唱した組織が進化していくまでの過程を5つの段階で表したものです。

それぞれについて解説していきます。

形成期

チームが形成されたばかりの初めの段階のことを言います。お互いのメンバーのことを理解しておらず、それぞれの価値観やスキル、考え方を把握していないためにどこかぎこちないような状態です。

そのため、早い段階でリーダーとなる人がどのような目標を掲げているのかを共有し、それぞれの役割を決定する必要があります。

また、相互理解を深めるために交流会などを行いチームとしての目標を確かめ合っていくことも大切です。

 

混乱期

形成期のすぐ後にくるのが混乱期です。混乱期とは形成期とは違い、各メンバーの仕事の進め方や考え方における価値観の違いが表れてきます。

そこで、衝突してしまったり、互いが無関心になったりしてしまうことがあります。決して混乱期がわるいわけではありません。

しかし、混乱しているまま、取り繕っている状態のほうがチームとして問題です。混乱し始めたら一度立ち止まり、メンバー同士で思いをぶつけあうことが効果的です。

 

統一期

混乱期を乗り越えると統一期に突入します。統一期は、多少の意見の食い違いなどがあったとしても各メンバー同士で議論をし、解決していく状態です。

チームとして目指すところやお互いの考え方、仕事内容も理解できているため、各メンバーが最大限の力を発揮するようになります。メンバー同士の対立ではなく、チーム対出てきた課題という構図に切り替わります。

 

こんな統一期でも気にしておくべきポイントがあります。それは、チームとしての結論が間違った方向に行っていないかを確認することです。

日々の議論の着地点が間違っていたら正しい方向に軌道修正してあげることがリーダーに求められます。

 

機能期

チームが組織として機能し、成功体験を積めるような時期です。各メンバーが自分自身の役割を担い、互いの個性を認め合うことにより、個々のパフォーマンスが最大限に発揮され、次々と成果を出すことができます。

統一期まではリーダーが引っ張っていったり、まとめてきたりしましたが、機能期では、これらをメンバー自身が行えるようになり、リーダーは、必要な時に必要なサポートを行えるように観察することが大切です。

また、この機能期をいかに保つかというところがリーダーにかかっています。例えば、メンバーが仕事をしやすい環境を作ったり、働きすぎで心身を疲労させないように配慮したりなどです。

 

散会期

散会期は、目標を達成、あるいはプロジェクトが終わる際にチームを解散する時期です。目標を達成しているため各メンバーのスキルも向上しているため、そのスキルを次の場所で遺憾なく発揮する時が来たということです。

散会期にメンバー全体でやり切った感じが出ている状態が理想です。また、メンバーを送り出す際に、モチベーションにつながるような激励の言葉やポジティブな感想をおくることが最後のリーダーの役割になります。

 

以上の5つがチームビルディングにおけるタックマンモデルの段階です。

これらの中で日本人が比較的、乗り越えるのが困難だとされているのが混乱期です。ここからは、混乱期について乗り越え方や特徴について詳しく解説していきます。

2. 混乱期の対応策

これら5つの中でもームビルディングにおいて一番大事な時期が混乱期です。混乱期をどう乗り越えるかでこの先のチームの明暗は分かれるといっても過言ではありません。

混乱期の特徴

悩む人達の写真

混乱期の特徴として挙げられるのが主に3つです。

「私だったら、、、」「私はこうしたい」という意見やアイデアがでてくる

個人が主張することで、考え方や行動への対立、衝突が生まれる

メンバーのエネルギーはチーム内部の競争に向けられる

特徴の多くに共通しているのが、自分と他者の違いについてです。自分はこのような価値観を持っているけどほかの人はこんな価値観を持っているのかといった気づきを与えることが大切になります。

また、特徴が出ているにもかかわらずそのままにしておくとチームとしての成長が止まってしまいます。

相互理解について詳しく知りたい方はこちらの記事をご一読ください。

 

混乱期の原因

混乱期の原因は、主に三つです。

 

メンバーの多様性を受け入れられない。

メンバー同士理解を深めていく中であの人の意見や発想は、私とは違うなと思うことがあります。また、もともといた組織で養った価値観などの違いから疎外感や違和感を覚えることがあります。

 

仕事のやり方や役割がはっきりしていないのでお互いに不満を抱えてしまう。

チームとして、仕事の進め方や役割が不明確な場合 メンバーの不満につながります。

各メンバーそれぞれに仕事の進め方や得意不得意があるものの、お互いに把握できておらず他人事と捉える可能性があります。

そのため「自分の責任ではない」、「リーダーが何をしたいのかわからない」などといった反発を引き起こす原因となり得ます。

 

メンバー間でビジョンや目的が共通の認識として定着していない。

チームの結成理由やビジョンが共通の認識として定着していない場合、先が見えず不安へとつながります。

その結果 各仕事に対する不信感やメンバー間の関係性悪化へとつながり混乱期へと向かいます。

混乱期を乗り越えるためには、これら3つを解決していくことにあります。これら三つを解決するためにどんなことが必要であるか解説していきます。

 

混乱期の乗り越え方

新たに人が組織に加わった際、それぞれが混乱せずスムーズに仕事で成果を出すために重要になるのが「オンボーディング」です。

オンボーディングと、それぞれのスキルに合わせ目標を立て長期的なプランを立て、メンターの助けを借りつつ信頼関係や期待値のズレを解消することで、新しくプロジェクトに参入するメンバーが最大限の成果を発揮できるようになるプロセスです。

オンボーディングについて詳しく知りたい方は、是非こちらの記事もご覧ください。

オンボーディングとは?OJTとの違いや目的、効果的な導入のポイント解説

 

また、混乱期を乗り越えるにあたり大事になってくるのが「自己開示」と「他者受容」というキーワードです。原因や特徴を見てわかる通り、『私ならこうするのに』ということを思うだけでなく、メンバーに言ってみることで相互理解が進みます。

また、このような機会をリーダーが率先して作るということも混乱期を乗り越えるうえで重要になってきます。

例えば、メンバーがわからいことなどをリーダーに相談してきた場合、メンバーの中で理解が深い人に教えてあげるように促すなどです。このようにすることにより、チーム内でのコミュニケーションが増え、相互理解が深まります。

これらができるようになると心理的安全性の高い環境になります。

 

心理的安全性についての記事はこちらの記事をご一読ください。

また、チームでの目標やビジョンを明確にすることも大切になってきます。目標やビジョンを明確にできていないと各メンバーがそれぞれのやり方で仕事をしていくといったことになりかねません。

そのため、混乱期を迎えたと感じたらあらためてビジョンや目標を共有する必要があります。

 

3. 混乱期を乗り越えるための具体的な対応策

グループワークを行っている写真

ここからは、混乱期を乗り越えるために行うと効果的なワークを紹介したいと思います。

 

NASAゲーム

NASAゲームとは、チームメンバーとの合意形成を行うことにより、価値観などを理解していくことができるゲームです。ルールとしては、意見が対立した場合でも多数決や諦めるのではなく、チームメンバー全員が納得して答えを決めることに意味があります。

このゲームの一番の魅力は、NASAの答えが実際にあるということです。また、複数チームで実施する場合は、NASAの回答に近いほうが勝利となります。

回答についてはご自身でお調べください。こちらに記載するとネタバレになるため控えさせていただきます。

ワークについて_所要時間

60~90分

ワークについて_内容

あなた方は宇宙船に乗って月面に着陸しようとしている宇宙飛行士です。
月面には母船が待っているのですが,機械の故障で母船から約200マイル(約320km)離れた所に不時着してしまいました。

不時着時の衝撃で宇宙船はほとんど壊れ使用不能となりました。
しかし、次の15アイテムは破損を免れて完全なまま残っていました。
「まずは、重要なアイテムを見極めよう」ある宇宙飛行士が言いました。

「冷静に判断するため、まずは各自で考え、最後は全員で話しあおう。」

母船に無事たどりつくため,15アイテムの中で必要なものから重要度の高い順に1番から15番までの順位をつけなさい。(最も優先度が高いものが1となります)

ワークについて_アイテム一覧

-マッチの入った箱

-宇宙食

-ナイロン製ロープ(15m)、

-落下傘の布(パラシュート)

-ソーラー発電の携帯用暖房器

-45口径ピストル(1丁)

-粉ミルク(1箱)

-酸素ボンベ45kg(1本)

-月からみた星座表

-救命いかだ(救命ボート)

-磁石コンパス

-水(19リットル)

-信号用照明弾

-注射器入りの救急箱

-ソーラー発電式FM送受信機

 

聖夜のケーキ店

「聖夜のケーキ店」というワークは、NASAゲーム同様にコンセンサスゲームとなります。

<ワークについて_内容>を読み、<ワークについて_設問>に対しての答えを各自で考えてください。

またその考えた内容をチーム内で話し合い、チームとしての答えを出しましょう。

ワークについて_所要時間

40分程度

 

ワークについて_内容

街はずれの小さなケーキ屋さん
普段は、それほど忙しくないこのお店も、
この日だけは大忙しの1日になる…
そう、クリスマスの日だ…

クリスマス2日前の朝…
オーナーが店に入ってきた。
そして、店長や店員を集めてこう言った。
「クリスマスに販売するケーキの話だが…」
「今年は、絶対に200個しか作らないようにお願いします!」
「毎年、400個作ったのはよいが、必ず大量の売れ残りが発生する。多額の廃棄損が出て店は赤字だ!」
「ここ5年間…クリスマスの売上は、200個前後で推移している。」
「だから…今年は絶対に200個以上は、生産するな!」
「店長は、いつも私の指示を無視して必要以上の数量を作るが、今年は絶対に命令に従ってくれ!」
「もし、命令を無視して200個以上生産した場合、今年からはスタッフ全員で買い取ってもらう…」
「給料から天引きさせてもらうので、そのつもりでいてくれ…」

そう言い残すとオーナーは去っていった…

12月24日 クリスマスイブの早朝…
店長は、店員のA君とBさんに対し…
「本日、クリスマスケーキの生産は400個だ!」
「みんな張り切って、仕事に取り掛かろう!」
店員のA君は店長に言った。
「200個にするよう、オーナーから指示がありましたが…」
店長は、笑いながら…
「そんなことは気にするな!」
「今年こそは400個売り切ってやろう!」
「オーナーをびっくりさせるぞ!」

店員のA君は…

「売れ残った分は、自腹になるので、イヤです」

「命令通り、200個の生産にしましょう!」

店員のBさんは…

「そんなことは心配しなくても大丈夫」

「今年は、私がミニスカートサンタになって、バンバン販売しちゃうから!」

「店長の言うように、400個で行きましょう」

結局今年も、400個のクリスマスケーキを生産することになった。

 

〜クリスマス当日

Bさんは発言通りミスカートサンタ姿で頑張りましたが、結果的に200個程度しか売ることができませんでした。

 

〜翌月給料日

A君の給料明細は、ケーキ代として5万円天引きされていました。

店長はA君に謝罪と共に、5万円が入った封筒を手渡しました。

 

ワークについて_設問

・この物語に登場した4人の人物、「オーナー」「店長」間違った行動を取ったのは誰ですか?

・また、グループで話合い、間違っていると思われる順に、登場人物の4人に対し、1位~4位までの順位をつけてください。

ワークについて_ルール

グループ議論の時間:15分

討議が終わったら5分程度で発表

発表が終わったらエピローグ動画を見て、感想を述べあってみましょう。

 

野球のポジションあてゲーム

「野球のポジションあてゲーム」はコミュニケーションの活性化や採用ワークとして使えるコミュニケーションゲームです。

このゲームは各メンバーにそれぞれ違う情報カードが配布され、そのカードの情報を他メンバーには見せずに情報を口頭で共有しあい答えを導くゲームです。

全員とコミュニケーションを交わし正解に辿り着けるよう頑張って下さい。

 

情報カードは必ず口頭で共有して下さい。他の人には見せないようにして下さい。

自分の持っている情報とほかのメンバーが持っている情報をうまく活用しながら、解いていくことにより、他者受容と自己開示の2つができるワークです。

 

ワークについて_所要時間

10分程度

 

ワーク内容_ルール

メンバー全員に異なる情報が記載された情報カードを配布していきます。以下の内容が書かれた情報カードを参加者に均等になるよう配布して下さい。

情報カードをもとに9人の野球選手のポジションを完成させていきます。

-左利きの人はベースに上にいます

-ピッチャーとライトの背番号の和はファーストの背番号と同じ数字です

-BさんはEさんの隣ではありません

-C さんの隣には E さんがいます

-センターの背番号は偶数です

-C さんの近くにはランナーが通ります

-Hさんは外野ではありません

-Dさんは審判の近くにいます

-左利きの人はHさんとCさんです

-Iさんはベース上にいません

-Bさんはキャッチャーになりたかったようです

-Gさんは一番足が速いです

-一番足が速い人は外野にいます

-Cさんはベンチから一番近いポジションにいます

-Hさんはベース上にいます

-Fさんは電光掲示板の近くにいます

-キャッチャーの背番号はCさんの背番号より大きい数字です

-キャッチャー、ピッチャー、センターの背番号の合計は46です

-サードの背番号は奇数です

-セカンドの背番号はゾロ目です

-ピッチャーの背番号は一桁の数字です

-背番号が10番の外野のポジションを守っています

-外野の中で背番号が一番小さい数字の人は、ライトのポジションを守っている人です

-背番号順に選手を一列に並べた時、レフトの人は前から数えて5番目以内にいます

-ライトの背番号は19番ではありません

-Aさんの後ろにはGさんがいます

 

出典元:【授業事例24】 - キミのミライ発見

 

新メンバー採用ワーク

「新メンバー採用ワーク」は現在のチームに必要な人材を話し合うことで、チームの強みや弱みを見つめ直すきっかけとなります。目標、仕事の進め方、役割など様々な観点で必要な人材を話し合いましょう。

 

ワークについて_所要時間

90分程度

 

ワークについて_内容

全員で、チームの目標や進め方のルール、現在足りている役割と足りていない役割など15分ほどで話し合ってみましょう。その後 15分ほどで各自が現在必要だと思う人材のイメージを固めましょう。

以下の内容を決定できると良いです。

・強み(性格面 例:主体性)

・弱み(性格面 例:計画性)

・所持スキル(例:Webマーケティングスキル、Java、営業力)

・経験(例:オウンドメディアを立ち上げ1年後に月間10万を達成)

 

各個人の作業が完了後、60分ほどで意見交換をしましょう。またこの際 直球の質問や意見などは控えましょう。このワークの趣旨は自チームの見直しと相互理解にあります。そのため心理的安全性を欠くような発言は控えるため、意見を全面否定するような事は控えて下さい。

4. まとめ

今回は、タックマンモデルについて解説していきました。また、混乱期を乗り越える方法についても紹介してきました。

ワークを通じて相互理解を進め、混乱期を乗り越え、さらなるチームの飛躍を目指してみてはいかがでしょうか。

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