30代で転職活動をする人のなかには、「20代のときよりも転職活動がうまくいかない」と感じる人も多いでしょう。
なぜなら、20代は意欲やポテンシャルが重視されるものの、30代では別の要素が重視されるからです。つまり、30代に合った方法で転職活動をしなければ、なかなか思うような成果は得られません。
とはいえ、30代に適した転職活動の方法がわからない人も、多いのではないでしょうか？
そこで当記事では、転職活動を成功したい30代の人に向けて、自分に合った職場で働く方法や注意点を解説します。
1. 30代で転職がうまくいかない5つのパターン
30代で転職活動がうまくいかない人には、特定のパターンがあります。
主なパターンは以下の通りです。
希望の会社から内定をもらえない
転職活動がうまくいかない人は、いずれかの特徴をもつ傾向にあります。
- そもそも内定をもらったことがない
- 希望度が低い会社からのみ、内定をもらえる
「希望度がかなり低いけれど、実際に入社してみたら自分に合っていた」といったパターンも見受けられるものの、こうしたケースは少数派です。
転職活動を成功させるには、狙っていた希望の会社から内定をもらえる必要があります。
入社しても毎回ミスマッチを感じる
応募先から内定をもらえるものの、いつも「入社後にミスマッチを感じる」人が、一定数存在します。
ミスマッチを感じると、モチベーションやエンゲージメントが高まらず、マイナスな気持ちが生じるでしょう。すると、前向きな気持ちで働ける会社を探すべく、再び転職活動を開始する事態に陥りがちです。
無意味な転職活動を防ぎ、満足度の高い転職を実現するには、自分とマッチした会社で働く必要があります。
転職することがゴールになっている
転職は、内定をもらって入社することがゴールではありません。
入社後に、「満足しながら働けるか？」や「思い通りに活躍できるか？」が最終的なゴールだといえます。
転職すること自体がゴールになっていると、内定をもらう行為に焦点を当てて活動するため、入社後のマッチ度にまで気が回りません。そのままミスマッチな会社に入社すれば、モチベーションが上がらず、再び転職活動をする可能性が高まります
20代の頃と同じ気持ちで活動している
20代で転職活動を成功させた人のなかには、当時と同じ気持ちで転職活動をする人もいるでしょう。
しかし、20代と30代では、面接官の注視するポイントが異なります。
20代の場合には、意欲とポテンシャルを明示できれば、準備不足でも面接を通過できるケースは多々見受けられます。
一方30代に対しては、「すぐに活躍できるか？」や「マネジメント能力」といった部分も重視されるため、一夜漬けのような対応は意味を成しません。
全体的な準備不足
転職活動で失敗しがちな人は、全体的に準備が不足しています。
万全な準備をしていれば、先述のような「希望の会社から内定をもらえない」や「入社しても毎回ミスマッチを感じる」といった状況も防げるでしょう。
また準備が万全であれば、面接本番の緊張を和らげる効果が期待できます。
30代の転職を成功させるために「必要な準備内容」については、後述します。
2. 30代で転職がうまくいかない人の共通点5つ
30代で転職活動がうまくいかない人には、共通する5つのポイントがあります。
詳細は以下の通りです。
自己分析が不足している
自己分析とは、自分の今までの経験やスキルを踏まえ、長所短所や得意・不得意などを把握する作業のことです。
自己分析ができていれば、自分に合った企業をピンポイントで探せるのはもとより、企業にどういった点をアピールすればよいかがわかります。
一方で自己分析が不足していると、自分のウリや弱点が不明瞭になるため、自身とマッチする企業をなかなか見つけられません。
仮に応募先が自身とマッチする企業だとしても、自己分析が不足していれば、アピール不足で採用担当者に「採用したい」と思わせられないでしょう。
自己分析の一環としてぜひキャリアアンカー診断をおすすめします。
キャリアアンカーとは仕事を行う上での価値観を指します。
当メディアではキャリアアンカーについての記事を掲載しており、当記事では診断テストも用意しております。
ぜひこちらの記事をご一読し、診断テストをご活用ください。
企業調査・面接などの準備不足
20代であれば、「企業調査」や「面接の準備」が多少不足していても、意欲やポテンシャルを示せれば、採用されるケースも往々にしてあります。
しかし30代に対しては即戦力やマネジメントを期待するケースも多く、今までの経験によって「自社に対してどれだけ貢献できるか？」という視点で判断されます。
応募先である企業の調査が不足していると、入社後に「（応募先企業で）どういった活躍ができるか？」を明確に伝えられません。
また面接では、さまざまな切り口から、応募者の志望動機・転職理由などを質問されます。面接の準備が不足していると、予想外の切り口で質問されたときに、臨機応変な回答ができません。
企業に「入社後の活躍イメージ」をもたせられていない
応募先の企業で活躍できるスキル・経験をもち合わせていても、面接官に「入社後の活躍イメージ」をもたせられなければ、選考通過はむずかしいでしょう。
なぜなら、採用面接は「自社で活躍できる人」を採用する目的があるからです。
また入社後の活躍イメージができる応募者とは、以下の条件を満たしたうえで、その内容をしっかりと面接官に伝えられる人です。
- 必要最低限のスキル・経験がある
- 自社の特徴・特性を理解している
- 応募者のやりたいことが企業目的と合致する
活躍できるかわからない人を採用する企業は、ほとんど存在しません。活躍の予測ができない人を採用する企業があるとすれば、「ブラック企業」か「危機的に人手不足な企業」のどちらかだといえるでしょう。
ミスマッチな会社に応募している
ミスマッチな会社に応募すると、面接官または応募者が違和感をもつため、なかなか内定にまで至りません。
ミスマッチな会社に応募している背景には、以下のような理由が挙げられます。
- 募集要項などの条件面しか見ていない
- 企業の情報収集を怠っている
- 自己分析が間違っている
募集要項に記載された条件面しか見ていないと、職場環境や人間関係といった定性的な要素を見逃してしまいます。
また企業の情報収集を怠っていると、表面的な部分でしか判断しないため、ミスマッチが生じて当然です。
そもそもの自己分析が間違っていれば、目的地の設定をミスしたカーナビのように、いつまでたっても求めている会社にたどりつかないでしょう。
逃げの転職である
一般的に「逃げの転職」だと、転職活動はうまくいきません。
なぜなら、前職で解決できなかった問題は、次の職場でも直面する可能性が高いからです。
とくに他責志向が原因の「逃げの転職」は、いつまでたっても満足できる転職ができないでしょう。
他責志向とは、「上司が悪い」「同僚に恵まれない」といった、責任はすべて他者にあるという考え方です。
他責志向における逃げの転職では、仮に希望の会社に採用されたとしても、問題が発生するたびに不満が出てくるでしょう。自分で解決策を見いだせないため、会社のせいにして、さらなる転職を繰り返します。
ただし、ハラスメントが横行しているケースや、犯罪に手を染めているような会社であれば、「逃げの転職」はアリでしょう。
3. 30代の転職を成功させる方法とは？
30代で転職活動がうまくいかない人には、共通する5つのポイントがあります。
詳細は以下の通りです。
転職理由を明確化する
30代では、意欲やポテンシャルをアピールするだけの転職はむずかしいため、転職理由の明確化が欠かせません。 転職理由が明確になると、転職で目指すべきゴールが見えてきます。
ゴールを見据えながら応募する企業を選べば、応募先を選定する段階におけるミスマッチが減らせます。
また転職理由を明確にすることで、応募先企業を選んだ理由や、応募企業でどのように成長したいかなどがクリアになるでしょう。
明確な転職理由を軸にもった回答は、面接官に対する説得力を高めます。説得力の高い回答は、面接官に「入社後のイメージ」をつけやすくなります。
自己分析を行う
自己分析をおこなうことは、転職を成功させるための必須要素だといえます。
なぜなら、自己分析によって自分の強み・弱みを知ることで、転職市場での「市場価値」がわかるからです。
市場価値を正確に把握していると、自身の状況に見合った企業を客観的に選べるようになります。市場価値よりも少し上と思われる企業を狙う場合にも、不足スキルや現在の経験値を踏まえ、どういった角度からアプローチすればよいかがわかるでしょう。
また自身を的確に知ることで、応募先企業に合わせた「ベストなアピール」ができるようになります。
企業調査・面接の準備を万全に
企業調査と面接の準備をなんとなく実施している人は、満足度の高い転職を実現しにくいでしょう。
なぜなら、企業のことをよく理解せずに応募すると、自分に合わない企業に応募する可能性が高まるからです。また面接の準備が中途半端だと、たとえ必要なスキルや経験をもち合わせていても、面接官に「自分のウリ」や「入社後の活躍度」を上手にアピールできません。
企業調査では、企業ビジョン・将来性・強みをはじめ、業界研究や競合他社の調査までおこないましょう。トータル的に応募先を見ることで、企業の詳細がクリアになります。
また面接の準備では、基本的な質問内容を用意するのはもちろんのこと、友人や家族といった第三者を面接官に見立てた模擬面接も実施するのがベストです。
企業に対し「採用するメリット」を伝える
輝かしい経歴やスキルを保持していても、応募先での貢献が期待できなければ採用には至りません。つまり、企業にあなたを採用するメリットが伝わらなければ、保持する経歴やスキルは宝の持ち腐れに終わってしまいます。
そのため、職務経歴書や面接を通じて、企業に対し「（自分を）採用するメリット」を伝えましょう。採用するメリットを伝える際には、以下のポイントを意識することが大切です。
- 企業が求める人物像を推測し、自分との共通点を発見する
- 応募先の業績アップにつながる部分を回答
- 応募先企業に対する熱意
メリットを伝えることで、面接官も安心して内定を出せるでしょう。
自分軸で転職活動を捉える
自分軸とは、周囲に影響されず、自分の考えを尊重して行動することです。
対義語として他人軸という言葉があります。
たとえば「上司の指示が悪いから、仕事がうまくいかない」という考え方は、周囲に影響されていることから、他人軸での考え方です。
一方「上司の指示に対し、別の角度から質問をしたら詳細が見えるかもしれない」と仮定し、自分の考えにもとづき行動するのは自分軸です。
転職活動も自分軸でとらえることで、「不況な世の中が悪い」や「自分の魅力に気づかない応募先が悪い」などと周囲に影響されず、本質を見据えながら行動できます。
本質を見据えて転職活動をすることで、成功するスピードもはやまるでしょう。
4. 30代が転職活動をする際の注意点
最後に、30代が転職活動をする際の注意点について解説します。
詳細は以下の通りです。
人によって「転職の成功」は捉え方は異なる
ある人は「実力を評価してもらえる環境に移り、スキルアップする」を転職の成功と考えるかもしれません。
一方で別の人は、オンオフが明確な職場における仕事・育児の両立を転職の成功と考えることもあるでしょう。
上記のように、人によって「転職の成功」に対する捉え方は異なります。
そのため、同じ30代と比較するのではなく、あくまで自分は「何をもって転職を成功と考えるか？」を問うことが大切です。
なるべく多くの企業に応募する
マッチしない企業も含めた「やみくもな応募」は非効率的であり、オススメできません。
とはいえ厳選した1～2社にしか応募しないと、チャンスをのがす可能性があります。
なぜなら、募集要項上では魅力的に思えていたものの、面接に参加すると「雰囲気が合わない」と感じるケースも多々見受けられるからです。逆のパターンも然りです。
そのため、自分のなかで「外せない条件」を満たす企業には、できるだけ応募することを推奨します。
多くの企業に応募することで、自分の市場価値もはかれるため、自身の自己分析における精度も見えてくるでしょう。また多くの企業に応募すれば、書類作成や面接の場数を踏むことになるため、自身の書類作成力や面接力のブラッシュアップにもつながります。
現職に転職活動中であることを伝えない
以下のような理由で、現職に対して「転職活動中である旨」を伝える人がいます。
- 後任者への引継ぎを考慮
- 有給を面接で使用したい
- 現職への当てつけ
いずれにしても、転職先が決まるまでは、転職活動の事実を伝えない方がよいでしょう。なぜなら、転職活動を阻止される可能性があるからです。有能な人であれば、引き留めにあうでしょう。
また当てつけで伝えた人には、転職活動を妨害される可能性も否定できません。
新たな転職先も、前職を円満に退職してほしいと願っています。
転職先に内定承諾を受理されるまでは、誰にも「転職活動をしている事実」を伝えない方が賢明です。
5. まとめ：転職活動がうまくいかないときには、視点を変えるとよい
転職活動がうまくいかないときには、たいてい「失敗にむすびつく行動」をとっているものです。そのため、視点を変えて行動することで、状況が改善するケースは多く見受けられます。
当記事で紹介した4つの方法を試しながら、転職活動の成功に向けて、適切に行動していきましょう。
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